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夏のホラー参加作品

名前が悪い


観測所の食堂に今日の作業を終えた技術者や研究者が次々と入って来た。


皆、出入口の脇に積まれたトレーを手に取り給食当番が差し出す合成食のパックを乗せる。


所長が食堂に隣接する観測室の無線機のスイッチをONにしてチューナーを回す。


暫くするとスピーカーから話し声が聞こえ始めた。


『……今日の東京の夜は期待を裏切らず熱帯夜、熱帯夜を少しでも過ごしやすくする怪談を聞いて涼しもうの時間になりました…………』


地球から遠く離れた観測所の娯楽は少ない、制限された重量の手荷物に押し込まれて持ち込まれたトランプなどや、観測所内で出たゴミなどで手作りされたボードゲームがあるくらい。


その数少ない娯楽に華を添えているのが、数十年前地球の放送局で流されたラジヲ番組。


ラジヲの電波が数十年の年月を掛けて遥々地球から遠く離れた観測所に辿り着いたって訳だ。


ただ、何故か傍受出来る番組の全てがホラーなどの怪談やお経。


それでも此処が水星や金星の灼熱地獄にある観測所なら歓迎されるだろうけど、此処は太陽系の外縁部に近い極寒の地である冥王星観測所。


これ以上涼しくなる必要なんて無い。


冥王なんて名前が付いてるからその系譜の番組だけが寄って来ているのかも知れないな。








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― 新着の感想 ―
[一言] そのラジオ、ある意味高性能なのですね。 あるいは、電波が届くのがすごいとも言えますか。
[良い点] 本土と数十年のタイムラグのあるラジオ放送とは、何ともロマンがありますね。 職員の中には、自分が生まれた頃の放送を今聞いている人もいるかも知れません。 とはいえお経が日常的に流れてくると、御…
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