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魔法使いのいる街  作者: 水瀬 瑞希
第一章 DAY BEFORE
23/51

第二十三話 相澤の変貌

 次に目を開けると、そこは工場の外だった。

 正確には、部屋全体が吹き飛んで外になったと言うべきか。すさまじい破壊力。玲菜が守ってくれなかったら、死んでいたに違いない。


「ふ、みんな……無事?」


 俺たちを包んでいた水が消えると、玲菜が疲れ果てた声で聞いてきた。


「お、俺は平気だ」

「私も平気です」


 嫌そうな顔をしながら、七海も頷いた。

 よかった。全員無事だった。玲菜のおかげだ。

 玲菜にお礼を言おうとして、その様子がおかしいことに気がつく。

 ふらふらと今にも倒れそうなのだ。

 もしかして玲菜は怪我とかしたんじゃないのか。


「玲菜!? お前こそ、大丈夫なのか?」

「へ、平気……とは言えないわね。さすがに触媒も魔方陣もなしに使う魔法じゃなかったわ……」


 玲菜は足の力が入らないのか、そのままへたり込んだ。

 背中が血で滲んでいる。爆風を一人だけ受けたような感じだ。


「玲菜……なんで……」


 その様子を見た七海が、噛みつくように声を上げる。


「こ、こんなことして、あたしが感謝して許すと思ってるんですか?」

「……そんなこと考えてないわよ。あなたもそこにいただけ。それだけよ。……気にしない……で」

「……くっ」


 七海は口惜しげに唇を噛み締めた。

 助けられたことがよほど癪に障ったのだろう。

 玲菜は息を整えながら、何かの魔法を唱えはじめた。すると玲菜の体から白い光が溢れる。全身の傷が少しずつ治っているようだ。

 ホッと一安心したときに、また、下世話な声が辺りに響く。

 工場の中から相澤がこちらに向かってやってきている。


「あはははっ! すごいね。生きていたか。……まあいい、君らの張った罠で仕留めようなんて、都合の良いコトを考えていたわけでもないからね」


 ニヤケ面の相澤に立ちふさがるように、俺は一歩近づく。


「てめぇ、いい加減にしろよ。お前は神器をなくして戦線離脱したはずだろ?」

「そうだね。何も知らない僕に君らは二人がかりで襲って来た。卑怯だと思わないかい? だから、僕も力を付けてきたんだ――こんな、ね!」


 目の前から相澤が消えたと思った瞬間、腹部に鈍い痛みが走り、俺は大きく蹴り飛ばされていた。

 魔法使いでもない相澤だからと、油断していたところはある。だが、今の動きは明らかに、魔法使いの強化による攻撃だった。


「神器のソードを握っていなければ、この程度も避けられないのか? 」


 見下したような笑顔を見せながら、相澤がゆっくりと俺に近づいてくる。

 そこに割って入ってきたのは詩子。


「せ、先輩に、なにを――っ! 許さない!」


 詩子はポケットから取り出した髪留めバレッタを前髪にはめると、相澤に向かって駆けていく。まずい、詩子のヤツ、目の前が見えなくなっている。

 相当怒っているんだ。


「ま、待て、詩子!」


 俺の声に反応するコトなく、詩子は相澤に光の矢を放つ。天井や壁のない自由な空間では、光の矢は自由自在だ。

 神器すら持たない相澤では防ぐことも出来ずに、後ろに下がるだけだった。

 容赦ない詩子の攻撃。相澤は石に足を取られ、お尻から地面に転がる。

 そこに詩子が一気に近づき、腹を踏みつけた。


「――がはっ!」


 相澤の鈍い声が辺りに響く。見事な攻撃に俺は思わず息を呑む。

 怒った詩子は容赦ない。


「もう二度と先輩を狙ったりしないで! 次はないですからね!」


 ふん、と鼻を鳴らすと、詩子は相澤の背を向けて、こちらに戻ってくる。

 詩子の無事な姿にホッと息を漏らした。

 しかし、相澤はふらつきながらも懲りずに起き上がる。


「ふ、痛いね……実に痛い。おまけに意見が一方的だ。これは、少しお仕置きが必要かな」

「もう手加減しませんよ――?」


 詩子が振り返ろうとして言葉を止めた。

 相澤がメガネを投げ捨てると、着ていた制服が破れはじめ、堅い鱗が隙間から見え始めるのだ。姿が見る見ると別の何かに変貌していく。

