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君の愛に包まれて  作者: 中野瑞穂
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愚かな私の話

元々恋多き女。

26年生きてきて、何度も恋をした。

恋と勘違いしたものもいくつもあった。

だけど、それはなんなら性欲と性欲のぶつかり合いみたいなのもあった。

その証拠に終わってしまえば、残るのは

寂しさだけで。

気づけばいつのまにか次の人が隣にいた。

タイプはバラバラ、年齢も。


俗に言う『不倫』も何度もあった。

世の女の子は不倫相手に本気になる割合も

少なくはないだろう。

しかし、『不倫』の半数以上は欲張りな男が

若い女の子の大切な『若い時間』を

食い散らかす『肉欲モンスター』にすぎないと、勝手に思っている。

その証拠に、待ち合わせ前に指輪を外し

「もう家庭内別居状態」なんて囁きながら

妻が作ったご飯を食べ、妻が綺麗にしたベッドに帰り

そして妻が洗濯したパンツを履き、事に及ぶのだ。

女の子が好きなのは、妻が作り上げた男にすぎない。


私は相手が不倫でもいい。

逆にその方がいい。

『その時だけ好きな男』に本気になられる方が

正直メンドクサイ。

それでも会う前にはしっかりメイクをして

綺麗に着飾り、相手の好みもリサーチし、デートも楽しむ。

いわば『恋愛ごっこ』が好きだった。

時には手料理も作る。そんな自分に酔っている自己顕示欲の塊だった。


中にはちゃんと恋愛をする相手もいた。

何度『恋愛ごっこ』を重ねても、

そういう相手の目を見るのも恥ずかしくなり

手を握るだけで心が満たされ、抱きしめられると

胸がキュッと締め付けられる。

メール1つで、顔がにやけるようなそんな恋もした。

それでも寂しさを感じれば『恋愛ごっこ』の相手に会う。

けれど本当に好きな相手に与えられた寂しさを

拭えずに自己嫌悪に陥る。

そして会えた時はもうしないと心に誓う。

しかしそんな誓いなど、また寂しさを感じれば

元々ないかのようにあっさりと同じ事を繰り返す。

そして、相手の気持ちが手に入ると

満足してつまらなくなる。

ちゃんと恋愛してるつもりで、それは「つもり」に過ぎなかった。

なんて愚かな女だったのだろう。

そんな自分が心底嫌になった。

だけどそれ以上に、『寂しさ』が怖かった。

今思うと本気で「好き」になることを知らなかった。

それでもあなたに出会えて私は変われたよ―

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