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木菟のないた夜  作者: 慧波 芽実
学校編
15/114

甘美なる日常 2



「あのね」


 佐奈の潜めた声が聞こえ、騒がしい教室内で私たちは静かになる。


「告白現場」

「え、そんなのあったっけ?」


 麻里や優菜がいうよりも先にそう言うと呆れた視線を向けられる。


「志乃は何見てたの」

「てっきり佐奈が麻里の様にイケメン好きになったのかとおもってサッカーしてる集団をみてた。佐奈の好みいないよなぁと」

「みんなしてイケメン好きとかいわないでよ! 当たり前でしょ! そもそもイケメンじゃなきゃ仲良くなんてなろうと思わないんだから! よく言うじゃない、人は見た目がって」


 麻里の主張を聞き流した優菜が口を開く。一緒にひらいた菓子パンの袋は思っていたよりも大きな音がする。


「で?だれだったの?告白」


 優菜のわくわくしたような声に佐奈はにっこり笑いながら話す。


「ほら、1組の」

「あぁ。アイドルちゃん」


 3人で伝わっている会話に首をかしげる。


「誰? それ?」

「ちょっと志乃、まじ!?」


 佐奈があたかもそんなことありえないという風に声を荒げる。


「ごめん、まじだ」

「世俗にうというといと思ってたけどぉ」

「まりりん、世俗とかあんまりいわない」

「うっそ、この間志乃からかりた小説に書いてあったよ!」

「世の中には書き言葉と話し言葉ってものがあってね……」


 麻里と優菜の話を聞きながら、佐奈に説明を求めると佐奈はこまったような顔をしながら知らなくていいと思うよ、と告げた。そのことに疑問をもつものの、対して重要度は低そうで対して気にも留めなかった。





「あのね、今朝部活で放課後無理って言ったじゃん?」

「ん?」

「ほら! 志乃のお祝い!」

「え、もらったよー。ありがとう」

「実はねぇ! 今日の放課後、全部活休みだって!」



 佐奈がとても嬉しそうに6限目前の休み時間に話をしにきた。


「あれ?そうだった?」

「ほら、先週、職員会議とかでっていってなかった? さっきそう聞いて」

「私もとから帰宅部だから」

「志乃のインドア人間!」


 もう! と言いながらそういうと佐奈は少し離れた席にいる麻里にむかって声をはりあげる。



「麻里ー!」

「なにー?」


 麻里と話している優菜も一緒に顔をこっちに向ける。


「今日全部活休みだったよねー?」

「そう聞いてるよ」

「ね、ほらね!」


 麻里の言葉に顔をこちらにむける佐奈。そうだね。と笑みを浮かべたのをみてからまた麻里に声をはりあげる。



「麻里ー!今日の放課後、パフェ食べ行こうよ!」

「お、いいねぇ!」

「パフェ!」


 優菜もパフェという単語に反応しては顔を輝かしている。


「行く!」


 優菜の言葉も確認してからにんまりと笑った佐奈はこちらに顔を向ける。




「もちろん、志乃も、だからね!」


 そう言ってからはたと気が付いたようにおずおずと予定とかある? と確認をしてくる様に思わず吹き出した。


「ないよ、楽しみ」

「よかった! 志乃の誕生日も祝いたかったし」

「もう今朝祝ってもらったけどなぁ」

「ちゃんと祝いたいんだよ!」





   



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