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わかりにくい詩たち

故障(オーバーロード)

この町は安全装置が故障している

彼女の靴はどこまでも逃げた

赤黒い地下道を

不吉なものが追って来る

安全装置の緑色の矢印が逃げる先を示す

赤いヒールが左の道へ跳ねる

どこで地雷を踏むかもわからない

自分の声ではない声が喉の奥から漏れる


ぶっ壊れそうな頭の中

軋みを上げるすべての関節

追って来るものの聞こえない吐息

伸ばされる影のない腕


騙された!

左の道は行き止まりだった!!

上へ続く階段を見ながらそう叫ぶ

追い詰められて階段にへたり込む彼女に

黒いものが襲いかかる

すべての穴と穴から入り込み

内側から彼女を破裂させた


超高温の霧のように飛散する彼女の身体!


赤い靴が転げ飛ぶ

靴先の唇が怨嗟を吐く

どうしてよ?

どうしてこの町はあたしを犯そうとするの?

あたしはただ

この町の誰よりも幸せになりたかっただけなのに

折れたヒールが床でくるくる回り

タイルの上で動きを止める

それがまるで指差すように

指し示した空が赤く晴れていた



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― 新着の感想 ―
[一言] 怖いですね。 ホラー性を感じました。
[良い点] 最後の部分がすごくいいですー!!
2022/03/19 08:06 退会済み
管理
[一言] なんか、変な夢でもみたの?
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