じいさん?
護衛のハロルドが、きょとんとした顔でふたりを見比べていた。
「……コーデリア様?こちらの……少年とは、お知り合いで?」
「うーん……うん?知らないんだけれど、なんていうか、ある意味知ってるというか……」
コーデリアは干しりんごの袋を抱えたまま、じぃっとユリウスを見つめた。目の奥がちょっとだけ、ちくりと痛む。わけもわからず、涙がにじみそうになる。
「……でも、なんか、凄く懐かしい…」
「……っ!」
ユリウスが、思わず手を伸ばしかける。
「13歳……私より年上なの?」
「いや、まあ実年齢ならたぶん……二人合わせて190歳くらいかもしれない」
その言葉に、コーデリアは思わず吹き出した。
「なにそれ、やめて、笑うでしょ……!」
ハロルドが目を丸くする中、二人は肩を震わせて笑い合った。
けれど、視線が合った瞬間、ふたりとも静かになった。
目の奥に、ただの冗談ではないものが、確かに揺れていた。
ーーー
その夜、コーデリアは夢を見た。
血にまみれ、すべてを焼き払いながら笑う自分。
そして、その目の前で、真っ直ぐに自分を見ていた、彼。
「お願いだ、戻ってくれ。君なら、まだ間に合う……!」
夢の中で、彼はそう言っていた。
目を覚ましたとき、胸の奥がずきりと痛んだ。
(あんな結末には…させない)
同じころ、ユリウスもまた同じ夢を見ていた。
涙を流しながら「もう一度だけ、君と生きたい」と思いながら目が覚める。
(絶対に君を救いたい。)
ーーー
翌朝。
「ちょっと話があるんだけど…」
「同じく、話したいことがある…」
屋敷の前でばったり会ったふたりは、まるで申し合わせたかのように声を重ねた。
そして、コーデリアが言った。
「私のお兄様も交えて、お話しできる?」




