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第一節 寺岡の大冒険

(……ここは……どこ……?)




寺岡が目覚めて始めに見た光景は、見知らぬ天井だった。


「うーん……」


どうやら、ベッドに横たわっていた寺岡。酷い頭痛がした。すると、突然……




「ピンクランドセル!!」




「!?」


タケモトが現れた。




「ハゲナッツ!!」




「!?」


寺岡は驚愕した。得体の知れない、自分より一回り程若い坊主頭が、意味不明な発言を繰り返してきたのである。


「な……なぁに?」




「ピーターパン4つ!!」




「!?」




「ピーターパン3つ!! ……




ピーターパン2つ!! 




ピーターパン1つ!!」




「!?」




「ピーターパン……」




「――!」






「0!!」






「ッハ!」




寺岡はブラックアウトした。




――、


数時間後、


「うーん……」




「ピーターパン4つ!」




「!」


寺岡は再び目を覚ました。タケモトの奇声によって――。


「何を言おうるいう事もにゃあ」


広島弁も現れた。


「ピンクランドセル!!」


「何にゃあそりゃあ!!」


「パッシーア!!」


広島弁に頭をひっぱたかれるタケモト。


「痛い。嫌だ」


その割には逃げようともしないタケモト。只々、ゆっくりと歩いて、広島弁と一緒に過ぎ去っていった。


「パッシーア……!!」


「痛い。嫌だ……」


「なっ、何だったのでしょうか」


寺岡は只々、困惑した様子だった。


「あっ!」


不意に小さな驚きの声がするのを聞いた。


「?」


寺岡は声のする方を振り返ってみる。すると、淡いピンク色のナース服を着た看護婦さんがそこに立っていた。


「寺岡さん……ですよね? びっくりしたんですよ。貴方が道路の真ん中で倒れていたから……お一人暮らしされているんですよね? 財布の中にあった免許証から自宅が分かりました。他に誰も住んでらっしゃらない様子でしたから……」




「あの!?」




「?」


「ここは、どこですか?」


「あっはい。すいません、急に色々話過ぎましたね。……落ち着いて聞いてください。


ここは、精 神 病 棟 で す」




帰 っ て き た 松 本 達 開始!!




「!! 精神病棟!?」


「はい。脳波をとらせて頂いたところ、異常な結果が見受けられまして……お勤め先は〇△□×(丸さんかっけぇ死角無し)高校でしたよね? 連絡の方はさせていただきました」


「バッ!!」


突如として寺岡は右手を高らかに上げた。


「私、本を書こうと思っていまして」




「!?」




突拍子もないことを言い始める寺岡、とても教壇に立つ人格とは思えない。


「本と言いましても、それは植物に関するモノであって……」


「……」


虚を突かれた看護婦さん。暫く何も言い返せない。


「!(あー、成る程……)」


看護婦さんは数十秒フリーズしていたが、一つの結論に辿り着いた。




『そういう人か』




ここは、精神病棟である。例えば、エガちゃ〇がここで大暴れしたら即、入院である。しかしテレビでは大暴れしても、ギャラが貰える。


何故か――?




『状況の力』というモノがある。


簡単に言うと、ヒトに役割や環境を与えると、それに馴染んでしまうというモノである。




寺岡もここにいるから、“そういう人”と思われて、患者扱いされるのである。


「植物は、太陽の光を浴びて……」


原因不明のブラックアウトからの精神科入院を見事に決めてしまった男、寺岡!! 今後どうなる!?

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