第17話 ~強襲~
フィーナ達に見送られ
ジブラルタル海峡を抜け
地中海に入ってからは穏やかな潮目を過ごす。
シチリア島を左に見ながら東に向かい
リスボンを出港してからはや三日。
順調に航海が続き、
もうすぐクレタ島か見える。
今回は楽勝だなっ
……っと思っていた事もありました
只今、
絶賛、
……囚われの身です
なんでこうなった……
((((;゜Д゜)))
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時は二時間前に遡る
穏やかな風景が一変した
「敵襲だ!」
見張りから張りつめた叫び
クレタ島から北西に一時間の距離。
これは逃げ切れるか微妙なところだな。
現在8門しか大砲がない。
小型船体でオスマンガレーを相手にするのはかなり不味いか……
一瞬の逡巡
交戦距離ぎりぎりから仕掛けてきた。
オスマンガレーの強襲です!!
第一声が
『泣いてあやまったらゆるしてやるぜ?』
……ほざいたな?
誰に向かって上等切ったか教えてやんぜ!
第一種戦闘準備かかれ!
回避、逃走発動
ふふふ、逃げるが勝ちだよw
次に機雷を投下!
獲物を狙ったガレーは機雷原の真ん中に向かって前進。
こちらの後ろを取ろうとした敵艦が
機雷に接触した。
機雷により
やや動きが鈍ったガレーからの船首砲撃が
次々に水面に着弾する。
当たらなければどうと言うこともない!
見せてもらおうか
スループのクオリティの高さとやらを!
砲撃を巧みに躱しながら
小型船特有の回避を魅せる
このまま強引にいくか
多少いいのを貰おうが、
ここで捕まったらタコ殴りにされるだけだ。
耐えろ、スループ号。
もう少しで戦闘海域から離脱できる!
もう少し……
よし、逃げきった!!!!
……そう思った矢先、
見張りの悲痛な叫び
「前方から別のガレーが!!!」
くっ、こちらが本命か!
目の前にはガレーが!
速いっ!!
ガレーからの強烈なラムアタック!
避けられない!
船首に激しい衝突!!!
と同時にガレーから
鉤爪付きロープによる接舷斬り込み
「ヒャッハー!」
海賊達は我先に突っ込んでくる
敵の突撃!突撃!突撃!突撃!
防御が間に合わない!
もう駄目だ
圧倒的な戦力でのゴリ押し
成すすべもなく
拿捕された……
かくして戦闘は終結し
ダーノ達は囚われの身となり
冒頭に戻るわけだ
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船員すべて
縄で縛られ芋虫状態
戦利品として
持ち金全て(大金貨は隠し金庫の中)と
ロンドンから積み込んだウィスキーを強奪された。
縛られた船員をジロジロと眺めている男、
ドレッドヘアーにログウッド染めバイコルヌ
服は海の男というか、
レイヴンジュストコールを着て
日に焼けた黒い肌、
ヒゲを生やしたならず者
そんないかにも海賊な敵船長が声を荒げる
「しけてやがんな。
もう少しマシなもん積んでやがると踏んでたのによぉ
おい、お前ら全員ドレイ行きだぁ!
鉱山にでも売りさばいてやんよぉ
くひひひ、
今のうちにシャバの空気をせいぜい味わんな。
おっと、その前に、
そこの姉ちゃんは、特別に可愛がってやんぜぇ」
シンシアは怯えている
グヘヘヘ
やつは下卑た笑みを浮かべ
シンシアの耳元で囁いたかと思うと、
耳の穴にぬるりと舌を滑り込む
異物に体を戦慄かせながら、
シンシアは必死に抵抗する
「ぐははは、お楽しみは帰ってからだ!
おめぇら、凱旋だ!本拠地に帰んぞ!!!」
オーーー!!!!!!!!!!!
海賊達は雄叫びを叫び
一斉に出航の準備に取り掛かる
オスマンガレーは拿捕した
スループを曳航しながら北西に向かう
絶望に打ちひしがれても
どうすることもできない
……どうにかして
どうにかしてでも
シンシアだけは逃がさなければ……
例えこの身が裂けてでも……
このままではシンシアは……
くっ!
なんて俺は非力なんだ!
誰も救えないじゃないか
誰か!
誰か俺に力を!!!!!
誰かー!!!!!!!!!!!!!!!!!
その時…………
希望の光が見えた
「なに湿気た顔してんだよ?ダーノさん」
……え、嘘だろ、
なんでこんなとこにいるんだよ、
あんた事故で亡くなったはずだろ?
「まだまだボケるには早すぎますよ♪」
そこには艦隊を率いた
かつてゲーム内で一番親しかった友人であり、
海賊でもあった、
「カンツさーーん!!!!!!!!!!!!」
カンツオーネがいた
帆船の戦闘はいかがだったでしょうか?
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2020・4/8 人物名をオラシオンからカンツォーネに変更しました。