螺旋階段
アルカディアの人間は主に16の職種にわかれる人生を送る。
職種を決め無くても生活出来る人間は、王族もしくは村長、幼児の3種類だけだった。
王族は主に世襲形式で決められ、彼らは町や村の人々に知識を与え、その利益で暮らしていた。
王族は他の町や村に外交として旅立つ事は出来る為、モンスターとの戦闘も可能だった。
しかし現在の王族は宮殿の生活に慣れ、今ではモンスターと戦う者など誰も居なくなっていた。
フォルスは王族の中でも上流階級の王族で、彼の成人と同時に両親の強いすすめで、フォルスは王宮に移り住んだのだった。
彼が王宮に移り住んでから数年後、ある賢者が王宮にやって来た。
彼の名前はアスライル。賢者の中でも変わり種で、他国を巡りながら知識を蓄えて世界を旅している。
彼から聞く話しはフォルスにとってとても新鮮で、いつしかフォルスは王族の身分を捨て、冒険者として旅立ちたいと願うようになっていった。
アスライルは一年程王宮に滞在し、フォルスは彼に師事して、魔法の使い方や知識を伝授して貰った。
彼ある日突然姿を消した。
それから数年後、フォルスは王宮から出なくてはならない出来事がおこり、旅立つ事となる。
ある日、フォルスは父に呼ばれ王宮の一室に通された。
父が壁の紐を引っ張ると、壁が動き地下への階段が現れた。
驚きながら父の後をついて行くと小部屋につき、そこにはある人物が座っていた。
《アスライル先生!!何故こんな所に!!》
《フォルス久しぶりじゃな。魔法はうまく使えるようになったようじゃな…そなたの身体から気力の螺旋が見えるわい》
《先生ご無事で…心配しました。父上これはいったいどういう事です、私には何が何だか…》
《まぁ、座りなさい。今から話す事は決して誰にも話してはいけない。秘密裏に動かなくては行けないのだ、勿論母さんリリアにも内緒だぞ》
父に促され私はアスライル先生の隣に腰掛けた。
《分かりました。取り敢えず話を聞かせて下さい》
父の話によると、アスライル先生が王宮の書庫で調べ物をしていた時に、二人の男の話を耳にしたのだと言う。
彼らは密かに青宮の転覆を図っていた、人間の暮らす大陸には四方に王宮があり、王宮には常に主軸となる王族がいる。
王族は赤宮・白宮・黒宮・青宮という城にわかれて住んでおり、それぞれの色に因んだローブを纏っていた。
王宮では選ばれた代表者が治世を行っている。
比較的争いの少ないこの国では、王族は主に人々の悩みを聞き知識を与えたり、冒険者やハンター達のドロップアイテムの買い取りなどを行っていた。
彼らの話は青宮の代表者が失踪したのは、次の代表者に頼まれて自分達が画策したと言う話だった。
アスライル先生はその場をすぐに立ち去ったのだが、彼らに顔を見られてしまった。
その為父が保護して地下にかくまっていた。
彼らは青宮の服を着ていた、恐らく下級身分の王族なのだろう。
私は父とアスライル先生に頼まれ、事の真相を探る為青宮の城に旅立つ事になった。