魔力がなくてもなんとかなるだろ。
気楽な話なので、気楽に読んでくださいませませ。
魔力測定の日から幾日か過ぎたが、それまでと変わらない日々が続いた。
どうも両親、私に魔力がないのを薄々感じ取っていたみたいなのだった。
それだからか、逆に私が気後れするほどに励まされてしまった。
いや、まぁ確かに魔力がなくて魔法が使えないと聞かされたら幾分かはショックを感じたが、今はそんなことよりも知りたいことややりたいことがあるから別にかまわない。
と言うのも、だ。
以前に少し語ったと思うが、私は『魔力ではない力』というものを全身に纏わせることができるほどに習熟している。
この力をもっと上手く繊細に扱えるように鍛え、そしてその時間も増やしていこうと、今は考えているのだ。
なにせこの力、全身に纏うと筋肉疲労が減って体力や耐久力が増えるという作用がある。
心なしか体調も良くなる。良いこと尽くめで何かと重宝しているのだ。
前世の漫画や小説からこの力に近いものを引用してくるなら、この力は生命力から発せられる『気』とか『オーラ』とか、そういった性質に近いものを持っているのだろう。
仮に名称をつけるとしたら、やっぱりそのまま『気』とか『気功』だろうか。
習熟度が増せば、戦闘にも応用できるだろうから、鍛錬は欠かさずに行っていきたい。
ともあれ、4歳から5歳になった現在に至るまで、この気功の訓練を日常に組み込んで生活していた。
こうして力をつけることを、日常的に行っていくことを両親に報告すると、喜んで賛成してくれた。
どうやらこの世界には、魔力や魔法があるように魔物の存在もあるとのことだった。
魔王という存在もいるらしく、昔はヤンチャしていたそうだが現在はそうでもないらしい。
魔王がいる世界なら、勇者もいるのだろうか?
まぁ、将来的に全く関わりあいにならないことを考えても仕方がない。
今はともかく基礎を重視して特訓を伴った日常生活を必死に過ごし、将来的にどういう生活を送っていくか考えるとしよう。