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第五話 自作自演劇場『憐れな少年救出短編物語(ギルドサイド』(中編)

更新遅くなって本当にごめんなさい!



あとこれから合宿いくんで更新が……



合間合間に更新するよう頑張ります!

夜、宿で夕食を食べて、師匠とともに明日のことについて話していると、初老の男がやってきた。


「こんばんわ。何かご不便はございますかな?」


初老の男は微笑みながら言う。


「今のところは無いから大丈夫だ。」


テラが返す。


すると今度はトールの方を向き、


「こちらの方が『不可視の剣豪』のお弟子さんですか。私はこの村の村長をしています、マス・ハムレットです。」


「トール・アイトスです。よろしくです。」


村長が自己紹介をしたので、トールもそれに返す。


「『不可視の剣豪』のお弟子さんとなられる方なのですから、さぞお強いのでしょう。期待していますよ。」


「いや〜それほどでも。」


「村長。こいつはまだEランクなりたての馬鹿弟子だぞ。」


「そうなのですか? ………お帰りいただいて結構です。」


「扱いひどくないですか!?」


冗談ですと言う村長にびっくりしたじゃないですかと焦るトール。


その様子を見て、テラは微笑んだ。






テラと村長のハムレットが世間話に花を咲かせているときに、トールは夕方に出会った黒髪の無口な少年のことが気になったので、村長に聞いてみることにした。


「すいません、ちょっといいですか。」


テラとの世間話をやめ、トールの方を向く村長。


「何でしょうか、トールさん?」


「あの、黒髪の少年のことを聞きたいんですけど……」


「……黒髪の?」

「はい、なんか不思議な雰囲気で、無口な少年なので気になったんですけど…」


トールが言葉を続けていると、村長が顔を曇らせる。


それを見たテラが村長に尋ねる。


「なにかわけありなのか?」


「……はい。トールさん、その子ははおそらくカイトのことだと思います。」


カイト、それがあの子の名前なのか。今度ちゃんと名前で呼ぼうとトールは思った。


村長は続ける。


「最近、ここから近くの村が魔物によって壊滅させられたのはご存じですか?」


「そうなんですか?!」


「常識だ馬鹿弟子」


トールの頭を、テラは思いっきりたたく。


「たしか村を壊滅させたの魔物はAランクの"デバース"だったな。」


テラの言葉にトールは驚く。


「Aランクの魔物が何でこんなところに!?」


トールが驚くのも無理はない。


一般に魔物はGランクから順にF、E、D、C、B、A、Sまで強さによって分類されている(ちなみにGランクは農民でもぎりぎり倒せる)。AランクやSランクはいることにはいるが、その個体数はきわめて少ない。


言い方は悪いが、こんな場所なんかに出てくるわけがないのだ。




しかし、


「近くの村にそんな魔物が出たんじゃ、この村も危ないんじゃ……」


トールはふと思った疑問を率直にぶつける。村長は頷く。


「実際、とても危険でしたよ。」


「でした………?」


トールはその言葉に引っかかりを覚えた。


トールは村長の次の言葉を待っていると、


「トール、一応村の見回りに行ってきてくれないか? 魔物がいるかもしれないしな」


「師匠?」


テラが口を挟んできたので、トールはほほを膨らませ不満を表す。


「そうですね。魔物が出たら危ないですからね。トールさん、こちらからもお願いします。」


テラに続き、村長も頭を下げてお願いをする。


「え〜……。分かりましたよ。見回りに行ってきます。」


渋々と言った感じで了承するトール。


「早く行け馬鹿弟子。」


「なんならそのまま帰ってこなくても結構ですよ?」


「だから扱いがひどすぎる!!」


涙目でトールは宿を飛び出して、見回りに行ったのだった。



…………………



「……で、どういうことだハムレット。一応希望通りに追い出したが」


ハムレットの空気を察知し、トールを追い出したテラ。


「ありがとう、テラ。なに、少し込み入った話しになるから、二人きりで話したいと思ったまでさ」


突然口調が変わって驚いたと思うが、テラと村長ことハムレットは昔からの旧知の中なのだ。


故にこんな辺鄙な村の依頼を、Sランクであるテラが受けている。


(まあ、あと二つほど理由があるがな)


