ハツコイソウ
初めまして愛眛世界と申します。小説を投稿するのが初めてなのでお手柔らかに。
エピソードタイトルを毎回お花の名前にしようかなと思ってます。気になったら花言葉など調べて見てください
"辻 鎮音"のイメージは不登校で入学した当時に男女共に騒がれてた「儚げイケメン」と言われていた奴といううっすいイメージだった。それこそ言われないと思い出せない程に
「いってぇ…」
その日俺は珍しく体育の時間に怪我をした
昼休みが終わった後の眠気でぼーっとしながら走っていたら転けたっていうクソダサい理由で。
普通に痛いし眠いしもうめんどくさいから保健室に行くことにした
保健室に行くって先生に伝えたらそれを聞いた女子が集まってきて付き添うよーとかなんとか言ってたけどそんなに酷くないから一人で大丈夫って言って笑ったらそれ以降は着いてこなくなった
保健室なんて入学してから一回も行ったことないな、なんて思いながら保健室の扉を開けると先生の姿はなくそこには窓際の椅子に座って本を読んでいる人が居た
目を惹くようなサラサラで真っ黒な髪。本を読んでいるので伏し目がちな目には長いまつ毛がよく見える顔の下半分は黒いマスクで覆われているが一目見て頭の中にはただ一言
綺麗だ。
という言葉が浮かんだ。
凄く綺麗な女の子だと思ったがよく見ると制服がズボンだしネクタイをしている。
え?男??
信じられなくてじーっと見つめてしまう
マスクしてるから余計分かりずらい…
確かによく見ると喉仏がある…
華奢だけど男の骨格だな…
そんなことを考えながらじーっと見つめていると流石に視線に気づいたのか顔を上げて目が合う
その瞬間俺の中の何かが揺れ動いた気がした
眉毛は細く平行で切れ長な目からは髪とは違って少し色素が薄い目の色が見える…って何真剣に分析してるんだ……まずい見すぎた…何か言わないと……
「保健室の先生なら今は居ないよ」
俺が口を開く前に本を閉じて喋る
凛としていて透き通っているけど少し掠れたような声が俺の耳に響く
声まで綺麗なのか。
「あ、そうなんだ教えてくれてありがとう。えっと…絆創膏ってどこにあるか知ってる?」
俺らしくもなく緊張して言葉に詰まる
そう言うと慣れているのか保健室の救急箱から素早く絆創膏を取り出し手渡してきた
それを受け取って気になっていた事を聞く
「ありがとう。あの…名前聞いてもいい?」
そう言うとマスクをしていてよく見えないが若干驚いたような顔をしたように見えた
「辻鎮音だよ。君は?」
"辻 鎮音"その名前を聞いた瞬間そういえば入学した当時に「儚げイケメン」って騒がれていた人がそんな名前だったことを思い出す
「俺は飛鳥染空 適当に呼んで。呼び方辻くんでいい?」
「染空くんって呼ぶから鎮音でいいよ」
「分かったありがとう鎮音くん……名前まで綺麗…」
「え?」
あ、やば思ってたこと口に出てたどうする俺……
「あ、いや…ごめん思ってたこと口に出てたみたい…恥ず」
今度はマスクをしていても確実に驚いた顔をして少し照れながら言葉を探してる様子で
「…ありがとう」
その表情と仕草を見て咄嗟に口に出してしまった
「俺と友達にならない…?」
やば……またつい口に出してしまった…引かれてないかな…
恐る恐る表情を伺うとそこには嬉しそうな顔をしているような無表情が目に映った。
その刹那これが例え俺の妄想だったとしても俺の心は鎮音くんに奪われてしまった
その後俺は授業をサボって鎮音くんと喋った会話というか俺が一方的に喋って質問したりしてただけだけど血液型は?とか趣味は?とかそんなどうでもいい質問。それでも鎮音くんは真剣に俺の話を聞いてくれて質問にも言葉を探しながら答えてくれた。
そう。たったそれだけだったそれでも鎮音くんと話した保健室でのあの時間は特別なものになった
鎮音sid
