かしか
21世紀。
SNSに自衛機能として加わった機能:ブロック、ミュート。
とても便利なものだ。ソリが合わないと分かれば、何タップかすれば、すぐに連絡を断つことができる。喧嘩になったり、議論をしたりする前に。
そういった便利さに惹かれ、SNSという一ツールにハマっていった人は少なくない。
そして-近年。
今のところは任意となっているが、利き手と反対の前腕に、マイクロチップを埋め込み、所謂リアルでの人間管理も、ずっと楽になった。
マーク:自分の中でのイエローカード。
知らない人が集まる空間で、話も聞かず、自分の意見を押し通す者を見つけて、それが不快だ、と思えば、マークを。
もちろん、その場にいるからには、姿も見えるし会話もできる。しかし、またどこかでその人に会った時には、一度マークをつけておくことで、関わりを持たない様にしよう、という目印になる。
デメリットとしては、その人の一面を見て決めてかかる人が増えて、それ以外の面を知らずに関わりを断つ場合が増えること、だろうか。しかしそれは所詮、マークした後、その人と関わるかどうかは個人に委ねられているのだから、何面嫌なところを見て、マークがついてるから関わらない、や、マークが3個以上で関わらない、など自分で基準を決めて使えばいいだけなのだ。
ちなみに逆に、likeも出来る。土壇場でlikeの多い人間の方を助ける、などもlikeと思った回数の可視化によって、より冷静に判断できるだろう。もちろん皆が助かるのが一番だが、決断の時は避けられないだろうし、自分のデータに基づくものだから、まず疑いなく従える。
そうやって、脳内に絶対的な数値で人への好感度を判断できる材料があると、便利。だよね。
前までは人の評価なんて人間は記憶が脆いからすーぐ忘れるし、当てにならなかったけど、今は違う。
産まれたときに、親が埋め込むか選択or子供が大人になってから入れることもできる。入れられて、子供が大人になって取り出すって例はもちろん見られるが、世界の普及率は80%を超える。それに何よりめちゃくちゃ便利なのだ…。脳が嫌、と思えばすぐに相手の情報を相手が自分に教えた分だけ記録して、相手の個人の20桁の番号と共に残り、次その人に会ったなら、その情報を引き出せる。相手がチップを入れてないタイプの人間なら、情報記録と、自分が思った特徴などが出来るだけ多く記録される。
他にも、家と繋いでる場合には、あれ?電気消したっけ、と思えば瞬時に、消されてます、など返答が帰ってくる。
思う、だけで叶う。もはや書く必要も打ち込む必要もない。この下で、人間はどんな一途を辿るだろうか?
読んでくださり、ありがとうございました。m(_ _)m
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