【おまけ編】『クラリオンの息吹』なんでもランキング!
おまけ編の第7弾は『クラリオンの息吹』なんでもランキングです。
このコーナーでは『クラリオンの息吹』作中に登場する様々な要素や小ネタを、ランキングの形式でお届けしようと思います!
続編を含めると延べ90万文字超にわたった、文庫本6冊相当ものボリュームを誇る本作。統計を取ってみると色々な傾向が見えてくるかもしれません。このコーナーを執筆し始めた時点では、作者自身も統計の結果を知らない状態です。ワクワクしながら筆を執っています。
今回の『なんでもランキング』では、以下の6項目を取り扱います!
①キャラクター名の登場回数(ベスト20・ワースト10)
②用語の登場回数(ベスト20)
③視点人物17名の視点占有率(ベスト17)
④文字数の多い話、少ない話(ベスト10・ワースト10)
⑤紹介の文字数の多いキャラクター(ベスト20)
⑥紹介の文字数の多い用語(ベスト20)
① キャラクター名の登場回数
調査対象は本編・続編を含む911,226文字と、登場人物91名です。本文中でそれぞれの名前が何回ずつ登場しているか、Wordの検索機能を用いて調べてみました。
ちなみに「はじめ」「丈」「恵」「忍」「堺」の五人については、一般名詞と名前の区別がつかないので今回は調査できていません。ごめんねみんな……。「はじめ」とか相当多い部類に入るだろうに……。
結果は以下の通りです!
【ベスト20】
1位 高松里緒 4669回
2位 青柳花音 1719回
3位 西元紅良 1307回
4位 高松大祐 914回
5位 茨木美琴 721回
6位 滝川菊乃 640回
7位 神林紬 562回
8位 高松瑠璃 489回
9位 須磨京士郎 329回
10位 白石舞香 326回
11位 藤枝緋菜 225回
12位 矢巾千鶴 166回
13位 長浜香織 149回
14位 西成満 140回
15位 守山奏良 137回
16位 新発田亮一 131回
17位 浪江真綾 118回
18位 神林拓斗 113回
19位 上福岡洸 105回
20位 取手雅 104回
【ワースト10】
77位 高松雅影・高松織枝・西尾曾太郎・余呉晴臣・鹿沼悟郎・越谷まり・石巻雄介・行橋俊太郎・横芝静子・流山由美 1回
……この回数が実質、各キャラクターが作中に与えた影響の大きさランキングでもあると思います。ちなみに全部合計すると14,446回で、各人物の名前が全員2文字だとしてもキャラ名だけで約3万文字に達することが分かりますね! 里緒など単独で9,300文字を稼いでいます。
そしてワースト10の方は全員が登場回数1回という体たらく。ここに出てくる10人の名前と登場話数、そして何者なのかを覚えていらっしゃる方がいたら、その方は間違いなく誰よりも本作を読み込んでくださっている神様です。心からの感謝をさせてください。それと、高松雅影・織枝夫妻に関しては作中では「祖父」「祖母」と書いていることが多いので、実際にはもう少しだけ上のランクに位置するはずではあります……。
なんにしても主人公たる里緒の存在が圧倒的です。2位に約3倍もの差をつけて圧勝とは。
② 用語の登場回数
調査対象は①同様、本編・続編を含む911,226文字と、架空用語98項目です(実在用語は含めていません)。本文中でそれぞれの用語が何回ずつ登場しているか、Wordの検索機能を用いて調べてみました。重複はカウントしていません(計算で除外しています)。
結果は以下の通りです!
