ヒロキ・ヒイラギの植物図鑑 第4部
「オペラタケ」★☆☆☆☆
竹の一種、一見普通の竹だが節の部分が透明なレンズ状になっている。加工することで遠くのものを覗くことができる望遠鏡にすることができる。その他にも顕微鏡だったりカメラのレンズだったりと幅広い。
またレンズ部分の美しさから産地周辺では工芸品にも使われており日用品の装飾品にも利用されている。生育が早く栽培も比較的簡単、日用品から芸術品まで幅広く使われる植物だ。
「カロリンゴ」★☆☆☆☆
高カロリー、高タンパク、その他栄養素を豊富かつバランスよく持ったリンゴ。栄養で迷ったらこれである。
普通に食べても美味しいため特に兵士などは主食にしているが高カロリーの為、食べたあとに運動しないと太ってしまうかもしれない。天日干しにすると長期保存ができる上に栄養素が削がれることがない。ただし見事に味だけが削がれている。食べ物の不作や冬場などの困窮時にはこの天日干しのカロリンゴが食べられるが……少なくとも僕は味気なくパサパサの干しカロリンゴはあまり食べたくない。
何はともあれユードラ大陸にこれ以上栄養バランスのとれた果実は存在しない。風邪の時の栄養補給にも最適だろう。ただ食べ過ぎるとやっぱり太る。
「ポリマワタゲ」★☆☆☆☆
正式名称「タンポリマ」キク科の植物で拳大の綿毛のついた種子を付ける。ポリマワタゲは綿毛部分の通称で綿毛から伸びた種部分を潰すと綿毛部分が膨張する。近年のポリマワタゲは品種改良されており膨張時には直径10m強にもなる。人間をぶら下げてもゆったりと落下するその綿毛は万が一大鳥から落下しても安全に地上に降りることができる。ただし使い捨て。
もっとも無事に地上にたどり着いたとしても地上はジライソウだらけなので無闇に動くのは危険である。落鳥してしまった時は慌てずにポリマワタゲの種を潰し地上に後下したらガスの実などで安全を確保しエンガオの煙で救助を待とう。ユードラ半島では緊急時のために多くの人が携帯している植物である。
「ヤカタノキ」★★★☆☆
柔軟性、耐久性に優れ木材に使用される植物、大きくまっすぐ伸びるため子供の成長祈願のお守りに使われる。木材としての歴史は古く、現在ユードラ半島にあるものの5割は人間が木材用に植樹したものである。
また生育場所によって若干育ち方に差があり使用状況によって産地を使い分ける。大まかに言うと南部ほど細く、北部ほど太いものが多い、太いものでは樹径40mにもなる。
20年前からジライソウの影響で人々は木の上で暮らすようになったがそのほとんどはヤカタノキである。ヤカタノキの上にヤカタノキの木材で家を建てたり中身をくり抜いた空洞を家にしたりと地域によって独自の暮らし方が形成された。