真相解明
一週間程たったある日、アルバから一通の手紙が届いた。
《先日の件ですが、探し物はそちらにあるようです。是非とも私を青宮へお呼び下さい》
《攫われた若者と代表者は、この青宮のどこかに捕らわれていると言うことか、厄介だな…自分を呼べと言うことは何か手がかりを掴んだのだろう》
私はアルバに手紙を届け、私の友人として青宮に来るように使いを出した。
一刻程した後使いの者がアルバを連れて現れた。
私はアルバと二人きりになり、彼の説明を聞いた。
《あれから俺は怪しい連中の中に潜り込んだんだが、あいつらやけに羽振りがいいんだよ。口の軽い奴がいて、そいつの話しではメデルカに頼まれて最近青宮の地下室に荷物を2つ運んだらしい。やけに重たくて、数人で運んだって言ってた。その荷物が俺達の探してる物に関係あると思うぜ》
《そうですね私もそう思います。でもこの青宮の地下室なんてどこにあるのか……》
《魚の銅像があって、それを右に回すとかなんとか言ってたけど…》
《魚の銅像ですか…、確かメデルカに案内された部屋で見たような気がします、今から行ってみましょう》
アルバを連れてフォルスは魚の銅像がある部屋を訪れた。
部屋の端の方に魚の銅像が立っていた。
銅像を掴み右に回すと、壁が動き地下への階段が現れた。
《あっ!有りました》
階段を下って行くと小さな地下室に出た。
父の部屋の仕掛けと良く似てる、恐らく避難所のようなものだろう。
部屋の寝台には男性が2人横たわっていた、恐らく眠り薬を飲まされているのだろう。
フォルスは彼らに魔法をかけ目覚めさせた。
【目覚めの光よ、瞼に照らせ遮光】
2人は暫くして目を覚ました、フォルスは2人から詳しく経緯を聞き出した。
彼はノートルといい町で買い物をしていたら、怪しげな連中に襲われ攫われてしまったそうだ。
若者は偶然その場に居合わせてしまい、一緒に連れて来られた。
アルバの依頼はこの若者の事だろう。
若者は何度もお礼を言いながら帰って行った。
《アルバ貴方は一緒に行かなくて良かったのですか?依頼はこれで解決したのでしょう》
《乗り掛かった船だ、最後まで手伝うぜ、俺の力が必要だろ》
《ありがとうございます》
アルバがノートルをおぶり階段を上がり、先程の部屋に戻るとそこにはメデルカが立っていた。
彼はノートルに気づいたのか、小走りで近づいて来た。
《ノートルさん!!どうしたんです。大丈夫ですか!!》
メデルカは、何も知らなかったような態度で近づいて来た。
《メデルカさん、貴方の仕業だと言うことは、分かっているのですよ》
私はアルバとメデルカに詰め寄った。
《何を言うのですか。、私は何もやってません》
《何を言ってやがる、町のごろつき共がお前に言われて攫ったと白状してるんだ》
アルバがメデルカに掴みかかると、メデルカはアルバの手を払いのけた。
《言い掛かりはやめて下さい。何か私がやったと証拠があるのですか?》
メデルカは不適な笑みを浮かべ、アルバと私を睨みつけた。
《アルバここは一旦引きましょう。今は何を言っても無駄なようです》
《くそ~。絶対証拠を見つけてやる》
《楽しみにしていますよ…》
そういうとメデルカは駆けつけて来た使用人達に、ノートルを部屋に連れて行くように、指示を出した。
翌日手がかりを探すため、昨日助けた若者の家に訪れた。
彼はおかしな事にここ数日の記憶が、すっぽりと消えてしまっていた。
彼は私とアルバを見たことが無いと言い、私とアルバを不思議そうに見つめた。
《こりゃーどうなっているんだ。嘘をついてる感じには見えないが、昨日の坊やは絶対あいつだぜ》
《えぇ…町のごろつき達も居なくなってます。きっとメデルカが何かしたんだと思いますが、町全体の人がここ数日の記憶が無いなんて…》
《くそ~。フォルスこれからどうする?証人が居ないとなると厳しいぜ》
《えぇ…取り敢えず、私は一度家に戻って父に相談して見ます、出来れば貴方にも来て頂きたいのですが?》
《辺り前だ、あいつの顔を殴るまで諦めてたまるか!!》
《では、急ぎましょう。彼が何かしら対策を打って来る前にどうにかしないと…》