1位 弦国 289回
2位 芸文附属 64回
3位 立川音楽まつり 55回
4位 弦国管弦楽部 45回
5位 国立WO 41回
6位 都立立国 36回
7位 日産新報 26回
8位 佐野中 24回
9位 ひららもーる 22回
10位 全国学校合奏コンクール 17回
11位 弦巻学園国分寺高等学校 17回
12位 仙台母子いじめ自殺事件 15回
13位 日産新報社 14回
14位 ラックタイムス 14回
15位 仙台市立佐野中学校 12回
16位 立川アネモネこども園 12回
17位 佐野地区 10回
18位 プリズム楽器 9回
19位 赤星学園高校 8回
20位 Weekly日産 8回
……キャラクター名と比べると大人しいランキングになりました。
やはり主人公たちの母校が圧倒的です。ただし弦国管弦楽部に関しては、作中では単に『管弦楽部』とだけ書いている場面が多く、確か実際には400回程度は登場していたと思います(一般名詞としての「管弦楽部」も作中には登場するので正確なカウントはできませんでした)。
ちなみに「19位の赤星学園高校って何者!?」と思われた方は、本編133話をご覧ください。作者も8回登場していたことに驚きました。同じ高校野球の対戦校だと、142話で対戦した大和国際大学第三高校(和大三高)が、前者の呼び名で2回、後者の呼び名で7回登場しているので、ここの順位と登場数の実態は必ずしも一致しません。なんのためのランキングだ……。
③ 視点人物17名の視点占有率
これは何のランキングかというと、本作には全部で17名の「視点人物」がいます。作品解説の回でも触れましたが、彼らはそれぞれの話で視点の役割を果たす、いわば部分的な主人公です。この項ではそれぞれの視点人物につき、誰がどれだけ視点を務めたかを調べてランキングにしてみました。
調査対象は本編・続編を含む911,226文字です。
今回は話数ベース・文字数ベースの2種類の調査方法を用いています。話数ベースの調査では、それぞれの人物が視点を務めた話の数を調べ、その合計数から視点占有率を算出。文字数ベースではそれぞれの人物が視点を務めた話の合計文字数を出し、そこから視点占有率を算出しています。
結果は以下の通りです!
【話数ベース】
1位 高松里緒 48.55%(101話)
2位 茨木美琴 11.53%(24話)
3位 西元紅良 9.13%(19話)
4位 青柳花音 8.17%(17話)
5位 高松大祐 7.69%(16話)
6位 神林紬 7.21%(15話)
7位 須磨京士郎 4.32%(9話)
8位 白石舞香 0.96%(2話)
9位 北本芹香 0.96%(2話)
10位 藤枝緋菜 0.96%(2話)
11位 鴨方つばさ 0.48%(1話)
12位 滝川菊乃 0.48%(1話)
13位 新発田亮一 0.48%(1話)
14位 取手雅 0.48%(1話)
15位 上福岡洸 0.48%(1話)
16位 八代智秋 0.48%(1話)
17位 高松瑠璃 0.48%(1話)
【文字数ベース】
1位 高松里緒 48.05%(436,324文字)
2位 茨木美琴 11.54%(104,785文字)
3位 西元紅良 7.71%(70,052文字)
4位 高松大祐 7.64%(69,419文字)
5位 青柳花音 7.54%(68,537文字)
6位 神林紬 6.61%(60,085文字)
7位 須磨京士郎 3.60%(32,763文字)
8位 白石舞香 1.27%(11,616文字)
9位 北本芹香 0.96%(8,729文字)
10位 藤枝緋菜 0.95%(8,664文字)
11位 鴨方つばさ 0.78%(7,170文字)
12位 滝川菊乃 0.76%(6,925文字)
13位 新発田亮一 0.72%(6,540文字)
14位 取手雅 0.56%(5,091文字)
15位 上福岡洸 0.54%(4,978文字)
16位 八代智秋 0.48%(4,381文字)
17位 高松瑠璃 0.20%(1,817文字)
……大祐と花音の順位が引っくり返った以外は特に代わり映えのしないランキングになりました。なぜ両方とも調べたのかというと、これ、実は両方のパーセンテージを比べるためなのです。例えば美琴や芹香、緋菜の数値を見てみると、話数ベースでも文字数ベースでも占有率が大きく変わりません。しかし紅良や花音を見ると文字数ベースの方がだいぶ小さく、つばさや菊乃を見ると文字数ベースの方がだいぶ大きくなっています。計算すると分かりますが、ここでは話数ベース>文字数ベースの人は1話あたりの字数が少なく、逆に話数ベース<文字数ベースの人は1話あたりの字数が多くなっていることが分かるのです。大祐と花音の順位が逆転したのはこれが理由でもあったんですね!
