表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

5歳になった。

誤字脱字があったら、指摘して下さるとありがたい……。

 赤子に転生したと自覚してから5年が経った。

 つまり、肉体年齢で言うならば、今の私は5歳の子どもというわけだ。

 外見的には5歳児だが、生前の記憶は頭の中にこびりついて残っているから、精神的には20代の半ばといったところかもしれない。

 何が理由で死んだのかは分からないが、大学に通っていた覚えはある。が、会社に勤めていた覚えは無い。


 生前のことはさておき、今生について語っていくことにしようじゃあないか。

 赤子に転生してからは、寝て起きてミルクを飲んで寝てというサイクルしかできていなかった。

 よく読んでいた転生ものでは赤子から修行していこうとするケースもあったが、実際やろうとしたらとんでもない。

 寝て泣き叫んでミルク飲んでゲップして、それだけで体中のエネルギーが尽きるんだ。

 正直、あのやりきった感の後の眠気には抗い難い。

 そんなこんなで1年が過ぎた。


 前世の記憶がある弊害か、私は成長が遅かった。

 成長が遅いというよりは、燃費が悪いというべきか。

 例えば、はいはいをしようとするだろう? 私は右利きだから、まずは右手を前に出そうとするわけだ。

 ……で、その右手を前に出そうとするエネルギーが、思った以上に大きかった。

 右手を前に出し、右足を前に進め、左手を前に進め、そこで力尽きた。

 力尽きたというよりは、疲れて寝た。


 この年(5歳)になるまで、ほとんど寝てばかりいた記憶しかない。

 はいはいを完遂したのも遅めだったし、つかまり立ちしたのも、立って歩いたのも、走ったのも、周りの子どもたちより遅かった。

 そして、まったく親不孝なことに、私は未だに自分の母親の名前は分からないし、父親の名前も分からない。

 両親が喋っている言語は日本語ではないため、そして日本語が私の頭にこびりついているため、覚えるのに少々苦労した。1年くらい前に、漸く理解できたくらいだ。

 近いうちに、両親に名前を尋ねてみようと思う。

 きっと、驚かれることだろう。


 ちなみに、私の名前はヘルツと言うようだ。

 母親に何度もそう呼ばれていたから、恐らく間違いない。

 どうやら、兄弟姉妹はいない模様。

 だが、母親のお腹が体型の割りに膨れているから、近いうちに弟か妹ができそうではある。

 生前は一人っ子だったから、最近は少々弟が生まれるのか、妹が生まれるのか楽しみでならない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