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第一話 俺という設定を決めよう

異世界のとある森の中。


小鳥がチュンチュンと囀り、朝の日差しが木々の間に差し込み、森一体を明るく照らすのは夜明けの合図だ。


「チュンチュン、チュチュンチュン」


訳:良い朝だ、実に清々しいな。


「チュチュン、チュンチュンチュ。チュンチュンチュン」


訳:やはり、この森は良い。魔物さえいなければだがな。


「チュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュン〜」


訳:チュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュン〜


今日も小鳥さんは絶好調。


そうして小鳥さんはしばらく森の上を飛んでいると、周囲より少し明るい場所を見つけた。


「チュンチュン?、チュンチュチュン…………チュンチュンチュン!?」


訳:なんだ?、あそこだけ…………なんだあれは!?


その光景に小鳥さんは絶句した。










俺を包んでいた光が収まったので、目を開けると


「な、なんだここは!?」


知らない森の中に立っていた。


向こうの方で俺を見て口を開けている小鳥がいる。


しかしあんな体の色が金色な鳥は、俺の世界では見たことがない。


つまり……


「異世界だよな…」


やった。ついにやった。


俺は……俺は……………………!


「異世界に来たぜーーーいやっふぅぅぅぅぅぅぉぉぉおおぉっしゃぁぁぁっ!!」


この異世界に出会えた喜びは、


「まさしく愛だ!!」



よし落ち着こう俺。ここはクールに行こうぜとか某伊達政宗さんも言ってるじゃないか。


まずは現状確認だ。


異世界に来た、以上。


「くふふふ〜」


ダメだ、ニヤケ笑いが止まらない!!


そうしてくふふふと笑っていると、



「おっ、無事異世界に来れたようだね」


「神様ッ!」


神様が森の中から歩いて来て、俺に話し掛ける。


「喜んでくれてなによりだよ。それより君はこれからどうするんだい?」


首を傾げながら聞いてくる神様。


「ん〜とりあえずこの世界の事を教えて下さい」


「君が想像している異世界って言えばいいかな?」

つまり魔法(厨二病的な)あり魔物(それは厨二病的な)ありギルド(それはもう厨二病的な)ありですね。


わかりやすい説明ありがとうございます。


「この異世界で俺ってどんな設定なんですか?」


やっぱりこれは気になる。


すると神様は苦笑して、


「まだ決めていないんだ。希望があるなら聞くけど。」


えっとそれってつまり…



「自分の生まれとか容姿とか名前とか自分で決められるんですか?!」


「そういうこと」


俺の質問に頷く神様。


ということは生まれを貴族とかにしてハーレムとか容姿をイケメンにしてパーリナイ(訳:ウハウハ)とかできるってことか!?いやまて、俺がここに来た理由はなんだ、答えろ自分!


はっ! 英雄になるためでございます!


そうだ! ……でも王道な英雄はあまり好みじゃないからな。


というわけで、


「小さな村で暮らしていたが魔物に襲われて一人だけの生き残りとして生きながらえて親切な老夫婦に育てられているクールでかっこいい少年という設定でお願いします!」


俺は一息に自分が希望する設定を言った。


すると神様はポカーンとした表情をして俺の顔を見た。



「えと、そんな設定で良いの? もっとこう派手な貴族的な設定ではなくて?」



顔の表情を元に戻し、俺に尋ねてくる神様。


まあ王道の英雄になるためだったらそっちの方が良いだろう。


普通は英雄って言ったらTHE 王様の息子で熱血で良い人だからな。


だがそういう設定だと失敗したあとでフォローを入れにくい。


最初から英雄っぽいやつだと、なんかミスったときに評価を下げてしまう恐れがある。


それだったらあえて最初(評価0:好感度0)から始めた方がやりやすい。


そして後から自作自演で自分の評価を上げていけば良い。


そのためにさっき言った設定が必要不可欠なのだ。


というわけで


「まあ、設定はさっきので大丈夫です。ちゃちゃっと設定を反映してください!」


「いやまあ………はあ、分かったよ。後悔しないでね?」


そういって神様は俺に指を向けて


「ビビデバビデブー!!」


突如として俺の体が光に包まれ、ついで意識が薄れていく。


「じゃあね、この世界を楽しんでね」


神様の言葉を最後に、俺は意識を手放した。


この設定が、あとで火を噴きます(予定)

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