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第二話 『設定』という能力

ぶっちゃけまだまだプロローグ

そして携帯で文字を打つのは面倒臭い……

目が覚めると、ベットに横になっていた。


「……ビビデバビデブーはないだろ……」


状況についていけてない俺は、本来は言うべき「知らない天井だな」という伝説の台詞を言い忘れていることに気づいていない。


体を起こし、ベッドから出た俺は自分のいる場所を確認する。机、ベッド、本棚といった物はあるけれど、その他はなにもなくあるものでさえこの部屋と同じ様に質素なものであった。部屋の北側に付いていた窓から風景を眺めると、村の広場で子供達が遊んでいるのが目に入った。


恐らくここは神様に頼んだ設定『老夫婦』の家なのだろう。


「ていうかいきなり家のベッドからスタートと……か……」


………あれ、俺ってばもしかしてあの伝説の台詞「知らない天井だな」を言い忘れた?!


いまさらながらそのことに気付いた俺。


後の祭。


俺が頭を抱えしゃがみ込んで落ち込んでいると、部屋の外から階段をのぼってくる音がしてきた。


恐らく老夫婦のばあさんかじいさんのどちらかがのぼって来ているのだろう。


「まずいな……」


俺は落ち込むのを止め、内心焦りはじめる。


何がまずいのか、それは大まかな設定は神様に頼んで反映してもらったけど、詳細は決めてない。


つまるところ、老夫婦とどう接すれば良いのか分からないのだ。


神様にはクールな少年とだけ頼んでいたが、具体的にどれだけクールなのかを決めていなかった。例えば考え方だけがクールで普段は明るい性格なのか、それとも言動や行動も全てクールなのかとか。


もし本当は前者の設定なのに、俺が後者の振る舞いをしたらおかしいだろう。老夫婦ぶったまげること間違い無しだ。


個人的には無口でクールな少年という設定が良いのだが……、神様にそこまできちんと頼んでいない。


というわけで、話し掛けられても対応の仕様がない。


あれ、これっていきなり(そこまでではないが)ピンチじゃね? と思っていると、ついに階段をのぼって来ていた足音が部屋の前で止まると、扉をノックする音がした。


そうしてどうしようどうしようとテンパっているときに、それは起こった。


突如として目の前に、『設定』というなんかよくわからないウィンドウが出て来たと思ったら、



"『設定』を打ち込んで下さい"



と書かれた注意が。とりあえず俺は急いで"無口な少年"と打ち込んだ。


ピローーーン


"了承しました。設定を反映します。"


下手な機械の音と共に人工音声が頭の中に聞こえた、思った次の瞬間には扉からばあさんが入ってきた。


「あら、起きてたのかいカイト」


話し掛けてくるばあさん。


「……………」


テンパって何の返事もしない俺。


ばあさんは(テンパって)何の返事も反応もしない俺を見て、さもいつも通りといった感じで接してくる。


「じゃね下で朝ごはん用意してるから、洗面台で顔洗ってきてね」


ばあさんはそう言って部屋から出て階段を降りていった。


……なるほど。さっきの『設定』というのは俺が望む設定を打ち込む事で、それを反映させるものなのか。把握。


まさにチート能力ですね。


まあ、それは置いといて。



ばあさん、洗面台ってどこ?!

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