 奇妙な鱗に覆われた化け物に変わった。


「な、なに……その姿は……」

「ふん、これからが本番だよ。僕はすごい力を手に入れたんだ」


 相澤は手をニギニギとし、鱗が完全に出来たのか、ニヤリと笑う。

 トカゲのような鱗を全身に纏った相澤が、一気に詩子に向かっていく。

 迎え撃とうとするが、さっきまでとは次元の違う速度。瞬間移動のような動きで、詩子は為す術もないままに、吹き飛ばされる。

 さっきとは真逆の展開。


「詩子っ!」


 俺は無我夢中で詩子の元に駆け寄り、止めを刺そうとしている相澤にソードを振り下ろす。しかし、それは軽々と避けられる。


「ふん、遅いな……そんな攻撃じゃ当たらないよ」


 そのままカウンター気味に、俺は蹴り飛ばされた。

 木に思いっきり背中から打ち付けられ、激しい痛みが襲う。

 重い、どこまでも重い一撃に、俺はそのまま崩れ落ちた。


「おいおい、弱すぎだろ。さっさと本気になりなよ。それとも……まだ僕を舐めているのか? だったら、また雪城生徒会長を……」


 相澤はそう言って、俺から視線を逸らす。

 ゲスな笑みを浮かべながら、詩子を放置して、相澤がまだ治療中の玲菜に近づいていく。言葉から察するに玲菜を傷つけると言うことだ。

 このまま行かせられない。

 だけど、立ち上がろうとしても、体が痛みでうまく動かせない。

 そうこうしている間に、相澤は玲菜の目の前にきていた。


「治療は終わったかい? 悪いが先に君からやらせてもらうよ? 雪城生徒会長」

「ふ、ふん。やれるものなら、やってみなさいよ」


 明らかに強がった声の玲菜。

 まだ回復の途中らしく、苦痛の色が顔に浮かんでいる。

 玲菜の顔を見て、相澤もそれを察したようだ、呆れた笑顔を見せた。それから、玲菜の隣で立ち尽くしている七海に目を向ける。


「なら……君にしておくか……」

「あ、あああ……」


 相澤に睨まれ、七海が恐怖に満ちた声を上げた。相澤の姿に完全の呑まれている。七海は戦う意思など見せようとしない。

 そんな七海に怪訝な顔を浮かべる。


「何か君を見ているとイライラするよ。……昔の何も出来なかった自分を見ているみたいでね」


 ひっ、と七海が掠れるような恐怖の声をあげた。

 相澤の目は本気だ。七海は首を横に振りながら、後退るだけだった。

 面倒くさそうな顔をして、相澤は手の平に魔力をため込み、放つ。

 地面を揺るがすような振動。強烈な魔弾が七海を襲う。


「な、七海っ!」


 七海の死を予感したが、その魔弾ははじき飛ばされた。

 玲菜が二人の間に割り込み、飛んできた魔弾をはね除けたのだ。


「ちょっと! ボーっとしてると死ぬわよ!」

「ど、どうして、何度もあたしを……」

「目の前で死なれちゃ気分が悪いでしょ――それより、戦えないなら、早く逃げなさい……じゃないと……」


 そこまで言って、玲菜の膝が崩れ落ちた。

 まだ体を動かすのは、無理だったんだ。


「玲菜にだけ無理をさせて、なにやってんだよ俺は……」


 自分自身の情けなさに怒りがこみ上げ、俺は無理矢理に体を起こす。


「玲菜!」


 俺は急いで、玲菜の元に駆け寄ろうとした。

 しかし、相澤が鋭い目つきでこちらを見て、地面に向かって手を振ると、横一直線に亀裂が走る。


「勝手に動かないでくれるかな? 君にはもっと本気になってもらわないとつまらない」

「あ、相澤……てめぇ、いい加減にしろっ!」


 小馬鹿にした笑みを俺に向けたあと、相澤の視線が厳しくなる。

 玲菜に向かって一気に相澤が襲いかかった。

 手刀による振り下ろしを、玲菜はすんでの所でかわし、魔弾を放出して、相澤を攻撃する。

 しかし、まったく効いた様子もなく、相澤が反対の手で玲菜を殴りつけた。

 玲菜は左腕で咄嗟にガードしたが、それでも勢いを殺せずに吹き飛ばされる。

 そこに突っ込んでいく相澤。

 その時、上空から光の矢が、何本も相澤を襲う。


「はぁぁぁぁっっ――!」


 長い話の間に詩子は気を取り戻していたらしい。

 詩子の叫び声と共に放たれる光の矢。相澤はそれをまともに喰らう。

 地面から土煙が舞い、相澤の姿が見えなくなり、詩子は魔法を止めた。

 一陣の冷たい風が吹き、土煙を飛ばしていく。

