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君の愛に包まれて  作者: 中野瑞穂
3/3

イカの肝和え

「あった!!」

「ちょうど、昨日つけ始めたばっかりだからなかなか鼻が効くな笑」

ワイルドだけど優しい感じの匠海に少し似ているお兄さんのお店に2人できた。

「愛美にメール入れとく」

「あいつらもなんだかんだ仲良くやってるみたいだし、安心して日本酒飲みな。」

「年下っぽくない。」

「あ?」

「匠海くんて、年下っぽくないよね。」

「瑞穂さんが、歳上っぽくないだけじゃない?」

「その『さん付け』なんかむずむずするからやだ笑」

「瑞穂ちゃん?」

「瑞穂でいいよ、匠海。」

「わかった。」

珍しい。私がこんな風に年下くんに接するなんて。

本当に年下っぽくない。

だけどなんか悪くない。

おじ様といすぎて、若いエキスを欲してるのかな?

なんて思いながら匠海の顔をみると、

「なかなかイケメンですね。」

「そりゃどうも。」

口元にほくろがあって、くっきりと大きな目、

ホリは深めで

「きっとおじさんになったら、もっといい男になりそう。」

「よっ、おじ様キラー」

あいつ。優衣が余計な事を言ってたらしい。

「うんまいっ!この肝和えうますぎる。お兄さん、行きつけにしていいですか?」

「あはは、ありがとう!ぜひ!歓迎だよ」

ここの肝和えは今まで食べた肝和えの中でも絶品中の絶品だ。

信じられない、こんなうまい肝和えがあるなんて。

「匠海」

「ん?」

「連れて来てくれてありがとう!」

「…よかったな。」

「日本酒も美味しいし、私、今すごく幸せ感じてる!」

「簡単だな。笑」

酔いもあって、匠海への感謝が溢れた。


「あいつの彼女??」

「いえ、今日飲み会で初めて会いました」

「合コンか!なかなか珍しいな、女の子連れてくるのも

しかも合コンで出会った子を連れてくるなんて」

「そうなんですか?合コンて言っても友達同士の飲み会に毛が生えたようなもんですけどね。」

「2人で抜け出したの??」

「たまたまコンビニで、日本酒飲みたいって呟いてたら匠海に聞かれてて、それで連れてきてくれました笑」

「お酒好きなんだね??」

「週末に美味しいつまみと、美味しい日本酒を飲んで明日休みだーってなるのが最高で!」

「イカの肝和え?笑なかなか渋いよね笑」

「笑いすぎです笑」


匠海兄と会話に花を咲かせているといつのまにかトイレから

戻ってきた匠海がタバコを蒸していた。


「おかえり〜」

「酔ったな?最初とキャラ変わってる」

「美味しいお酒と肝和えでテンション爆上がり」

「ははは、面白いな瑞穂」

「瑞穂ちゃんは彼氏いるの?」

「彼氏はいません!」

「遊ぶおじ様はいるけど?」

「また優衣だな?最近は寂しい日々を送ってまーす」

そういえば、匠海とは恋愛ごっこをする気もおきないくらいなんか自然な自分でいられてるな~なんて思った。

こんなんいつぶりだろう?

本当に最高の週末かもしれない。

最高の日本酒に肝和え。


「匠海は?彼女いるの??」

「彼女はいない」

「遊ぶ女はいるけど?」

「まあな」

「ひゅー!さすがイケメン。女の子がほうっておかないでしょうね!」

「そういう瑞穂ちゃんはほっておくの??笑」

「匠海はなんかそういう感じじゃない感じ笑」

「どういう感じだよ笑」

「なんか、飲み仲間的な?昔から友達みたい。居心地最高!」

「酔いすぎ笑」

「お兄さんは?」

「俺は結婚して子供が1人!可愛いよ〜娘!溺愛!」

「いいですねー自分で店持って最高の家族がいて幸せの極み!笑」


話も盛り上がり、そろそろ眠くなってきた。

「瑞穂、もう3時だ、帰る?」

「そうする〜」

「またいつでも来てよ!!楽しかった!匠海をよろしくな瑞穂ちゃん」

「ごちそうさまでした!また肝和え食べに来まーす笑」


 「ふぅ、飲みすぎた〜」

ふらふらする。久々に飲みすぎた。

「家どこ?送ってくよ」

「だいじょぶだいじょぶ〜」

「じゃないな、早く住所言え」

「生意気な匠海!」

「るせー、早く住所言え笑」

タクシーで送ってくれた匠海。

意外と近くに住んでるらしい。

「今日はありがとう。最高の1日になったよ。またね!」

「俺も楽しかったよ、またな。ちゃんと化粧落とせよ」


匠海、優しかったなぁ。いいやつ。

今日は最高だった。化粧落として寝よう。

明日は一日中寝そう。

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