第13章 ファーストコンサート
美織はレコーディングの翌週はテレビ出演が相次いだ歌番組やバラエティなどに出演した。来月からだった、メイクさんもこの週から付いてくれていた。その間にコンサートのリハーサルを重ねていた。コーラスの一ノ瀬桜はABCレコードの事務所に所属して、美織のバックで井上と二人で歌番組には一緒に出演していた。コンサート会場は渋谷文化村オーチャードホール2150名だが1階の奥36席はPAルームとなる為使えない。実質2118席分のチケット販売になる。チケットは12月20日から発売されてこの頃にはソールドアウトになっていた。美織は新潟の両親と妹にチケットは送っていた。一番前の席をキープしていた。そんな時、FBI捜査官の中西飛鳥から電話が来た。「梅澤さん。コンサートのチケット取れなかったよ。何か良い方法ありますか?」と言う事だった。「すいません。私のチカラでは今の所何もありません。ごめんなさい。社長と相談して、折り返します。」美織は困った口調で歯切れが悪かった。近くに居た社長に相談した。「社長、FBI捜査官の三人がチケット取れなかったと言うんですが何か良い方法ありますか?」美織は社長の目を見つめた。「そうか?美織の大切な方だものな?良い方法があるがあまり良い席ではないがあるちゃあるよ。PAルームの17-13.14.15ならいいぞ!チケット代は貰えよ。慈善事業じゃないからな!」社長が美織の目をじっと見つめた。わかりました。チケット代8000円ですよね。有り難う御座います。」美織は社長の目をじっと見つめた。美織はスマホを取って飛鳥に電話した。「飛鳥さんですか?梅澤美織です。チケットありました。PAルームの中になってしまいますが3席ご用意出来ますよ。チケット代1名8000円になります。合計24000円です。席番号は17-13.14.15です。ネットで確認出来ますよ。PAルームなので少々スタッフの話声とかうるさいとはおもいますがよろしですか。チケットを送ります。代金は振り込みか同日楽屋までいらして下さい。現金にてお願いします。」美織が連絡を入れた。飛鳥はそれでも良いと言ってくれて代金は当日現金で楽屋に顔を出すと言った。そして1月20日コンサート当日をむかえた。午後5時開演で美織は午前中から入りオーケストラと一緒にゲネプロを入念にした。【梅澤美織ファーストコンサート】セットリストがゲネプロ前に発表されていた。1.愛しきラバーボーイ2.麗しのラバーガール3曲目からホイットニーヒューストンから3.ラントゥユー4.セイビングオールマイラブフォームユー5.グレイテストラブフォーユー6.オールアットワンス7.オールウェイズラブユー8.セイビングオールマイラブフォーユー9.ワンモーメントインタイム10.ミラクル11.アイムエブリイウーマン12.アイハブナッシング13.ハートブレイクホテル14.マイラブイズユアラブ15.マイウィルオールウェイズラブユー15曲目からセリーヌディオンから16.トゥラブユーモア17.アイラブユー18.アイムアライブ19.イッツオールサムシングパウトゥユー20.ザッツザウェイイットイズ21.パワーオブラブ22.バックトゥミーナウ23.フォエアダスマイハートベストナウ23.オールバイマイセルフ24.イフユーアスケッドミートゥ25.アイスレンダー26.マイハートウィルゴーオンプログラム終了。アンコールは新曲のスティルラビンユー。このセットリストで文化村オーチャードホールの舞台上でゲネプロが繰り返された。2回通しでやって、社長からオッケーサインが出た。お昼は楽屋弁当が出た。楽屋で100枚の色紙にサインを書いた。午後は本番までゆっくり楽屋でくつろいだ。3時にメイクの佐藤楓先生が見えた。メイクとヘアメイクをやってくれた。長谷川衣装の長谷川さんも来ていた。衣装合わせをして衣装が決まった。本番までその衣装を着て過ごした。本番1時間前に両親と妹が楽屋を訪れ差し入れを持って来た。開演30分前にFBI捜査官の三人が楽屋を訪れチケット代金を払ってくれた。社長がそれを受け取ると「本日は有り難う御座います。あの席しかなくて申し訳ございません。」社長は三人に頭を下げた。中西飛鳥捜査官が差し入れにつくばの和菓子セットを持って来た。美織が受け取ると「わざわざ有り難う御座います。」美織は頭を下げた。「梅澤美織さん。初コンサートおめでとう御座います。今日の衣装素敵ですよ、」飛鳥が頭を下げて、美織の全身を舐めるように見た。「あっ!有り難う御座います。今日はご観覧有り難う御座います。楽しんで行ってください。今日歌うセリーヌディオンメドレーのCDが来月26日に発売されます。よろしくお願いします。」美織は笑顔で三人を見た。「失礼致します。」飛鳥が美織の顔を見て、頭を下げて楽屋を出て行った。開演10分前のブザーが会場に鳴り響いた。美織は楽屋から出て舞台に立った。時間が来て幕が上がった。会場は割れんばかりの拍手喝采でオーケストラの最初の音が出るまで鳴り響いた。音が出て美織が愛しきラバーボーイを歌い始めると拍手喝采はさらに大きくなっていった。コンサートは随時盛り上がった。美織は両親と妹とアイコンタクトが出来た。FBI捜査官の三人に鳴り響には指を差した。MCでは笑いが出たりした。プログラムはマイハートウィルゴーオンで終了スタンディングフォーベーションで拍手喝采で盛り上がった。アンコールの声で再び美織が舞台に登場すると一段と拍手喝采は大きくなった。「アンコール有り難う御座います。これから歌う曲は私の第2弾シングルになります。