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大海原が夢の跡     作者: だーのん
15/58

第15話 ~リスボン 前半~

らっしゃい!らっしゃい!


そこの美人なお姉さん!

よってらっしゃい見てらっしゃい♪


この小説は毎日その日のうちに挙げたばかりの書き立て文字だけだよ!(*・∀・*)ノ









さくやは ずいぶんと おたのしみでしたね★




メイド達は

愉しそうにつぶやいているw






くぅっ!




まさか会長にハグハグされるとわ



シンシアにも目を反らされるし


  

お嫁に行けないじゃないか




落ち着くんだ俺





ふっふっひー

ふっふっひー




獰猛なクマにじゃれつかれたと思って

心を無にして忘れようw





ぶつぶつ呟きながら


食堂にて朝食をがっつり頂き、



会長から

リスボン支店への手紙配達依頼を受ける。



「この手紙をリスボン支店長に渡してくれ」



ソリマチ会長から手紙を預かる




「まかせろ。

泥船に乗ったつもりで安心しな」



うなる黄金の右手!

「泥船ダメじゃん!」


コンマ1秒を切る 

スナップの効いたツッコミだ





やはりシンシア嬢は有能w



ツッコミなくしてボケ成り立たず


ボケ×ボケも良いけど

エンドレスなボケはツライよねw





手紙を懐に入れ、


会長達に盛大に送り出され屋敷をでる。






港には


係留してある愛船スループの姿が。



水面に佇む帆船は

いつみても惚れ惚れするね!



準備万端なスループに乗り込み、


ロンドンを出港する。



目的地はアテネだが


補給と手紙配達の件でリスボンにも寄るつもりだ。








メインセイルが風をはらんでいる側に出て、



「ロープを目一杯ひくんだ!

二時の方向に面舵(おもかじ)、ヨーソロー‼」



これまた有能副官である

ドミンゴさんが指示をだす。



ジブシートをロープで引き込んでゆくと、


艇がスルスルと速度を増し始める。



なかなか熟練度の高い操船技だ



これで帆走状態になった。




ブリテン島南側を西に向かい、


ビスケー湾を南西を目指す。




この時期の海域は逆風ではあるが


逆風でも上手く風を掴めば

縦帆なら問題なく進める。




だいぶこの船にも慣れてきたな





オポルトを左に見て南下するともうすぐだ



リスボンが見えてきた!


「取り舵一杯、ヨーソロー!!」







【ポルトガル リスボン】



リスボンの桟橋に接岸し、


もやい網をボラードに

ちゃんともやい結びで結ぶ。



流されたらあかんでね




リスボン港は


この地域の荷物が集まる中継港である為、

大変賑やかしい。



人夫達が

積み荷を忙しなく運んでいる姿が見える




そんな慌ただしい港に



使ってないボラードの上に

整った顔立ちの女の子が腰掛け

 


じっと海を眺めている



13歳くらいだろうか?




何故か気になった為


声を掛けるが返事はない。




美少女の海を眺めている姿は絵になるな



声掛けは諦めて

南インド商会のリスボン支店に赴こう。







~~~~~~~~~~


 

港前にあるコメルシオ広場を抜けると



リスボンの街中は人で溢れ


多くの飲食店や商店が連なり

客寄せの喧騒で満ちている。




特に銀行前は大変活気に溢れていて


繁華街に響く人ごみの喧騒に

思わずたじろぎながら、


その雑踏に紛れる




プラタ通りを過ぎて


レスタウラドーレス広場の近くに、


4階建ての立派なゴシック建築風の屋敷が見える



そこが南インド商会のリスボン支店である。







シンシア嬢が敷居を跨ぐと




そこに40歳くらいの男が声をかけてくる。



「いらっしゃいませ。



もしや……、


シンシアお嬢様ですか?」



驚く男にシンシアは微笑む


「ええ、リンゲーさんお久しぶりね」




クールに見えた壮年イケメンは


「これはこれは!立派に成られて!」


くしゃくしゃな笑顔でシンシアを迎える



「アテネに向かう途中でね。


こちらはダーノ。父の盟友よ。


そしてお父様から手紙を預かっているわ」



手紙をリンゲーへ渡す


「ここでは何ですから、


奥にあるサロン(接客室)へどうぞ」




通されたサロンの中は



イングランドに本拠地を置く

南インド会社に相応しく


英国製のアンティークな調度品や


時間を忘れさせるモダンな空間に

ステンドグラスははめ込み窓である。



メイドが紅茶と茶菓子を恭しくテーブルに差し出す。



「拝見しました。


ダーノ様に

全面的に協力するようとの申し付けはわかりましたが、


キキ様に関しての情報が

見つかったというのは本当ですか?」

     



「ええ、本当よ。

これで一緒に同行した奥様も見つかれば良いのだけど」


   





……その時、




バンっ!


 

急に扉が開き、



少女が押し入ってきた





「その話は本当ですか!?」





そこにいたのは、



さきほど港で声を掛けた

美少女ではないか










~~~~~~~~~~~~


★【補足説明】★




◎面舵いっぱいとは?


読み方は「おもかじいっぱい」。

船の舵を右に目いっぱい取り、

進行方向を右に向けること。


昔は、360度に十二支を当てはめて方角を表現していて、

北を上にすると東(右)の方角が「卯」です。


面舵は、昔は「卯の舵」。


「卯の(うのかじ)」が訛って、

面舵(おもかじ)」と言われるようになったそうです。



「面舵30度」だと、

「船首を右30度、向きを変えろ」という意味になります。


どれだけ舵を切れるかは、その船の性能にもよりますが、

「面舵いっぱい」だと角度は右に30度が多いようです。


「面舵」だけだと、右に15度です。


「二時の方向に面舵」なら右に60度です。




◎取り舵いっぱいとは?


読み方は「とりかじいっぱい」。

船の舵を左に目いっぱい取り、

進行方向を左に向けること。



北を上にすると西(左)の方角が「酉」です。

取り舵は、昔は「酉舵(とりかじ)」だったのです。






◎ヨーソローとは?


航海用語で船を直進させることを意味する操舵号令である。

転舵のあと、今向いている方向でよしというときに発することが多い。


漢字では「宜候」または稀に「好候」とも書き、

「よーそろー」と発声する。


これは「宜しくよろしくそうろう」が

変化したものであるそうです。



ヨーソローは英語で

「(Keep her) steady!」です。






◎ボラードとは?


作中で少女が座っていた

港に必ずある船を繋ぐ繋留用の杭のこと。


係柱けいちゅう、係船柱、繋船柱けいせんちゅうともいう。

船側でロープを掛ける突起物をボラードと呼ぶことも。



典型的には上部の直径がキノコのように大きくなっていたり、

上部が90度曲がって水平に伸びていたりして、


繋留用ロープがほどけないようになっている。



材質は木材や石材、鉄材で出来ている。


単一のボラードはしばしばクロスロッドを備えていて、

8の字結びができるようになっています。


陸上では道路や広場などに設置して自動車の進入を阻止したりする目的で設置される、地面から突き出した杭である。



以上補足説明でした。


本作より文字数が多くなる補足ってw


~~~~~~~~~~

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― 新着の感想 ―
[一言] 私はとってもとっつきにくい腹黒ででも大好きな造船等の師匠に造船のイロハを教わりながら商用スループを作ってもらい ずーっと大事に乗りました、三キャラでその船で世界周航を終わらせたのはいい思い出…
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