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大海原が夢の跡     作者: だーのん
16/58

第16話 ~リスボン 後半~

ほんわかパートを書いてみました♪





「こら、ヒナ!勝手に入るなと言っておいただろう!」



リンドウさんの言葉に少女は意に介さない



「シア姉ちゃんおひさー!」



「ヒナ、久しぶりね。


ダーノ、こちらはリンゲーさんの娘でフィーナ=リンゲーよ。


そして、お母様と同行した人の娘でもあるわ」




「初めまして、

だーのんって凄くお腹出てるね!刺していい?」

 


フィーナは腹をグサグサ突き刺してくる


遠慮ないなw



名前もだーのんに替えられたし




サービスして下腹をシェイキングしてやったら

たいそう喜ばれた



「だーのんっておもしろいねー!

私のことヒナって呼んでいいよ♪」




フィーナはあくまでもマイペースである



ブレないな



「ああ、ヒナって

さっき港で海を見ていたよな?」





「だって、

父様が母さんは海から必ず帰ってくるって言ったから、


毎日欠かさず海を見ながらお祈りしてるの。

はやく帰ってきてねって」



フィーナは下を向いて項垂(うなだ)れる


「ヒナもお母さんが気になるよね、さぁこっちへおいで」



シンシアはフィーナに茶菓子を譲ってあげる

 


シンシア、


それ俺の茶菓子……(´;ω;`)




「大丈夫よ、私達が必ず見つけ出してみせると約束するわ」



シンシアはフィーナを(なぐさ)める


「約束?」



「ええ、約束よ」


  



リンゲー氏は微笑(ほほえ)ましく(うなず)



「今日はもう遅いから泊まっていかれるといい」





~~~~~~~~~~






お言葉に甘え

部屋を用意してもらい夕食を済まし




サロンで食後のお茶を頂く






ゆっくりしたあと

各自部屋に戻る途中で、




フィーナが

屋敷から抜け出すのが見えた。




こんな夜更けになにやってるんだ



急いでシンシアと二人で

こっそり(あと)をつける




人の声や馬車の音で

騒がしい喧騒な市街を抜けると、


小鳥のさえずりと

波の音だけが聞こえる砂浜が現れた



そこにはもう

だいぶ使われていないであろう廃屋があり


フィーナは廃屋に入っていく。




くぅーん、きゅーん




中から鳴き声が聞こえる


「……犬か?」


 


思い切って中に入ると


まだ生まれて間もない白い子熊だった。



「おいおい、ヒナ。なにやってるんだ」



目は開いて毛も揃っているけど、

よたよた歩く足取りが危なっかしい。

 


「見つかったかー」



フィーナはこちらを振り向き観念した様子だ


シンシアが俺の肩越しに子熊を覗き込む。



「その子熊はどうしたのですか?」



「街中に捨てられていたの」



いま巷では動物イベントが開催されていて

無料でペットが大量配布されたようで、


心許ない人が動物を捨てたようだ




子熊を抱き上げると、

子熊はぴったりと身を寄せてきた。


人懐っこいな


……いや


寒いんだろう



「どうも寒さにやられてるみたいだ。

まずいな、このままじゃ……死ぬぞ」



手に伝わる子熊の体温はあまり高くなかった。



「連れて帰りたいんだけど、

父様は、きっと怒ると思うから……」



フィーナはその瞳を潤ませる




ふー


頭をボリボリと掻く



しょうがないな




「俺からも頼んでやるから」



フィーナは目を輝かせて喜ぶ


「いいの!?お兄ちゃん、ありがとう!!!!!!!!!!」






【★゜+o。ズキュ―(*゜д゜*)―ン。o+゜★】





お兄ちゃんキタ━━!!!!!





いや、俺じゃないぞ

俺はロリコンじゃないしw




隣のシンシアが一人 

(もだ)えているのだ


クールな有能シンシアも良いが

悶えるシンシアも良いね!




なんだか

シンシアの属性がよくわからんがw




「ほら、早く帰ろう。

あったかいミルクを飲ませてやらないとな」

 


 




~~~~~~~~~~~~~~~







家に子熊を連れて帰ると

 

フィーナはリンゲーさんにコッテリ怒られたが


俺とシンシアの取り成しで一応解決した。




ペット登録をし、可愛い首輪をつけ

商会の入口で看板クマにするそうだ。




フィーナは 

白い子熊を自分の腕に抱え上げ、胸元に抱き締める。



子熊は大人しく抱かれている。



「良かったな、ヒナ」



子熊の背中をもふもふ撫でる



もふもふは良い

何もかも忘れてもふる



くんかくんか嗅ぎたくなるわ





「これもお兄ちゃんのお陰だよ。ありがとう」


はにかみながらフィーナはお辞儀する。



「良いってことよ。

ただし、ちゃんと世話をするんだぞ?」




「私いままでちゃんと出来てるよ!お花畑の世話もしてるしー」




頬を膨らませてブーたれるフィーナ



「そっか、名前はどうする」



「名前はもう決めたんだ!

だーのんにした!」



ぶふぉっ!



「おいおい、俺はクマか」



「立派な下腹に育てるよ!」



入口で下腹をシェイキングするクマか



……アリだなw




「まぁ大事に育てるんだな」





ヒマワリが咲いたような満面の笑顔で微笑む


「お兄ちゃん、本当にありがとう!」



手をヒラヒラして応える





「気にすんな」




その笑顔だけで充分さ






「だーのんとシア姉ちゃんの無事を


毎日だーのんと一緒に港で祈ってるから」




子熊と同じ名前だと

ややこしいなw






「おう、今度来たときのお土産は


ヒナの母ちゃんだな」




「約束よ?」




「約束だ」






さぁ、海に出よう





ほんわか出来たら評価ポチ宜しく♪(ノ´∀`*)

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