表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢、前世は優しいおばあちゃんでした!ー連載版  作者: ちょこだいふく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/90

暮らしを守る

「……今日は“もしものとき”に備えて、ちょっとした修理や工夫を学びましょう!」


コーデリアの声が小屋に響くと、集まった子どもたちや若者たちが、手にした道具をわくわくした表情で見つめた。


「屋根に穴が開いたときは?」「水が止まったら?」「灯りが使えなくなったら?」

それぞれの問いに、年配の講師たちが手を動かしながら答えていく。


「この藁縄の結び方、しっかり覚えておくといいよ。荷物をまとめたり、骨組みを縛ったり、いざって時に使えるからね」


「ろうそくの代わりに、油と布でランプを作る方法もあるよ。火には気をつけなきゃだけど」


「壊れた木の椅子もね、ここに小枝を挟んで補強すれば、まだまだ使えるんだよ」


リュカは薬草をすりつぶしながら、簡単な消毒薬や冷却材の作り方を子どもたちに教えていた。


「傷に効くのはこの葉。でも、感染を防ぐには清潔が大事。水がなかったら……?」


「蒸気で拭く!」


「布を焼いて使う!」


「よし、ばっちり覚えてるな」


子どもたちは目を輝かせてメモを取りながら、小さな実験を試していく。

壊れかけた桶の補修、簡易な雨避けの骨組み、石と土での炊き出し用かまどの作り方など、知恵と工夫が次々に伝授されていった。


その様子を、少し離れた場所からユリウスとコーデリアが見つめていた。


「……なんだか、思い出すね」


「うん。前世では、避難訓練ってあったよね。火事や地震に備えて」


「校庭に並んだり、防災頭巾を被ったり……懐かしい」


コーデリアはふっと笑った。けれどその目には、深い想いが宿っていた。


「何かが起きてからでは遅い。……だから、こうして準備しておくのは、怖いことじゃないのよね。安心して生きるために、知っておくこと」


「それに……皆、楽しそうだ。誰かを守る力を持つって、誇りになるんだな」


ユリウスはそう呟いて、学びの小屋の賑やかな光景に目を細めた。


そこに集う子どもたちは、ただ読み書きを覚えるだけでなく――

小さな勇気と知恵を、確かに積み重ねていっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