表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/18

1.1話 両親の気遣い

1話で語れなかった続きです。

間話の分類で少しメインのストーリーから外れたお話。

時系列は1話後、夜での話になります。


 体調が悪くならない事がいいと思ったのは久しぶりだ。

 ここ1カ月、午後から寝る時まで酷いのに朝起きたらスッキリという異常自体なのもあって解放感がある。


 今まで良くも悪くも丈夫に生きていた為、風邪なんか引かず、今起きている事以外で体調なんて崩したことがなかった。

 そのおかげで、体調よりもっと大変な事になったんだが。


「ほら逃げないでちゃんと洗わないと」


 どういう状況なのか?

 別にお風呂で幼児プレイされてる訳でも何でもない。お母さんと一緒に入らされてるだけだ。

 俺は拒否した。掴まれる。無理矢理放り込まれる。

 身長は少し低くなっただけとはいえ、握力が男の時より弱く、抵抗虚しく連行された。

 冷静になって来たものの、それが余計に洗われてる自分の身体やお母さんの身体が映って気が気でない。


 何か言われてるが、内心ドキドキで全然内容が入ってこない。

 短いボサボサの黒髪がサラっとした髪になっていき、楽しそうなお母さんの顔も鏡を見てる自分も……。


 ……きゅう〜。


 気がつくと、ソファーに寝転がっていた。

 多分のぼせたのか気を失っていたみたいだ。


「起きたか晴人」


「ん、お母さんは?」


 お父さんは風呂上がりなのか、タオルを首に掛けている。

 俺が問いかけると、答えながら俺が寝ている近くまで来ると、近くにあったテーブルの椅子を引いて腰掛けた。


「自分のお古が着れるか探しにタンスを探してる。あいつも嬉しかったんだろうな」


「もう少し落ち着いて欲しいんだけど」


「そう言うな、あいつだってお前の事心配してたんだ」


 昔の感覚ではそこまで心配された様な仕草を見た事がない。騒ぎ立てるような人ではなく、今回の様に楽しそうなお母さんは初めて見た気がする。

 どちらかというと、無愛想な感じでそこまで自分に興味が無いのかと思う時があるくらいだ。

 だけどお父さんは逆の様で、語る口は今までの記憶にあったものとは真逆の印象を受けた。

 例えば今回の1件、俺が倒れたと学校から連絡が来たら、速攻家を出て慌てて来たとの事。その後、お父さんに電話して事情を理解すると、家に連れ帰ったという。


「何か起きる前に言っておくが、0時前には寝とけよ?夜更かしなんてして、0時に眠りこけたら元に戻ったなんて事あるからな。恥書く前に着替えるか、寝る事だな」


 それに、とお父さんは続けて。


「あいつ仕事中の俺に電話かけてきて今すぐ帰って来い、なんて本気で言ってくるくらいだからな」


 はっはっは、と笑うお父さんの姿にも少し驚いた。こんな事があったせいか、何時も気が抜けてるのかもしれない。


「だからあの時、いたのか」


「あ、な、た?」


 笑うお父さんの背中から忍び寄る影はお母さん。お父さんは恐る恐る振り返ると、即座におやすみ、と言って逃げ出した。

 追いかけずお母さんは溜息を吐いて、去って行ったお父さんの方から俺の方へ視線を向ける。

 その顔は呆れてるけど、少し嬉しそうな表情だ。


「ごめんなさいね。私達は不器用なのよ、今日の事だって本当は起きると思っていた。けど、起きない方が良いし、変に心配させちゃうと晴人は感がいいから気づくと思って」


「そんなこと気にせず話してくれればよかったのに」


「同じ血だとしても、遺伝しない可能性もあって知らない方が良いと思ってたから」


 遺伝というのは、逃れられない。確実に起こるわけでも無い、知らなくて過ごした方が幸せなのではないか。というのが両親で話し合った結果なのだという。

 仲が良い癖にあまり会話している様子が無いと思ったら、これか。

 まぁ当時話されても信じなかったと思うし、判断は間違っていなかったと思う。

 だけど


「馬鹿みたいに考えないで、今度は心配せず相談して欲しい。ろくに家族との会話をした覚えなんて無かったからな」


 それと


「今回のお風呂の様なことは勘弁してください、マジで」


「あら、お母さんと入れて嬉しかったんじゃないの?」


 俺はマザコンじゃねぇ。

 口には出さない。変に否定してニヤニヤされるのが目に見えてわかる。悪戯する様な悪い顔してるからな。

 溜息1つ吐いて、無言でソファーから腰を上げてその場を立ち去ろうとすると後ろからお母さんの声が聞こえてくる。


「あ、言い忘れてたわ。ちゃんと男の服に着替えてから寝なさいよ?朝になったら元に戻るんだから、服ダメになるでしょ」


 うっ完全に忘れてた。

 確かに朝には戻るなんて言っていたから0時までに寝るか、着替えをしておかないと大変な事になるって言われたばかりだった。

良くも悪くも慣れている両親には敵わないなと思った。

その日はちゃんと男の服に着替えてから、少し大きいぶかぶかの状態で寝た。

余談で、こういう裏でのやり取り書くの好きなんですよね。

実は◯◯な話をしてました!

なので、間話ではストーリーに関係無いサイドの話が書かれます。

(と言っても本音は省き過ぎるから、進行をあまり気にしなくていい間話にしたのが理由なんだけど)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