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インターミッション2

 素体(スーティエ)と呼ばれるナース。彼女は中華民国(タイワン)の出身であった。

 小柄でスレンダーな身体に、似つかわしくない巨乳、それと金髪はハリウッドスターであった母の遺伝だ。

 スーティエは隠し子だった。

 母が撮影で中華民国に滞在した頃、(ねんご)ろになった映画の原作者(ライター)との間に出来た子供だ。

 戦争が始まり、母は彼女を産み落とすと一人アメリカへ帰ってしまった。

 彼女は戦火の中、父親とその家族に育てられた。

 しかし長い戦争の途中、無差別の空爆で作家であった父や家族も死に、彼女は少しでも傷付いた人々を救いたいと従軍看護士に志願したのである。


 スーティエがカトマンズ基地へ配属されようやく仕事を覚えた頃、前線から離れたこの僻地が突如襲撃されるという不可解な事件が起こった。

 それを目の当たりにしたのが彼女だったのだ。

 何の前触れもなく、それも味方の戦闘機が、基地を襲った。

 拳を振り回し、暴れる戦闘機。

 その進む先には、彼女の看る病人、負傷者、怪我人の庁舎があった。


 いけない。


 決して英雄的な動機ではなかった。

 目の前で大切な人々がいなくなるのをもうこれ以上見たくないという、ともすれば逃避に近い発想により、彼女は襲い来る戦闘機にただ一人、生身(なまみ)で立ち塞がった。


「お願い、やめて! 殺さないで!」


 コクピットには、黒人の男がいた。スーティエを意にも介さず、彼は水晶玉を撫で回して、庁舎の屋根を吹き飛ばす。


「ダメーっ!」


 また、悲惨な光景を見せられるのだ、と溢れる涙が止まらなかった。

 しかし戦闘機は彼女の想像に反して、逃げまどう人々には目もくれず、医療品のコンテナと食料を鷲掴みにすると踵を返して逃げ去った。


 へなへなと尻餅をつくスーティエ。

 その脳裏には、パイロットの男の顔が焼き付いて離れなかった。


 大切な仕事場を滅茶苦茶にしてくれた恨むべき相手だ。しかし彼は結局誰も傷付けはしなかった。後で聞いた話では、撃墜命令が出された逃亡者だという。


 ならば彼が此処へ来たのは、どうしても仕方がなかった、苦渋の選択であったのかもしれない。きっと怪我をして、そしてお腹を空かせていたんだわ。


 何故だかスーティエは、彼を憎む気持ちにはなれず、それどころかもう一度会いたい、会ってその傷を癒してあげたいと、いつしか想うようになっていたのである。


 惚れっぽいのは母親の血だろうか。

 そして彼女は、心を決めるとカトマンズ基地から飛び出した。

 彼はヒマラヤ山脈の何処かにいまだ潜んでいるという話を聞いていた。

 数人のシェルパと共に多量の登山用品がなくなっている事に同僚の看護士が気付いたのは、彼女が旅立って三日後の事であった。


 探索の果て、偶然に偶然が重なり、いや想いが天に通じたのだ、スーティエの愛のESP能力が勝利したのだと言い換えても構わない。

 とうとう、雪に埋もれた彼の戦闘機を見つけ、溶けた雪の所為で広がったのであろう大きな足跡(ビッグフット)を辿り、彼のいる洞窟を探し当てる。


 とうとう会える。


 高鳴る胸を抑え、カンデラで中を照らし出す。

 そこで彼女の見たものは……。


「ちょっと、何それーーーーー!!」


 バーナーに掛けられた鉄鍋でチーズフォンデュが煮えている。

 フォークに刺したソーセージを付け、毛むくじゃらの動物(イエティ)の口に運ぶ墨崎。

 何と、仲睦まじく暮らすイエティと墨崎の幸せそうな団欒であった。

自分でも……コレ何書いてるんだか………

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