第五話
迷子になっちゃった。
やっぱり、買いに行くって一言言うべきだった。どこに行ったんだろう?
携帯も家に置いてきちゃったし。
「お姉ちゃん!ひとり?俺たちと花火見る?」
え、怖い!
グイッ
「すいません。こいつ俺の女なんで。」
「なんだよ。彼氏いるのかよ。」
「あ、ありがと。亮。」
「バカ!どこ行ってたんだよ!心配しただろ!」
「ご、ごめんなさい~。でも亮なんで?」
「気付いたら瀬奈いないから、探しに行くから先にいっといてって2人には言って来た。」
「そっか。ありがと!実はフランクフルト買いに行ってたの(笑)」
「本当色気ねぇな!お前って奴は!」
そう言って亮は私のほっぺたをひっぱる。
「痛いよ!ばか!」
「ばかはどっちだよ。ほら行くぞ。」
ドキッ
亮が当たり前のように手を繋いだ。
「瀬奈はすぐどっか行っちゃうから、ちゃんと手。握っとけよ?」
不覚にも亮にドキドキさせられる。
「だ、大丈夫だから手いいよ?」
「だーめっ!もう俺が瀬奈の事見つけたからここからは俺の責任です。」
ドキドキが止まらない。
「こうやって手繋ぐとか本当に彼氏彼女にみられるかな(笑)さっきは俺の女とか言ってごめんな?」
「ああ!そんなの気にしてないよ!」
「えっ!まじで!超ショック!」
「本当調子いいよね、亮って(笑)皆にそうゆう事言ってるんでしょ!女の子はそうゆうの勘違いしちゃうんだよ~?」
あれ?
反論してこない?
亮?
ギュッ
一瞬手を握る力が強くなった。
「じゃあ、今、瀬奈勘違いしてる?俺が瀬奈の事好きって言ったら信じる?」
え?
「な、何言ってんの!」
「冗談。瀬奈は裕也だもんな。言わないぜ。黙っててやる!」
「バカ~!裕也は友達!」
「え?そうなの?ふ~ん。」
亮ってば、本当誰にでもこうゆう事言うんだろうな。
そう分かっていてもドキドキは
止まってくれない。
「裕也!すみれ!瀬奈いた。」
パッ
とっさに手を離す。
「ごめんね?フランクフルト買いに行ってたら、見失って・・・」
「バカ。見つかってよかったよ。瀬奈電話でないし。こっちこいよ。」
「瀬奈ほんと心配したんだから!」