面倒なこと
うぽつ
ん........んん。........おん?
「起きた?」
よく寝たぜ........ここどこだよ?
「森を抜けるとこだよ」
「グルゥ!」
俺の意識が飛んでる間に、何があったんだよ?
「扉で来たの」
「........?」
扉?どういう事だ?なら、初めっからそうすれば良かったんじゃねぇか?
「だめ。私の一族だけが知ってる、特別な魔法だから」
........そうか。よく考えたら俺はただの骨だからな。深いとこに首張っこまねぇ方がいいか。
「ごめんね」
で、国はどこにあんだ?
「まだまだ先だよ。このままのペースだと........」
そのあとは?
「しー。馬車の音がするの」
彼女が言ってまもなく、豪華な馬車が目の前を通りかかった。
「おい!そこにいるお前ら!何見ている!」
馬車から男が降りてきた。いきなりなんだ?
「グルルルル」
ルビー達が威嚇している。馬車の男がこちらへ近づいてきた。
「お前らみたいな下等生物共が、我が王国の姫を乗せている馬車を見るだと?考えただけで虫唾が走る」
いや、見てるんですよねぇ........てかこいつなんなん?
「わたし達はただ、国はどっちか探してただけなの」
「ガウ!」
「........!」
彼女に合わせておく。ボロが出たらまずいからな........そもそも喋れないけどな。
「くっ!そんなガキみたいな言い訳が通用するとでも思ってるのか?」
やれやれ、めんどくさい奴に絡まれちまったな........
わこつ