今日もいつもの様に保健室に登校していた
学校は退屈だ。勉強をしてテストを受ける結果が出たら親に見せて順位が高ければ褒められて低ければ叱られる。友達はレベルが高くなければダメ
嫌いだ何もかも。自由になりたいもう親の言いなりにはなりたくないそう思って入学した普通の高校。
入学式は出たクラスに行って席に着くと沢山の視線を感じたそれが凄く恥ずかしくて不愉快だった。もうひとつの理由もあるがそれからマスクを付け始めた
それからクラスに行くのはやめて保健室登校をするようになり今日も保健室で本を読んでいた
集中して本を読んでいるとふと視線を感じた
顔を上げるといつの間にか人がきてたらしい
背が高くてプリン頭に少しだけ後ろに髪を結んでいる両耳にいくつかピアスも開けてるようだ。
第一印象は凄く軽そうな人
物理的にじゃなくて心が。二つの意味で。
謎の見つめ合う時間が過ぎる
不思議とこの人の視線は不快じゃなかった。
とりあえず保健室の先生がいないことを伝えよう
本を閉じて口を開く
「保健室の先生なら今は居ないよ」
そう言うとその人は少し緊張した様子で喋った
「あ、そうなんだ教えてくれてありがとう。えっと…絆創膏ってどこにあるか知ってる?」
意外と緊張するタイプなんだ
そう思いつつ救急箱から絆創膏を取り出して渡す
「ありがとう。あの…名前聞いてもいい?」
え?名前?
聞かれると思ってなかったのでその言葉に少し驚いてしまったがマスクしてるし表情筋が死んでるから多分顔には出てない
「辻鎮音だよ。君は?」
「俺は飛鳥染空 適当に呼んで。呼び方辻くんでいい?」
"飛鳥染空"その名前には聞き覚えがあった
「誰にでも優しいイケメン王子」廊下を歩く女子がそんなことを言っていた気がする
それよりもただ純粋に名前が好きだったっていうのもある
保健室にあった名簿を見た時に凄く自由そうで素敵な名前だと思った記憶がある
空を染める鳥。
そんな事を思い出した
「染空くんって呼ぶから鎮音でいいよ」
「分かったありがとう鎮音くん……名前まで綺麗…」
「え?」
え?今なんて?綺麗?名前"まで"って何??僕の聞き間違い……?混乱していると染空くんが口を開いた
「あ、いや…ごめん思ってたこと口に出てたみたい…恥ず」
聞き間違いじゃなかったーーーー
どうしよう…なんて返すのが正解なんだろ
多分染空くんはそんなに深い意味で言ったわけじゃないと思うけど…やばいちょっと嬉しいっていうか恥ずかしい…とりあえずなんか喋ろう。そこからは成り行きで……
「…ありがとう」
あ…死んだ……ありがとうしか出てこなかった僕コミュ障過ぎる怖くて染空くんの顔見れない……
「俺と友達にならない…?」
再び染空くんが言葉を口にする
とも…だち…?こんな明らか光属性の染空くんがコミュ障陰キャの僕と……?
どうしよう…嬉しい。入学してから結局一人も友達つくらないまま不登校になっちゃったから凄く嬉しい…でも親にバレたら…
そんなことを考えながらふと染空くんの顔を見ると凄く真剣そうな顔をして僕を見つめていた。
その視線と表情を見て不思議と不安は消え去ったただこの人と"飛鳥染空くん"と仲良くなりたいと思った
お互いにずっと立ちっぱなしだったので保健室にある椅子を引っ張って座った
質問されるのは嬉しいけど苦手だった。なるべく早く相手の期待してる答えを出さなくちゃいけないって思ってしまうから
でも染空くんは僕の答えを急かさずに優しい表情で待ってくれた。僕が答えるのにどんなに時間がかかっても答える度に興味深そうに頷いて嬉しそうにするからとても居心地が良かった。
これからちょっとずつあげていこうと思っています
最終的にどうなるかは決めていませんがなんとなくこういう感じにしようというのはあります
二人はこれからどんな結末を辿るんでしょうか