 そこには全く無傷の相澤が立っていた。

 詩子はすぐに次の光の矢を放とうとしたが、それは相澤が許さない。

 相澤は詩子にターゲットを映し、襲いかかっていく。

 横から、完全に不意打ちのように玲菜の魔弾が炸裂する。

 しかし、それさえも全く効果がない。


「おやおや、なんだい、君らはこんな攻撃しか出来ないのかい?」


 玲菜も詩子も本気で魔法を放っている。

 普通の魔法使いなら、たった一発でも吹き飛ばされるほどの魔法だ。

 だが、相澤には、それを何発打ち込んでもまるで効いていない。

 一体どうなってるんだ。


「くっ! な、なんなのよ、その障壁は……」

「ふはははっ! 君の力でも破壊出来ないみたいだね」


 相澤が玲菜に向けて手を伸す。それは死を予感させる魔力。

 どす黒い塊の魔法が玲菜に向かって放たれた。

 完全にその魔法に呑まれているのか、玲菜はそれを避けることが出来ない。


「れ、玲菜っ!」


 俺は夢中で駆け寄り、黒い塊をソードで防ぐ。

 吹き飛ばされそうなほどの威力。ソードを離したら死んでしまうのがわかる。

 俺は必死になってソードを掴み、魔法に耐えていると、雷光が辺りを照らす。

 詩子が相澤に向かって光の矢を放ったのだ。

 相澤が一瞬、それに気を取られる。その隙に俺は魔法を跳ね返す。

 ふん、と相澤は鼻を鳴らすと、俺たちから大きく距離を取った。

 俺は少しだけ振り返り、玲菜の様子を見る。


「大丈夫か、玲菜?」

「も、もう、無茶しないでよ……」


 そうは言いながらも、玲菜はすでにいっぱいいっぱいな状況。


「先輩! お怪我はありませんか?」


 急いで駆けつけてくれた詩子も、魔力をかなり消耗している。もうこいつらに、戦わせるわけにはいかない。


「あとは俺に任せろ。ソードの力をここで解放する――」

「だ、ダメよ! 無茶、いえ、無理だわ。あの障壁をソードの力だけで突破できるとは思えない」

「けど、もう他に方法はない。俺がやるしか」

「方法ならある……でも……多分、アンタが反対すると思う……」


 よほどやばい作戦らしく、玲菜が目を伏せた。

 しかし、どんな作戦であれ、他に方法がないなら、やるしかない。


「とりあえず言えよ。話はそれからだろ?」

「……そうね。全身に魔力を集めて、障壁に激突すれば、相乗効果で相当な威力に変わる。あの障壁だって壊せるはずよ……」

「よし、だったら、それでやろう」


 俺は大して考えることもなく賛同する。だって他に方法はないのだ。

 しかし、玲菜がそれを許さない。


「待って、話は最後まで聞きなさいよ! 魔力を高めて障壁に突撃する。そこにものすごい威力が発生するの……突撃した人はどうなると思ってるの?」


 俺が首を傾げると、玲菜は言いにくそうな顔を見せた。


「多分……死ぬわ。生き残れる可能性は低い」


 神風特攻隊。そんな単語が頭をよぎる。

 玲菜が言いたがらなかった理由はそれか。

 誰かが死ぬような作戦、俺が賛成するわけがないと。


「……他に方法はないんだよな?」

「あったら、こんな作戦提案するわけないでしょ? 私たちの誰一人、あの障壁を壊せるだけの高出力の魔力は持ってないのよ」


 それは誰かを犠牲にしなければ、倒せないと言うことだ。

 あんな化け物と戦う必要などあるのだろうか。逃げる。そんな考えが頭をよぎったとき、相澤が呆れた声を投げつけてきた。


「おいおい、まさか、逃げる算段をしているのかい? まあ、完全に僕から逃げる間に、三人は殺せる自信がある。四人の中で誰が生き残るんだろうね」


 相澤は自分の速度に相当な自信があるのだろう。

 力の差はそれだけある。三人とは少なめに言っているだけかもしれない。逃げるのは危険だ。ならどうする。

 ソードのセカンドを発動させたとして、制限時間は一分。ソードの魔力が切れれば、その後は殺されるしかない。

 そして、俺が殺された後、相澤は三人ところへ行くだろう。

 だとすれば、誰か死ぬとわかっても、玲菜の案に乗るしかないようだ。

 俺は覚悟を決めると玲菜を見る。


「わかった。だったら俺が突っ込む。その隙をついてくれ」


 しかし、玲菜はあっさりと首を横に振った。