それにしても文字数ベースの方、出てくる数字がとんでもなく大きいですね。2位の美琴が視点人物を務める回だけ集めても文庫本が1冊作れます……。本作の主人公は紛れもなく高松里緒ですが、実は全体の1割が美琴の物語であることも分かりますね。
④ 文字数の多い話、少ない話
調査対象は本編・続編を含む208話です。それぞれの話の文字数を調べ、ランキング形式にまとめました。ちなみに本編の中には間奏(interlude)も含んでいますが、登場人物・用語紹介回は含んでいません。あれ小説ではないですので……。
結果は以下の通りです!
【ベスト10】
1位 9,654文字
168話『コンクールまでの日々』
2位 9,110文字
183話『新世界の日常』
3位 8,891文字
157話『“妹”』
4位 7,919文字
166話『サマーコンサート【Ⅱ】』
5位 7,895文字
150話『師匠の後悔【Ⅱ】』
6位 7,586文字
192話『ゲーム対決』
7位 7,002文字
180話『再会』
8位 6,936文字
108話『天岩戸作戦──4日目』
9位 6,924文字
185話『文化祭』
10位 6,758文字
165話『サマーコンサート【Ⅰ】』
【ワースト10】
208位 1,817文字
prelude『TRUE END』
207位 2,220文字
95話『里緒の行方』
206位 2,268文字
13話『披露』
205位 2,323文字
interlude『凶音』
204位 2,436文字
35話『後ろ髪を引かれて』
203位 2,461文字
41話『“友達”の在り方【Ⅰ】』
202位 2,470文字
49話『気まずい楽譜渡し』
201位 2,495文字
91話『職員会議』
200位 2,537文字
36話『お掃除組の仲間』
199位 2,619文字
3話『自己紹介』
……ベスト10は話数が大きい作中後半、ワースト10は話数が小さい作中前半で占められているのがお分かりになるでしょうか?
実はこれ、作者の連載戦略によるものだったりするのです。
『クラリオンの息吹』は続編を含む全6章からなる小説ですが、各章ごとの1話あたり平均文字数は以下のようになっています。
第一楽章:3,492文字
第二楽章:3,651文字
第三楽章:4,061文字
第四楽章:4,591文字
第五楽章:4,842文字
終楽章(続編):5,336文字
小説家になろうの連載作品で「読まれやすい」とされる1話あたりの平均文字数は2,000~6,000文字と言われています。本作ではこの数値に則り、冒頭から徐々に平均字数を引き上げることで、読み始めの取っつきやすさと後半の読みごたえを実現する戦略を取りました。その結果が、上記のベスト・ワーストのランキングなのです! 実際に取っつきやすさや読みごたえを実感なさっている方がいるといいのですが(願望)
ちなみに本作の執筆段階では、視点人物や時間・舞台の切り替わりを基準にした「場面」という単位で、作品全体の流れや執筆進行状況を管理していました。51話~54話の『奏でる理由【Ⅰ】~【Ⅳ】』などが場面の名残です。これら各場面についても文字数を記録しているのですが、本作中で最大の場面は149話~151話の『師匠の後悔【Ⅰ】~【Ⅲ】』でした。なんと単独で18,696文字もあったようです。短編小説がひとつ成立しますね……。
⑤ 紹介の文字数の多いキャラクター
調査対象は登場人物紹介に掲載した登場人物91名です。文字数に大きく変化が生じないため、人物名からカウントしています。
結果は以下の通りです!
