小鳥遊くんと誘拐犯①
名前:不知火 新弥
性別:男
歳:32歳
職業:パン屋
備考:ロリコンの傾向有
第二回目のメリーさん…うわー…緊張してきたんだけど。手汗、手汗ひどいよー…
「小鳥遊くんって意外に真面目だったんだねー」
「閻魔…様、」
…もう、どら焼もはもはしながら部屋入らないでくださいよ。地獄の掃除機なんか重いんですから。
「んー…メリーさんの調子はどう?」
あぁ、クズが床に…
「小鳥遊くん?」
「ぇ、あ、なんですか?」
あー、どら焼に気をとられてた。すみません、閻魔様。てか、ほんと…どら焼やめてください。
「メリーさんには慣れたかな?って」
「あー…うー…実は昨日、似非不良くんの゛ゆっきー゛に教えてもらいました」
大失態をしてしまった昨日、意外に手際のよかった似非不良くん、幸くん…あ、゛こう゛くんにメリーさんの在り方を伝授してもらった。『まず、メリーさんは女の子だ』
いやー…僕、男だし。
性別って死んでも変わんないみたいだし、それどうしようもないんだけど…
『お前、何気に女顔だし…女装すれば?』
「………はぁ?!」
ゆっきー、それ本気?
…いや、ゆっきーは真面目だよね、見た目はちょっとあれでも、根は真面目だもんね、ね、ゆっきー。
『おーい、大丈夫かぁ?』
「ごめん、キャラが倒壊寸前」
『てか、ゆっきーってなんだよ…俺?俺のこと?』
あ、口にでてた…?
『幸って゛ゆき゛とも読むじゃないですか?だから、ゆっきー』
「まじかー…ちょーはずい…」
ゆっきー、顔が真っ赤…照れてる。え、なんかこの人おもしろい…
「ゆっきーゆっきーゆっきー」
『だぁぁぁ!やめろっ』
やだ、これめっちゃ楽しい。
「ゆっきぃぃぃーーー」
『ああああぁぁぁ!』
…と、なんだかんだゆっきーは丁寧に本家メリーさんを教えてくれた。
・メリーさんは女
・段々近づいてくる
・一気に喋らない
・基本一言
・だいたい非通知
「メリーさんめんどくさい…」
『まぁ、がんばれ』「こんなやり取りがあったんですよ…」
「ゆっきー意外にいいやつなのねー。あ、羊羮食べる?」
「いただきます。ゆっきーのおかげで、だいぶメリーさん像がわかってきたんですけど…やっぱ、自信なくて…」
あ、羊羮うまい。
なんか若干余裕でてきた、かも…よし、一個ずつゆっきーの教えを攻略しよ。
「閻魔様、ちょっと手伝ってもらっていいですか?」
「ぅむ?おーけー」
こうしてメリーさん攻略が始まった。
①メリーさんは女
「さすがの閻魔様もこれは…」
「あー、俺、ナース服とかセーラー服とか持ってるよー」
「…なんでそんな物もってるんですか?」
「小鳥遊くんに着てもらおうと思いました。」
「却下。」
②段々近づいてくる
「小鳥遊くん、アイス!」
「食べたいんですか?」
「違うよー、(あ)焦らない・(い)いじけない・(す)スマートに!メリーさんの基本だよー」
「そーですか」
③一気に喋らない
「これはできます。」
「ほんとにー?」
「もちろんですよ、馬鹿にしないでください。」
「ちょっと不安」
④基本一言
「よし、じゃあ一言で自己紹介してみよー」
「小鳥遊です」
「………え、おわり?」
「おわりです」
⑤だいたい非通知
「………これは」
「無理、だねー…だって、」
「「固定電話だもん」」攻略終了、と。
あとは本番を残すのみかぁ…やっぱ緊張するな。
「あー、第二回メリーさんとか…本家連れてこいよー…もーやだー…」
「ほらー、小鳥遊くんがんばっ。綿飴あげるから、ね?」
…あなたのそのお菓子はどこから出てくるんですか?
「あぁ!」
こうなったら勢いだ、うん。
キャラ壊れてきたし、もういいや、うん。どうにでもなっつしまえばいいよ。
「………。」
虚しく響くコール音…で、出ない…。あれ?これ、相手って携帯電話だよね?おかしいな…
『………っ、もしも、し?』
「っあ…もしもし?」
あ、出た…けど。
なんか声、幼いぞ?
「俺、メ」
『おじしゃんいないから、バイバイ』
… き ら れ た ?
あれ、おかしいな…?
ゆっきー直伝の本家メリー…攻略したのに。てか、バイバイって…めっちゃ簡単に切られたよ、おい。
「、じゃなくて…!」
『うぇっ?なんで声聞こえるの?』
あ、切れてなかった。
「ちょ、切らないで、ね?」
『………ぅん。』
「ありがとう。俺メリーっていうんだけど…君は?」
『…あーちゃん、だよ?』
ターゲットじゃないじゃないか…。てか、あーちゃんって…幼児に電話してるのか俺…
「あーちゃんね。あーちゃんは、今どこから電話してるの?近くに誰かいないかな?」
とりあえず、誰か別の…できれば大人の人を。
『あーちゃんね、今ね、しらないおじしゃんのお家にいるの。おじしゃん、お出かけしちゃったから誰もいないの。』
…うん?しらないおじさん?
これって所謂、誘拐とか…じゃないのか?え、やばくないか…声とかから推測してまだ小さい子でしょ、この子。
…あー、嫌な予感。