第七話
夏休みは、楽しみにしていた分すごく早かった。
もちろん、夏休みはすみれ達と遊んだりするのがほとんどだったけど。
大きいイベントは花火大会だけだったかなぁ。私は海もプールも行きたいって行ったんだけど。のってくれたのは亮だけだったし、すみれも裕也も泳ぐのが苦手だ、とか何とか言ってきた。
もちろん亮と2人で行くなんて事には、絶対にしちゃだめだから、結局行けずじまいだったけど。
二学期が始まって、私達の学校は文化祭に向けて追われるそう。
勉強そっちのけでいいのかよって言いたい気分。
だって、私、じゃんけんで負けて文化祭実行委員に選ばれちゃった。
憂鬱で仕方ない。
相手は私と同じでじゃんけんで負けて佐々木くん。
皆がわいわい楽しそうに放課後準備してる中、私と佐々木くんは会議に出席するんだもんなぁ。ついてないよ。
「すみれ~。今日から、毎日会議。」
もう来週と迫った文化祭。
つめていかなければいけないことが沢山。
「瀬奈、頑張って!うちらは教室で準備しとくからさ!」
すみれが親指を立てる。
「うう・・・ずるい・・」
「せ~な。寂しいんだろ?」
亮は花火大会の時から、前より一層ちょっかいをかけてくるようになった。
「すみれと裕也と私も準備したい~」
「な!俺はよ!俺!」
「いらない!」
「こ、こいつ~。」
亮は馬鹿だ。すぐにちょけるし、私のノリにもすぐ乗ってくれる。そしてすぐに私のほっぺたをひっぱる。
「ひ、ひひゃい~」
「おいおい、亮その辺にしとけよ。」
その点、裕也はというと・・二学期になってからか、中学の時と変わって、おとなしい感じ。なんか、慣れない。
「佐々木!こいつよろしく。」
亮が手を掴む。ドキドキ。
まただ。また、ドキドキする。
なんでだろう?
「じゃあ、委員会いこっか?佐藤さん。」
「佐藤って誰よ。」
「お前だろ!」
亮がほっぺたをひっぱる。
・・・嬉しい。
佐藤は、私の苗字だ。
「いってきます・・」
私と佐々木くんは教室を後にした。