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10話:妹ツンデレお嬢様吸血鬼!?

 少女の声に一行は足を止めた。


「どうしたの~!!リリア~~!」


「わ、わたくし・・・」


 何か伝えようとするリリアに私は駆け寄った。


「もしかして、まだ何か用あった?」


「えっと、その・・・」


 少し頬を赤らめて、行き場のない手を遊ばせている彼女の姿を見て・・・


「あはは、もしかして私告白されちゃう?」


「ち、違います!!」


 違ったか、残念。


「その、わたくしを・・・旅に連れて行ってはくれませんか!!!」


「え?いいよ!!」


「・・・・え!そんなにあっさりといいのですか?」


 もちろん断る理由なんてない。むしろ私から誘ってもよかったぐらいだったのに。


「だ、だめじゃ!!!!」


 キュウねぇがすごい形相で近づいてきた。


「童と主殿だけのパラダイスというのにどこぞの吸血鬼かも知れぬやつに邪魔されとぉない!!」


「いや、僕もいるんだけど。あとイムも」


 どうしてキュウねぇこんなに必死なんだろう。前から愛が重いとは思ってたけど。


「どうしたのキュウねぇ。ユウのときはそんなにだったのに」


「じゃって・・・じゃって・・・こやつ主殿とフラグ立ちすぎなんじゃ!!!!」


 ・・・うん、このおねぇさんは無視しよう。


「じゃあ、これからよろしくね!!リリア」


「ノ~~、だめじゃ!!」


 リリアは満面の笑みで


「はい!!お姉さま!!」


 うぉ、お姉さまか・・・リリア身長低いし上目遣いでこんなこと言われたらさすがにキュン死しちゃう。


 まぁそんなことあって新しくリリアがパーティに加わった。


「そうだリリア、これを持っていきなさい」


「これって・・・」


「ハニーの編んだマフラーだよ。これから冷えるからね」


 マフラーを巻くでもなく、ただ抱きしめるリリアはとても嬉しそうだ。


 私たちはまた、旅に出た。


「おい!!」


 あれこいつ、もしかしてあのときのガキじゃない?何しに来たんだろう。まさかまたいじめに?

 と思ったけどガキの手には手作りのミサンガがあった。


「旅に出るって聞いたぞ。ほらこれお守り。持ってけよ」


 ハハ~ン、やっぱりこのガキ、リリアのことが好きなんだね。まぁ子どもって好きな子によくちょっかいかけるし。ところでそんなリリアの反応は・・・


「いらないわよ」


「・・・・え?」


 あちゃ~、まぁそうなるよね。ガキさんポカ~ンとしちゃってるよ。


「どうしてそんな粗末なものを好きでもないあなたから受け取る理由がどこにあるというの?」


 そういうと、リリアは軽蔑した眼でガキさんを一蹴してしまった。


 ガキさんご愁傷さまです。・・・・あれ?なんだかガキの顔が少し笑ってる。

 えっと・・・まぁ愛の形は人それぞれということで。


「お姉さま、早く行ってしまいましょう」


「う・・うん」


 天空山まで距離があるので道中にあった宿で泊まることにした。


 バタンQ・・・やっぱり野宿よりもふかふかのベッドで休むに限るね。

 はぁ、旅の初めがこんなにも疲れるものなんて、まだ神獣に会ってすらないのに。でも次は本当に会えちゃうかもしれないんだよね。やっぱり旅はワクワクするものだね・・・いつかお母さんにも会えたりするのか・・な・・・


 ものすごい疲れていたからなのか1週間も寝ていたはずなのにぐっすりと眠ってしまった。


 ぐっすりと眠るミーコの顔をリリアはじっと見つめていた。


 お姉さま、相当疲れていたのね。まぁあんな力、わたくしでも見たことのない。その代償もあまり重くなければいいのだけど。


 リリアは不思議に思っていた。なぜ彼女はこんなにも自分に優しくしてくれるのだろうか。生まれてきてからリリアは人間に奇怪な眼を向けられ続けていた。それゆえ感じる強い孤独感、誰も彼女の心を理解しようとはしてくれなかった。


 お姉さまはいつも明るく接してくれる。なのに、どうして眠っているあなたはそんなに悲しそうな顔をしているの?


「・・・お母さん、」


 !?・・そう、お姉さまもお母さまが恋しいのね。安心してお姉さま、わたくしがあなたを決して独りにはしないから・・・


 リリアは優しくミーコの首元をさすり、自分もお姉さまの隣で寝ようとした。


 ビリッ!!これまで感じたことのないような感覚がリリアに走った。


 !?・・どうして、こんな。わたくし、まだ血なんて・・・


 ・・・・ん?なんだか体が重いんだけど。・・・!?


「リリア!?どうしたの?」


 ガブッ!!


 え!?リリア、私の血を吸って・・・

 い!・・・いた!・・・いた・・・いた・・・?

 あれ?痛くない。吸血って痛いんじゃなかったの?まぁこれならいいか・・・


 ドクンッ!!


 な!?なにこれなんだか体が・・熱い!!


「ぷはぁ、・・はぁ、はぁ、お姉さま・・・」


 ま、まずい、このままじゃ間違いを犯してしまいそう・・・こうなったら。


 一方、その頃。


「はぁ~、なんで童がお主と同じ部屋で眠らんといかんのじゃ」


「それは僕のセリフだ」


「主殿・・どうして童の尻尾ではなく吸血娘なんぞを選んでしまったのか」


 バタン!!!


「あ、主殿!?どうしたのじゃ、やはり童と一緒に寝たいのか?」


「ちょっと待て!!なんだか様子がおかしいぞ」


「はぁ・・はぁ・・キュ、キュウねぇ・・」


 ギュウ!!


「ああああああ主殿、ど、どうしたのじゃ、へへ、・・ふう、待ってくれぬか、今、心の準備を・・・」


「す・・・好き・・」


「ヌアァァァァァァァァァァァァァァァァ」


「お、おい!!うるさいぞ!!今、夜だからな。・・・ってこいつ気絶してる」


「好き・・・キュウねぇの尻尾」


「ちょ、ちょっとお姉さま!!急に出て行ったと思ったらどうしてそんなやつの尻尾。ちょっとこの狐!!お姉さまから離れなさい!!」


「なぁ、イム・・・僕、もう帰ってもいいかな」


「みゅ~?」


 あぁ、なんか意識が朦朧とするけど、やっぱりキュウねぇの尻尾は落ち着くね。

 うぅ、明日、しっかりと下着洗わないとな・・

ミーコパーティに新たに吸血鬼が加わった。

フランさんから神龍に関する有力な情報を得た、ミーコたちは天空山へ向かう。

次回から、神龍編開幕。


現在のメンバーのステータスまとめ

リリア・ガーネット  種族:ヴァンパイアロード  SSランク相当

HP69000

MP14000

攻撃力52000

魔力20000

防御力6000

素早さ32000


キュウねぇ 種族:九尾 SSランク相当

HP42000

MP34000

攻撃力4200

魔力56000

防御力13000

素早さ26000


ユウ 種族:人間 Bランク相当

HP12000

MP0

攻撃力15000

魔力1

防御力8000

素早さ12000



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