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木菟のないた夜  作者: 慧波 芽実
学校編
70/114

1学期のさいご 1

本日2話目



 有生の出てきた翌日になる。その日は夏休み前の最後の学校の日であった。

 橋田先生から進路の紙をもらう。新学期で出さないといけない紙だ。



 うちの学校は学期締めは各クラスではなく学年集会で行うと決まっている。

 クラスのホームルームも終わり、学年集会のために講堂でクラスごとに並んで待つ。


 それを取り仕切るのは学年主任のフク先生だ。

 一瞬フク先生が心配げな顔を向けてきたので肩をすくめておく。前の方に立ったフク先生はまず座るように促した。それにならって講堂のフローリングに座り込む。



「えー。今日から君たちは高校に入ってからはじめての夏休みになるが、やることはちゃんとやるように。まず期末で赤点が3科目以上あった人は7月いっぱいは学校にくるようにすでに通達済みだとおもいます。君たちの大好きな勉強の時間があります。ちなみにこなかった場合は恐ろしいほどの課題というプレゼントがあるからな」


 くすくす笑う女の先生のほうにフク先生は一度視線を向けた。


「あと、2学期に入ってから進路希望の紙を回収するということを聞いてもう用紙をもらっていると思うがそれもしっかり考えて書けよ。それからそれに関連することだけど、2学期になったら見分を広めるために講演会があるって先輩からきいてるのもいると思うが、噂じゃないからな。ちゃんと講演会あるぞ。そこ、いやそうな顔をしない」


 フク先生の言葉に少しの笑いが漏れる。


「今年の講演会の人はちょっとすごいぞ。君たちもテレビとかで見たことはあるだろ、カリスマ社長、井浦弘樹さんだ」



 フク先生の言葉にざわつく。それを予想していたようにニッと笑ってしばらくするとフク先生ははい、落ち着けと声を上げた。


「そんな人が来るわけだから、君らもちゃんと進路について考えるように」


 ふうと一息をついたフク先生は一度まわりを見渡す。



「諸連絡は以上。これから話すことは君たちの心構えについての話だ。高校は義務教育じゃない。義務教育じゃなくなってはじめての夏休みだ。羽目を外したくなる気持ちもわかる。君らは子供から大人の途中で、もう高校生なんだから、まだ高校生だから、といろんなところで聞くだろう。どっちなんだ、と思うことがあると思う。実際先生たちもよくもう高校生、まだ高校生と使っているなぁと思うからな。それは君たちが大人になりつつある年齢になったということだ。だからといって羽目を外せといっているわけじゃないからな。羽目を外すときに考えてほしいのはそれをしてしまったときにどういうことが予測されるかということだ」


 フク先生は区切ると一息ついて学年全体を見渡す。


「物事だけじゃない、周りの人がどう感じるのかということまで考えてみてほしい。大人になるということは人のために時間を使えるようになるということだと先生は思う。そのためには人の気持ちを予測することも必要だと思う。君たちはまだ失敗することも、何かにチャレンジすることもできる年齢だ。その予測がはずれてしまったとき、困ったときに、すぐに周りの大人に手を伸ばしなさい。先生たちは君たちのそういうときに手を貸すことをためらわないから。おそらく人生であと数回しかない長い休みだと思う。だらだら過ごすのもよし、何かをしてみるのもよし。それぞれに有意義な時間を過ごしてほしいと思う」



 言い切ったフク先生はもう一度生徒を見渡す。

 半数以上がぼんやりと聞いている中ではあるが満足そうに笑った。ほかの先生に何かないか確認をしてから締めの言葉を口にした。



「それでは、事故や事件に気を付けて有意義な夏休みを。元気に2学期に会いましょう」


 解散を口にした瞬間にざわめく講堂。思い思いに親しい友人と固まり、出ていく。




■福田先生(フク先生)

あんまり聞いてもらえずしゅんとなる


次回は久しぶりかな?桐谷くんの登場^^明日の更新は怪しいです。すみません。

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