表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コンプレックスは最強の個性!? 〜二つの力を両立し、世界の架け橋となる王と愉快な仲間の行進曲〜  作者: 武徳丸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/67

エピソード15:魔導都市エタン

五日間の過酷な修行の末、ナバールたちがたどり着いたのは、魔法と科学が融合した未知の都市「エタン」でした。

見るものすべてが驚きに満ちた魔導国家。

しかし、若き王には感嘆に浸っている時間はありません。


 厳しい修行を続けて五日目。私とオーウェンは、ついにエタン魔導国の領土へと足を踏み入れた。


 国境を超えた瞬間、私は空気中の魔力の密度が、故郷ドラグーン王国とは比べ物にならないほど濃いことを肌で感じた。

 これは、魔導国が自国の領土全体に大規模な魔力循環システムを構築している証拠だった。



 王都が近づくにつれ、その威容は私の想像を遥かに超越していた。


 空を突き刺すようにそびえ立つ巨大なクリスタルタワーは、都市の魔力を集約する中枢であり、その表面は青白く脈打つ光を放っている。

 街路には複雑に絡み合った歯車と、魔力の液体が音を立てて流れる導管が張り巡らされていた。



 街頭には、魔力によって浮遊し、立体的な映像を映し出す看板が静かに漂っている。

 店舗の扉は、近づく人間を感知して音もなく左右に開く。その滑らかな動作は、ドラグーン王国の技術水準を凌駕していた。


 すべてが、魔法と科学が極限まで融合した巨大都市の威容を示しており、私はただ圧倒された。


「すごいな、オーウェン。王都の魔力の密度がまるで違う。街全体が一つの巨大な魔導具みたいだ」



 オーウェンは静かに隣で馬を進めながら、口元に微かな笑みを浮かべた。


「ええ。しかしナバール様、一つだけ厳重にお願いがあります」


「なんだ?」


「この国で目にするものは、すべて精緻な魔導具です。決して、好奇心で手を触れたり、ましてやスプーンのように竜の気で砕いたりしないでくださいよ」



 私は顔をしかめた。

「意地悪だな、オーウェン。もう触らない。二度と触らないぞ!」



 王都の正門前で馬を止めると、すぐに衛兵が私たちの姿に気づいた。

 胸元につけているドラグーン王国の紋章を見て、門番たちは驚愕の声を上げた。


「ド、ドラグーン王国!? し、しかもその紋章は、直系の王族のもの……!」


 門番たちは互いに顔を見合わせ、戸惑いを隠せない。

 彼らにとって、他国の王族が事前連絡も護衛もなしに、騎士団長と二人きりで現れることは異例中の異例だった。



 門番の一人が慌てて通信用の魔導具を耳に当てた。

「緊急報告! ドラグーン王国王子殿下と騎士団長の突然の来訪! 紋章を確認!」


 すぐに門番が恐る恐る私に駆け寄ってきた。


「ま、まさか、このような旅路でお越しになるとは……失礼いたしました、殿下。しかし、なぜお二方だけで……。よほどの緊急事態とお見受けしますが……」



 門番の言葉は、旅の異様さへの強い疑問を示していた。

 私は、修行によって磨かれた威厳を込めて告げた。その声には、五日間の苦行を耐え抜いた者の確かな重みが宿っていた。


「急いでいる。賢王アルテオに、アイリス王妃からの密書を届けに来た。私たちは公務であり、旅の形態に他国の衛兵が口を出す必要はない。すぐに城へ案内してほしい」



 その威圧感に、門番は背筋を伸ばした。


「は、はい! かしこまりました! すぐに城内の衛兵と交代いたします!」



 門番はすぐさま城内の案内役を呼び出し、私たちは王都へと迎え入れられた。

 私は新たな王としての決意を胸に、賢王が待つ城へと進んでいった。

最後までお読みいただきありがとうございます。


ドラグーン王国とは全く異なる文明を持つエタン魔導国。

門番の困惑をよそに、ナバールは新王としての威厳を見せつけます。

いよいよ次回、母アイリスの甥であり、この国の主である「賢王アルテオ」との対面です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