666文字異聞/女勇者りったんが行く3~今度こそ転職するのよ!
りったんは転職するため、町外れにある教会を訪れました。
「ごめんくださァい」
声をかけると、中から黒服でサングラスをかけた司祭が現れます。
「オイデヤスー」
「わたし王女に転職したいんですけどもォ」
いい年してブリっ子するりったんです。しかも、かなり身の程しらずのようです。
「……魔女ノホウガ似合ッテマスガ」
「失礼ねっ!」
「トリアエズ、コチラヘドウゾー」
りったんは地下室へ連れてゆかれました。そのまま鋼鉄製のイスに座らされます。
「ソレデハ転職ヲ始メマスヨー」
手足を拘束され、電極のついたヘルメットをかぶせられました。
「これって……電気イスじゃないよね?」
「オシッコ漏ラサナイデクダサイネー」
「ちょ、待ちなさいってば」
「スイッチ、オン!」
司祭はイスにある赤いボタンを押しました。途端にりったんの髪の毛が逆立ちます。
「あべべべべっ」
「オー、面白イ顔デース、モット電圧上ゲマショー」
司祭は出力つまみをぐいっと捻りました。りったんの目玉がびょーんと飛び出します。
「へぎょおおおっ」
「サア、ソロソロ転職スルハズデース」
しかし彼女の体には何の変化も起こりません。司祭はちょっとあせりました。
「アレレ、ドウシタンデショー?」
試しに出力をマックスまで上げてみました。今度はりったんの体からぶすぶす煙が出ます。
「ぴげえええっ!」
ここへきて司祭はようやく気づきました。
「……操作ノシカタ間違エタヨウデス」
しかし時すでに遅し、りったんは大爆発を起こしました。
どっがーん!
その後この教会では、たびたびりったんの幽霊が目撃されるようになりましたとさ。
「うらめしやっ!」