テラは内心思う。


「いやしかし驚いたね。弟子はとらないと言っていた君がねぇ。どういう風のふきまわしだい?」


「あいつには才能がある。ただそれだけだ」


「やっぱり君と同じで魔法は使えないのかな?」


「そうだ……。おい、ハムレット。話しを戻せ、何故二人きりで話しがしたい?」


雑談を切り上げ本題に入ろうとするテラ。


ハムレットはまあまあといって、


「……Eランクの若造なんかに、話していい内容なんかじゃないからね」


声音を変え、雰囲気を一変させて言うハムレット。



さすが腐っても、ハンターから引退していてもAランクだな、とテラは思った。


二つ目の理由がこれだ。正直、この依頼があること自体がおかしいのだ。Fランクの魔物討伐なんて、引退してると言ってもAランクのハムレットなら朝飯前なのだ。それなのにわざわざギルドに依頼をする。この不自然さに、眉をひそめたテラは依頼を受けた。


そして最後の三つ目の理由であり、テラの最大の疑問。それは、



この村が、存在していることだ。


Aランクの魔物"デバース"によって近くの村が壊滅したのだ。そのときにこの村も標的になって壊滅したとしてもなんら不思議ではないのだ。


「……なにがあった?」


尋ねるテラ。


「さっきの話しを覚えているかい?」


「近くの村に魔物が出たことか?」


「それもある。だけどそれよりも前の話しだ。」


少し考えるテラ。


「……トールの言っていた少年の話しか?」


そうだと頷くハムレット。


「それがどうかしたのか?」


「『実際、とても大変でしたよ』」


唐突にさっきの話しの続きをするハムレット。テラは黙ってそれを聞く。


「村を壊滅させて雄叫びをあげるAランクの魔物"デバース"。その巨体さ故に、この村からでもその村を蹂躙し破壊していく様をこの目で見ることが出来たよ。」


さらに言葉を続けるハムレット。


「村を破壊し尽くしたデバースは向きを変え、この村の方に迫ってきた。」


あの時は流石にまずいと思ったねとハムレット。


「そして村の前まで来てあわやと思われた。そのときだったよ、ありえないことが起こったのは」


「ありえないこと?………なにが起きたんだ?」


「驚くなよ?」


そこで一旦言葉を止め、息継ぎをするハムレット。


テラはハムレットの次の言葉を緊張した面持ちで待つ。


「……何もしなかったんだ」


「は?」


意味が分からないと言った様で驚くテラ。


それを見て苦笑するハムレット。


「あの獰猛で破壊を愉しみ、格上であるSランクの魔物にさえ闘いを吹っ掛ける、あの"デバース"が、この村の前を素通りして、まるで"何かに怯えている"かのように、何もしないで"逃げ"ていったんだよ」


「……」


テラは開いた口が塞がらなかった。


獰猛残忍で村など人里を襲った後は何も残さないことで有名な""が何もしないで逃げる。しかも怯えてだと……?


「ありえない……」


「だろ?」


テラの言葉に、ほらなといった感じで返すハムレット。


「だから、一応そのあとすぐに村に行ったんだ。手がかりが見付かると思ってね。…そして見付けたんだ。いるはずのない生存者をね」


「……まさか」


「そう、それがカイト。さっきトール君が言っていた少年だよ」


さらにハムレットは言う。


「ギルドにFランク魔物討伐依頼を出せば不審に思った君が来てくれると信じていたよ。君が来て、この話しをするのが僕の狙いだったからね」


やはりなとテラ。


「そしてもう一つ、話さなければならない驚くべきことが出来たんだ。」


「…まだあるのか」


さっきの"デバース"話しに加えているはずのない生存者カイト。これ以上驚くことがまだあるのか。


「先日、君がまだこの村に向かってきている途中であろう時のことだ。唯一の生き残りであるカイトの様子を見にカイトを引き取ってくれたバーム夫妻の家に行ったんだ。」


さらに言葉を続けるハムレット。


「夫妻からカイトは裏庭にいると聞いた僕は見に行ったんだ。」


そこで一旦言葉を止め、


「……そしたら、カイトが魔法を使っていたんだ」


「……それがどうした?」


ハムレットのなんでもない内容の話しに疑問を感じるテラ。魔法を使えることは珍しくない。むしろ使えない人の方が少ないくらいだ。


訝しげな目を向けてくるテラに、ハムレットは首を横にふる。


「確かに魔法を使えることは珍しくない。……だけど、使える魔法の属性が問題なんだ」


「……! まさか!」


「そのまさかだよ。カイトはつかえるんだよ。あの










"絶対属性"をね」

来ました"絶対属性"かっこいいーーー!!


これから厨二病を増やしていきたい!



あと感想を入れてくださっている方、本当にありがとうございます!


ちゃんと返信したいと思います!(合宿中に時間があれば……厳しいかな?)


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