二度目の目覚め
俺は目が覚めると何故か高そうな机のある部屋にいた。
本来ならば驚くべきところなのだろうが一度目で耐性がついたのかそこまで驚かなかった。
思考放棄しているだけなのかもしれないが。
そんなことを考えていると「ぬ?やっと目覚めたか。」という王らしき人の声と「良かった。目覚めたんだね。本当にすまなかった。あんな戦い方は初めてで興奮して君のレベルを考慮できていなかったんだ。」という勇者の声が聞こえてきた。
十分くらいたつとまだ頭痛は酷いがなんとか話せる状態まで回復した。
なので状況を整理するためとりあえず「ここはどこですか?」と問いかけた。
すると王らしき人が「ここは余の執務室だ。お主はハルトマンとの模擬戦で気絶して余がここまで運んできたのだ。」と答えた。
その発言で元々申し訳なさそうにしていた勇者がさらに頭を下げた。
「ときに召喚者よ。お主の名前を聞きたい。召喚者では味気ないからな。」
「えっと…私の名前は神代真治です。」
「クマシロ·シンジか。覚えておこう。この世界に来たばかりで混乱しているだろう。何か質問はあるか?」
「あのさっき勇者殿が言ったレベルってなんですか?」
その発言を聞き王らしき人と勇者が驚愕の表情をうかべた。
「なんと!お主の世界にはレベルがないのか?」
「レベルがないなんて…どうやって頂点捕食者類なんかを退治しているんだい?」
(お主の世界?つまり俺のいた世界とは違うということか?おかしな話だが嘘をついているようには見えない。信じられないが少し情報を引き出してみるか。)
「あのお主の世界とはどういうことですか?」
「ふむ。そこからか。お主は秘術により召喚されたのだ。召喚者として呼び出される者は強い。事実ハルトマンの先代と余の先代は召喚者として魔王を打ち倒しておるぞ」
(言われてみれば召喚とかそんなことを言っていた気がする。というか魔王?秘術?気になることが山盛りなんだが…)
「えっと…この世界ってどんな感じなんですか?」
「どんな感じであるか……ふむ…地図を見たほうが説明は簡単だな。ハルトマン。地図を持ってきてくれ。」
「わかりました。」
(言葉が足りなかったな。地理が知りたいという意味で言ったわけではないんだがこのさいだ。地理情報もありがたくいただいておこう)
そして十分ほどたつとハルトマンが帰ってきた。
「陛下。祖父より地図を拝借して参りました。」
「うむ。広げよ。」
そうして広げられた地図をみて驚愕することとなったのであった。