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木菟のないた夜  作者: 慧波 芽実
学校編
36/114

縺れた信頼 2



「そもそも、人が人と仲良くするとか、話をすることって何かしらのきっかけがあると思うんだよね」

「きっかけ?」


 不思議そうな顔の愛に言葉を続ける。


「そう、きっかけ。はなしたいなぁ、この人のことが知りたいなぁっていう単純なきっかけ。それがクラスが同じで席が近いとかいう受動的なものもあれば、自分からなんとなく話したいとおもっての能動的なものまで様々だよ」

「そんなもの、かな」

「まぁ私の考えなんだけどね」


 そういうと納得していなさそうな顔をしているのが見えた。

 逆行になりつつある愛の表情はすこしだけ読みずらい。


「人が知り合うときに一番簡単なのはほら、同じクラスだったとか、同じ職場だったとか、そういうの」

「そんなものいっぱいの人がいるじゃない」

「そうなの。だからたぶん無意識のうちに見極めちゃうんだと思うんだよね」


 愛の反応を待つことなく口を開く。 


「たとえば、かわいい人、きれいな人、かっこいい人、笑顔の素敵な人、清潔感のある人、自分と同じものを好きな人。そういう興味、はなしてみたいなってきっかけになるんだとおもうの」

「うれしくない」


 すねるような言葉に首をかしげる。


「どうして?」

「だって結局見た目じゃない」

「見た目って意外に大事だと思うよ?」

「そうかな?」

「じゃあ面接官になったつもりで、すっごい髪がボサボサで服もなんか汚くてって人と、髪をちゃんと結っていて服もぴしってしている人、どっちをとる?」

「それは、身なりが綺麗な方かな?」

「でしょ?」

「でもそれって面接官になったつもりでって言ったじゃない」

「じゃあ愛はそういう目でみてないの?」

「そんな、ことはないけど……」

「わたしたちって誰かを常に選んでいるんだよ。少なくとも第一印象での判断は特にね。たとえば不良みたいな格好をした人がいて、その人が実は優しい人なんて話した人しかわからないじゃない。でも初対面ではそんなことはどこにも書いていないから見た目のみの判断になるの。でもね。見た目の判断でいいこともある。似たような人、同じ趣味の人がすごくわかりやすいときだってあるよね」


 話しながら何をいっていたのかわからなくなってきた、と正直に告げるとおかしそうに愛は笑った。


「なら、夏目さんは私と話してみたいなとおもっていなかったの?」


 笑いながらもおずおずという言葉に思わず愛を見返す。


「だってクラス違うじゃない」

「そう……」

「でもね。泣かない様子を見て話してみたいなとおもったの。それであの日は一緒に帰って今も一緒に帰ってる」


 これじゃだめ? というと愛は複雑そうな顔を徐々に笑顔に変えていく。

 困った子をみる母親の笑みのような笑みだけで愛がこのことについて否定的な考えじゃないということが伝わった。


「じゃあ今は夏目さんのお眼鏡にかなったわけだ」

「そーゆことだね」


 ゆるゆると笑みを浮かべる愛の様は、落ち込んでいる様子とも怒っている様子とも違い、こちらも笑顔になりそうなものだった。



書いててわけがわからなくなったシーンです。

明日は更新できるか微妙なところです。できなかったら明後日明日の分までします!

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