「ダメよ。アンタはフィニッシャー。障壁を破った後にソードの力が必要なの」


 ガーンと、何かで頭を殴られたような感覚だ。俺は誰かを犠牲にしなければ、生き残れない状況にある。それは俺が一番嫌いだった展開のはず。

 なんだよこの展開。嫌だ。こんな展開は絶対に嫌だ。


「だから、私が行くわ。全力で障壁をぶっ壊すから、後はお願いね、春馬」


 玲菜の覚悟を決めたような声。

 誰も高出力の魔力を出せないからって、命を賭ける。そんなバカな提案だ。

 玲菜は最初から、自分がやるつもりで提案したのだろう。

 そんなの受け入れられるか。


「れ、玲菜……だ、ダメ――」

「わかりました! 派手に死んできてくださいね!」

「……よろしくお願いします。死んでくれると嬉しいです!」


 俺の考えとは逆に、詩子と七海は玲菜の意見に賛成している。

 もともと玲菜を殺そうとしていたんだから、そうなるのも無理はない。

 少しは止めろよ。

 ――でも、止めたとして、誰にやらせる?

 玲菜、詩子、七海、誰がやっても死ぬことになるのだ。

 俺以外の誰かを指名しなければならない状況。なにか他に方法はないのか。

 考える俺の目の前では、話はすでにまとまったものとして、次の話題に移ろうとしていた。思わず声を荒らげる。


「勝手に納得するなよ! そんなの却下だ。絶対に認めない!」

「は、はあ? 他に方法なんてないのよ?」

「それでもだ! それでも認めない。誰かが犠牲になる勝利なんて、素直に喜べるかよ!」

「だったらどうするのよ! あんな化け物みたいな障壁、私の魔法でも白峰さんの魔法でも無理よ!」


 どちらの魔法でも壊せない。

 そう考えた時、思わず、笑いがこみ上げてきた。

 解決方法は目の前にあったのだ。一人で無理なら――


「いやいや、あるだろ。もっとマトモで、マシな作戦がな」

「え?」

「一人の魔力で足りないなら、集めれば良い。――みんなでやればいい。それだけだろ?」


 俺の声に玲菜、詩子、七海の三人は各々に相手の顔を覗き込んだ。俺が言わんとしていることがわかったのだろう。難しい話じゃない。

 一人で足りないなら、みんなの魔力を一人に集中させれば良いだけだ。


「玲菜。お前なら、みんなの魔力を一つにまとめられるよな?」

「……そ、それは、できるけど……」

「お前たちの魔法で障壁を破壊して、俺が止めを刺す。それでどうだ? 成功したら誰も死ななくてすむ!」

「け、けど……二人が……私に……」


 玲菜は詩子と七海の顔を盗み見る。

 おそらく、詩子と七海が協力してくれないと心配しているのだろう。

 殺したいほど憎い相手。そんなヤツに自分の魔力を分けるなんて気分の悪い話だ。

 だけど、力を貸してもらうしかない。


「詩子、七海。お前たちにも思うところが、色々とあるかもしれない。だけど、頼む。お前たちの力を貸してくれ!」


 詩子と七海は目を丸くして、顔を見合わせた。

 それから、二人して頷くと、詩子が一歩前に出た。


「わかりました。でも、雪城先輩。あなたが失敗して、先輩に何かあったら私、絶対に許しませんから!」

「ふん、余計なお世話だわ。私の失敗よりあなたのミスの方が心配だわ」


 うぐぐ、玲菜と詩子はにらみ合った。

 それを止めようとしていると、七海が俺の裾を掴む。


「力、貸してもいいですよ。その代わり、必ず成功させてください。そして、さっきの約束守ってくださいね?」


 約束とは、玲菜との件だろう。

 これが無事に終われば、それも進展しそうだ。


「ああ、わかった。二人ともありがとう!」


 話がまとまったところで、玲菜が俺を見つめる。


「いい、春馬? 私たちが防壁を破壊できなければ、そのまま突っ込んでも死ぬだけよ。……もし、破壊できたとしても、ソードで倒せなければ、もう倒す方法がなくなるわ。チャンスは一度しかないの。わかってる?」

「わかってる。必ず、倒してくる」


 俺は頷くと、詩子、七海と順番に見回す。


「じゃあ、みんな、よろしく頼む。アイツを必ず倒そうぜ!」

「はいっ!」


 全員の声が揃う。準備は整った。後はやるだけだ。


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