スティルラビンユーです、まだ発売日は未定です。それではお聴きください。スティルラビンユー!」美織が言うとピアノの演奏で始まった。愛しきラバーボーイと同じR&Bメローヒップホップのリズムだった。曲が終わるとまた、スタンディングフォーベーションで拍手喝采でホールが響きその中を美織は観客席に向かって大きく頭を下げると「有り難う!」と一言言って下手に下がって行った。楽団員も一人また、一人と退場して行った。梅澤美織ファーストコンサートはこうして大盛況のまま終了した。楽屋に帰ると社長から内線で電話があり「美織、会場出入り口に来て一人一人に握手してくれ。」と言って電話を切った。美織は急いでそのままの衣装で会場出入り口に向かうと売店の前がパニックになっていた。社長と事務の竹下さんとアルバイト女性3人できり盛りしていた。美織の姿を見た社長が「美織、買ってくれた人に握手頼む」と耳打ちされた。美織はレジの横に立った。グッズを買ってくれた人に一人一人握手した。それが終わるとオーケストラの楽屋に顔を出した。「本日は有り難う御座いました。皆さんの演奏で気持ち良く歌えました。有り難う御座いました。失礼致します。皆さんお元気で!また、お会い致しましょう。」美織は笑顔で一人一人と目を見て握手してオーケストラの楽屋を出た。自分の楽屋に帰ると長谷川衣装の長谷川さんが「ご苦労さまでした。良いコンサートでした。お着替え致しましょう。」美織の顔を見て言って美織の着ている衣装を脱がし始めた。「長谷川さんはどこで観覧していたのですか?」美織が尋ねると「FBI捜査官の隣です。」長谷川は美織の顔を見て優しく微笑んだ。長谷川は、来た時と違う服に着せ替えた。ブランド物だった。【コーチ】の服だった。「お代は社長さんからいただきました。」長谷川は着せ替えが終わると椅子に座りペットボトルのお茶を飲み始めるとそこに社長と竹下さんとアルバイト女性3人が荷物を持って入って来た。カメラマンの成田さんも一緒だった。「美織、ご苦労さま。本日のコンサートは大成功だった。良かったぞ!また、やろうな。」社長が美織の顔を見て優しく微笑んだ。「美織さん。ご苦労さまです。私は見れてないのですがお客様は皆さん良かったと言ってました。グッズを沢山買っていただきました。」竹下さんが美織の顔を見て微笑んだ。アルバイト女性3人が美織に「美織さん。記念にサインと握手していただきたいのですがよろしいですか?」アルバイト女性の1人が美織の顔を見てニカッと笑い口にした。「良いわよ。全員かな?」美織は笑顔で3人の目を見ながら握手してサインを渡した。そこに両親と妹が楽屋のドアをノックした。「どうぞ。」美織が返事した。「美織、最高に良かったよ!感動しちゃって涙が出たわ!」母親が美織の目を見つめた。「美織、ファーストコンサート無事終了おめでとう!良かったぞ!お前も立派になってな。」父親が美織の目を見つめた。「お父さんお母さん。そんなのいいから社長にご挨拶して!社長紹介するから。」美織が父親と母親の顔を見た。「お父さんお母さん。こちらが社長の宮園拓哉さんです。」美織が父親と母親を社長に紹介して「社長、父と母です。」美織が父親と母親を社長に紹介した。それから両者の挨拶合戦が長々と始まった。「コチラにお座り下さい。」社長が父親母親と妹に椅子を出した。「竹下さん。ペットボトルのお茶とそこにある差し入れを出して下さい。」社長が竹下に言った。竹下はペットボトルのお茶と和菓子を三人に渡した。「すいません、ペットボトルでここにお茶と急須と湯飲みがないもので。」竹下は申し訳なさそうな顔をした。「美織、11月くらいに新潟で凱旋コンサートやるか?美織のオリジナルアルバムを出してからな?」社長が思いついた事を口にした。「愛、共通テスト出来た?」美織は愛の目をじっと見つめた。「お姉ちゃん。出来たわよ。自己採点なら合格ね。お姉ちゃんに負けてられないから!合格発表は3月上旬だね。この間、筑波大学見て来たけど良い所だよ。お金ないから学生宿舎に使用と思う。ちょっと古くて汚いけどガマンするわ?」愛は美織の目をじっと見つめた。「そうか。出来たか?良かった。落ちたら?ないか?ないか?滑り止めは受けないのか。私立?」美織は愛の目をじっと見つめた。「受けないよ。お金の無駄だもの!お姉ちゃん。今日の服もブランド物だよね。」愛は美織の顔を見てニカッと笑った。「さっきスタイリストから貰ったばかりだ。コーチとか言ってたな。」美織は愛の顔をじっと見た。「社長?この服有り難う御座いました。」美織が社長の顔を見て笑顔で微笑んだ。「そのコート似合っているぞ。美織はなんでも似合うよな。買った俺としては嬉しいよ。」社長はニコリ笑った。「社長さん。いつも有り難う御座います。美織に良くして頂いて。私達、新幹線の時間がありますのでこれにて失礼致します。美織をよろしくお願いします。」母親が社長の顔を見て優しく微笑んだ。「いえいえ、こちらこそ、美織さんあっての私達なのでこちらこそ有り難う御座います。」社長は母親の顔を見て笑顔で微笑んだ。「美織、そろそろ帰るわね。元気で頑張って下さい。さようなら。」母親が言って楽屋を出て行った。「お父さんお母さん、愛元気でね。さようなら!今日は遠い所有り難うね。」美織は三人の背中に言った。美織と社長と一ノ瀬は楽屋を出て社長の車に乗った。楽屋口には沢山のファンが美織の出待ちをしていた。美織はアルファードの後部座席に一ノ瀬と乗った。車内はスモークガラスで中は見えない。こうして美織のファーストコンサートは終わる。




