あるひ
ゆっくり、ごあいさつしながら
ゆきだるまさんは、もみのきから
いずみのところまで、きました。
いわしみずがわいている、おじいさんの
こしらえた
みずうけのところ。
つぎのあさ、おじいさんはきづきます。
おや、ゆきだるまさんは
だいぶ、うごいたようだね。
にこにこと、しろいおひげで
わらって。
こおりがはっている、みずおけから
おみずをくんで。
けさも、ごはんのしたくです。
やぎこやに、ほしくさをあげて。
やぎたちから、みるくをもらいます。
みるくをのんだり、ちーずをつくったり。
そうして、おじいさんと、おんなのこは
くらしています。
ごはんにしようね。
おじいさんは、おんなのこを
よびます。
きょうは、すこし
ぐあいがいいようです。
ひとりでおきて、やねうらから
はしごを
おりてきました。
おんなのこは、おじいさんにはなします。
ゆきのはらを、かけているゆめをみたの。
おじいさんは、にこにこ。
すぐによくなって、かけまわれるさ。
よくなるかしら。
なるとも。やぎのみるくをのんで、ねていれば。やまが、びょうきをなおしてくれる。
そうね、きっと。
さあ、ごはんにしよう。
おじいさんは、くろぱんをあたためて。
ちーずを、だんろであたためて。
まきのひは、とてもあたたかく
なつかしい、においがします。
こうばしくやけた、くろぱんと
とろけたちーずは、ほんとうにおいしくて
どんな、くすりよりも
からだによさそうでした。
まどのそとをみてごらん、ゆきだるまが
うごいているよ、と
おじいさんはいいました。
ほんと。
おんなのこは、おどろきます。
おおきなゆきだるまさんが、もみのきの
ところから、いずみのところまで
すこしづつ、うごいていました。
ゆきすべりをしたいのかしら?
そうかも、しれないね。
おじいさんはえがおになりました。
それまで、ひとりでくらしていたやまごやでは
えがおになることも、なかったのですが
いまは、えがおになることもあります。
おじいさんも、そのことで
げんきになっているような、やさしいきもちに
なれているような。
そんなきもちです。
そのよる、おんなのこは
ゆめをみました。
ゆきだるまさんが、まどべにきて
おはなしをしてくれたり。
げんきづけてくれたり。
そんなゆめ、でした。
つぎのあさ。
ゆきだるまさんは、やまごやのところまでは
きていませんでした。
やっぱり、ゆめなのかしら?
おんなのこは、おもいました。
きょうは、くもり。
こまかいゆきが、さらさらと
ふってくるような、くもりそらです。
とてもさむいやまです。
こやのなかは、だんろのおかげで
あたたかく、まどべのゆきも
とけてしまいそうです。
それなので、ゆきだるまさんが
やまごやにきたら、とけてしまいそうです。
やっぱり、ゆきだるまさんは
ゆきのなかが、いいのね。
そんなふうに、おんなのこは、おもいます。
ゆきが、どんどんふってきて
いずみも、みずおけも
こおりついてしまいます。
いわしみずも、こおってしまいました。
そのよる、おんなのこは
ねつをだしました。
からだがあつくて、くるしくなります。
おじいさんをよびたくても、こえもでません。
ゆきだるまさんは、ようすをみていて
「どうしよう」
「ひやしてあげよう」




