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新魔法 『コンフィナメント』

6話です。

短かったので主要3人の人物紹介を入れておきました。

 



 訓練2日目。

 俺は昨日と同じように、ミラと魔法の特訓をしていた。


 ちなみに他のエモーションの人達は、午前中休みである。

 だが、俺は更なる技術向上のためにミラに特訓を頼んだ。

 そのお願いに、ミラは快く受けてくれた。



「『デイフェーザ!』」



 広い特訓室に俺の声はよく響く。

 ふぅ……。

 2日目になりようやくコツを掴み始めた。

 少しずつ精度は上がってきていた。



「少し休憩にしようかしら」



 ミラは、そう言って壁によしかかった。



「ミラさん」

「何?」

「新しい魔法教えてもらえませんか?」

「そうね……。『デイフェーザ』はかなり使い慣れてきているみたいだしね……。分かったわ。でも休憩してからにしてね!私、寝不足なのよ……」



 そう言えば今日のミラはとても眠そうだ。

 訓練中も何度か欠伸や、背伸びをしていた。



「昨日何かあったんですか?」

「総帥に呼ばれてね……。夜遅くまで打ち合わせしてたのよ……」

「総帥?」

「エモーションの総指揮官よ。9つのグループをまとめる役割を担っているわ」

「その総帥と何を話していたんですか?」

「君のレビウスの調子を聞かれてね。『今どんな状況か?』って」

「なるほど……」

「総帥、話を始めると止まらないのよ……。調子を聞くだけならすぐに終わるはずなのに、プライベートの話とか、雑談とか……。気付いたら一緒にお酒飲んでたわ」



 ミラは、大きな背伸びをした。

 相当眠いらしい……。

 大変だな……。隊長も。



「《エモーション全体会議》で総帥の顔は見ると思うわ」

「はい」


「それにしても……」



 ミラが向けた視線の先には、弓の訓練に汗を流している綺麗な銀髪の人がいた。

 垂れてくる汗で、銀色の髪の光沢感は更に増していた。


 彼女の方から聞こえてくる、矢が的に当たる音は訓練中にもこちらの方まで届いていた。



「熱心よね……。レビウス」

「本当ですね……」



 昨日、新技の予兆があったからか更に訓練に身が入っているように見えた。



「頼もしいわね」

「そうですね。絶対の信頼を持って背中を任せられます」

「あなたたちは、2人で強くてはならない。いくらレビウスが強くてもカイトが弱ければ意味が無いのよ」

「分かっています。俺が弱ければ、彼女の足を引っ張るだけですからね……」

「そうならないためにも、カイト。レビウスに負けないくらい練習しないと駄目なのよ?」

「はい!」

「じゃあ、再開するわよ!」



 俺とミラは、新たなる魔法の練習を始めた。



 2




「次の魔法は、サポート魔法よ」

「サポート魔法?」

「自分の身を守る防御魔法でもあるけど、主にレビウスをサポートする魔法よ」

「なるほど」

「じゃあ、今から言うのを私に右手を向けてから、唱えてね」

「右手を向けてから」

「そう。この魔法はあくまでも1人にしか聞かないわ。そのターゲットに向かって右手を出すの」

「分かりました」



 ミラは、俺に新たなる魔法の言葉を教えた。

 俺はそれを唱えた。



「『コンフィナメント!』」

「っ……」



 ミラに向かってそれを唱えた。

 特に何も起こっていないようにも見える。

 だが、ミラが完全に止まっていた。



「相手の動きを完全に止めるのよ。この魔法も『デイフェーザ』同様一時的にしか使えないけど、足止めには十分だわ」



 俺が唱えてから僅か10秒で、ミラは動けるようになった。



「はぁ……」



 俺からため息が出た。

 魔法が溶けた途端に、体に疲れがどっと押しおせた。



「疲れたでしょう?この魔法は、体力的な問題でたくさん使うことは難しいわ。体力トレーニングをして多少、回数を増やせることが出来てもあまり使わない方がいいわ」

「分かりました……。ふぅ……」



 たった1回で、相当疲れた。

 何度も使うのは確かに厳しそうだ。



「昼からは、体力トレーニングを入れるわ。午前中はさっきので疲れただろうから、これで終わりにするわ。まだ結構時間あるから、レビウスの特訓にでも付き合ってあげなさい。私は、寝るから……」

「分かりました」



 ミラは、そう言って早々に特訓室を去った。

 俺は、特訓が始まってから1度も休憩を入れずにやっている彼女の元へと向かった。



「お疲れ」

「カイトさん。お疲れ様です」

「1回休んだらどうだ?」

「そうですね」



 彼女の額からは汗が滴っている。

 その雫が床にポタリポタリと落ちている。


 レビウスは、その場に腰を下ろした。



「どう?新技の調子は」

「まだ、時間はかかりそうです。でも少しずつですが、レベルも上がってきていると思います」

「そうか。それは良かった。でも無理はし過ぎるなよ?」

「はい。お気遣いありがとうございます」


「俺、飲み物取ってくるわ。そこで待ってて」

「いえ、私が……」

「良いよ。俺がいってくる。レビウスはゆっくり休んでて」

「分かりました。お願いします」

「あぁ」



 俺は飲み物を取りに特訓室を離れた。



 3




「取ってきたぞ」

「ありがとうございます」



 俺は、飲み物を彼女に手渡して彼女の横に座った。

 ちなみに飲み物は、いわゆるスポーツドリンク。

 汗をかいていた彼女には、いい補給になるだろう。

 そう言えば、アンドロイドは機械なのに俺たちと同じように飲み食いしている……。

 どういう事なのだろうか?



「1つ聞いてもいい?」

「はい」



 レビウスは手に持っていたスポーツドリンクを床に置いた。



「レビウスは機械だよな?」

「そうですね」

「俺たちと同じように飲み食いしているけど、大丈夫なのか?」

「はい。確かに私は機械です。ですけど、体の機能は人間と変わらないんです。変わるのは莫大なエネルギーを作り出したり、フォルムチェンジなどの特殊能力を得るために作られた機械が体に組み込まれている事だけです」

「そうなのか……」



 要するに彼女は、人間とは大して変わらない。

 でも機能を増すためや、特殊能力を得るための機械が体に組み込まれている。

 だから俺たちと同じように飲み食い出来ている訳なのか……。



「だから私は機械なんですけど、自分が機械だとは思ってません。普通の人間です」

「そうだな。レビウスは人間だ」

「はい」



 そう返事をした彼女は、立ち上がった。



「特訓、再開します」

「そうか。俺は、午前中の特訓が終わるまで見てるよ」

「分かりました」



 こうして特訓は再開された。






 ※主要人物紹介(ここからは本編ではありません)




 黒木(くろき) 快虎(かいと)


 黒髪。前髪が長めなのが特徴。

 セイヴィアー。

年齢は18歳。

 性格は、真面目。困っている人がいたら放っておけない。

 座右の銘は、『努力に勝る才能なし』




 レビウス


 銀髪。戦闘時は長い髪を後ろで結んでいるが、他の時は結んでいない。

 アンドロイド。

年齢は不明。だが、見た目はカイトと年が近い。

 性格は、努力家。

 座右の銘は、『忠告一致』




 ミラ


 黒髪。髪の長さは肩のあたりまで。

 隊長。

年齢は不明。だが、三十路には達していない。

 性格は、面倒くさがり屋。案外気が回る。

 座右の銘は、『思い立ったが吉日』



次回に続きます。

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