第九話
「ほんとごめんなさい。」
「いいって、いいって。」
私、会議頑張って聞くって思ってたのに・・爆睡しちゃうなんて。本当にじゃんけんで負けたからなったからと言って、実行委員として情けない。
「いいよ!俺がちゃんと聞いてたから。佐藤さんの寝顔可愛かったし。」
「神様!次は絶対に聞くから!誓う!」
「ははっ。じゃあ、準備皆やってるか確認して?」
「了解です!」
ガラッ
教室のドアを開けると、皆飾り付けだとか、メニューの献立を考えたりとかいろいろしてる。まだ第一希望のカフェになった訳じゃないのに。
「あ・・」
亮とすみれが目に入る。飾り付けやってるんだぁ。二人には二人の空間があった。誰もよってきていない。
そうだよな~。あんなかっこいい亮にはすみれがピッタリ合ってるよね。
私なんか・・って。なにこれ。嫉妬?やきもち?なんでなんで!亮はただの友達じゃん。
あ~もう!こないだからモヤモヤが大きくなってるよ。
「佐藤さん?どした?」
「佐々木くん・・皆カフェになったの知ってるかのように準備してるね」
「ははっほんと。」
この人普段からこうやって笑えばいいのに。
「瀬奈ちゃん。ちょっとちょっと。」
クラスメイトの加奈ちゃんだ。
確か亮の事が好きだとか。
「なに?」
女子特有の内緒話。
「ね、佐々木くんと何喋ってたの!」
「何って、文化祭のことだけど・・」
「佐々木くんがあんな笑うなんて珍しい。付き合ってるの?」
「まさか(笑)てか、加奈ちゃん、亮じゃなかったの?」
「いや、だって~亮くん確かに面白いし、かっこいいんだけど、ほら。すみれちゃんといい感じじゃん。すみれちゃんなら負けるって思って~。佐々木くん狙おうかなって。」
やっぱり皆から見ても亮とすみれは合ってるよね。はぁ。そうだよね。付き合っててもおかしくないよ。
「亮くん、瀬奈ちゃんかな?って思ったけど、恋愛感情ではなさそうだよね(笑)」
ガーン。やっぱり私だとそうゆう風に見られるんだ。私は亮にはふさわしくないんだ。
「当たり前じゃん!ばかー」
「ははっ!佐々木くん狙っちゃお~ありがと」
ああ。もう。私のばかー。
あり得ないじゃん。亮と私なんて。
亮にはすみれだよ。
そしたら、二人は両想いなのかな。
あー私って亮のこと好きなのかな・・