1位 高松里緒 4,961文字
2位 西元紅良 3,402文字
3位 青柳花音 3,276文字
4位 高松大祐 2,186文字
5位 滝川菊乃 1,574文字
6位 高松瑠璃 1,476文字
7位 須磨京士郎 1,335文字
8位 茨木美琴 1,292文字
9位 神林紬 1,143文字
10位 藤枝緋菜 1,077文字
11位 白石舞香 1,014文字
12位 守山奏良 992文字
13位 大津はじめ 887文字
14位 春日恵 859文字
15位 西成満 855文字
16位 八代智秋 850文字
17位 上福岡洸 845文字
18位 長浜香織 823文字
19位 新発田亮一 806文字
20位 松戸佐和 801文字
……このランキングには(作中の重要度とは無関係に)各キャラクターの人物としての面白さやネタの多さ、人物像の密度の高さが現れていると考えられます。瑠璃や菊乃が異様な高順位につけていること、第五楽章中盤で登場する西成満がランクインしていることを考えると、その捉え方が自然になるかなと。つまりこれは言わば「キャラ立ちランキング」なのです! ①では登場しそこなった主要人物のはじめや恵が、こちらでは見事にランクインを果たしています。
それにつけても里緒の圧倒的1位感が拭えません。4,961文字もあれば短編小説がひとつ完成してしまいます。主人公とはいえ書くことが多すぎんよ……。
なお、このランキングとは全く無関係ですが、もっとも長い・短い人物名はそれぞれ以下のようです。
(長い)宇都宮誠太郎:6文字
(短い)小諸:2文字
小諸が短いのは下の名前を設定していないからですね。登場人物紹介でも触れましたが、作中でも下の名前が未設定なのは彼だけです。決めないでいるうちに本編の公開が始まってしまい妥協しました。なにせ顔や声すら登場しない人物なので……。
⑥ 紹介の文字数の多い用語
調査対象は登場用語紹介に掲載した架空用語98項目です。用語名が長かったり短かったりするので、今回は用語名をカウントしていません。
結果は以下の通りです!
1位 1,117文字
弦国管弦楽部
2位 740文字
弦巻学園国分寺高等学校
3位 539文字
Die=Sonne
4位 480文字
全国学校合奏コンクール
5位 476文字
ラックタイムス
6位 450文字
芸文附属吹奏楽部
7位 419文字
仙台母子いじめ自殺事件
8位 388文字
東京芸術文化大学附属高等学校
9位 386文字
立川音楽まつり
10位 375文字
ルミナス国際音楽コンクール
11位 368文字
国立北多摩ウインドオーケストラ
12位 350文字
東京都立立国中等教育学校
13位 335文字
ひららもーる立川
14位 311文字
佐野地区
15位 300文字
東京芸術文化大学
16位 298文字
仙台市立佐野中学校
17位 287文字
日本産業新報社
18位 274文字
Weekly日産
19位 250文字
大多摩祭昭和記念公園花火大会
20位 248文字
大和国際大学第三高等学校
……これも⑤と同じく、それぞれの用語にどれほどの魂がこもっているかを示すランキングとして機能しそうです! 弦国、芸文附属、都立立国の三校に関しては管弦楽部(吹奏楽部)を独立項目の用語として扱っていますが、それでもなお弦国と弦国管弦楽部がトップ2を独占する恐ろしさ……。ちなみにトップ20からは漏れていますが、都立立国吹奏楽部は204文字で25位につけています。
なお、このランキングとは全く無関係ですが、もっとも長い用語名はそれぞれ以下のようです。
(表記名)ラックタイムス・フィルハーモニー交響楽団:20文字
(読み)東京芸術文化大学附属高等学校:28文字
実在用語だと「東京都高等学校文化祭音楽部門中央大会」の読みが35文字で最多になります。作中でも長すぎて存在感放ちまくりなのですよね、この単語……。なにか短縮形はないものか。
以上、6項目のランキングを発表してみました!
本作に対する皆様の理解や関心が少しでも高まったなら、このコーナーを書いた甲斐があるというものです。大変だった……(このコーナーの執筆とランキング算出には6時間ほど費やしています)。
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