第1話 ストーカー観察日記
俺―藤井 楓は同じ高校の同級生―渡辺 夜花にストーキングされている。
まあ、普通の高校生なら、怖がって、誰かに相談したり、警察に通報したりするんだろうけど、あいにく俺は、ストーカーである子―夜花のことが好きだから。そして、俺は夜花がストーキングしている様子を日記に書いている。
あ、今日もついてきた。今は学校が終わって帰る途中、一緒に帰るやつもいないので、一人寂しく帰るけど、夜花はいつも俺の後ろ十メートルくらいをついてくる。うん、めっちゃわかりやすい。多分俺じゃなかったら、すぐに警察に通報されていると思う。
俺がなぜ夜花を好きになったのかというと、まあ純粋に、ずっと後ろから追っかけてくる姿に、安心感を得てしまったからだ。だって、ずっと俺のこと愛してくれるってわかってるんだもん。好きになって何が悪い。そして、俺もこの子の日記をつけている。俺もある種のストーカーみたいなものだからな...人のこと言えない...
できるならすぐに付き合ってしまいたいくらいだけど、俺にはそんな勇気がないのだ。告白とかしたことないし...
家に帰ってきた、いつの間にか、夜花も近くからいなくなっていた。ちなみに夜花の家は、俺の家から結構近いらしい。
ちなみに俺は、アパートの一室を借りて一人暮らしをしている。まあ、親にいろいろ事情があって、仕送りしてもらって生活しているのだ。そして、この部屋には、俺が仕掛けた、監視カメラが置いてある。
夜花が盗聴器を仕掛けたりスマホにGPSを仕込んでいたりしていた様子が映っていたので、俺の会話や場所は筒抜けらしい。
そんなことは置いといて、今日も、夜花の観察をするのだ。具体的に何をするかというと、
俺がわざと家を出る、
そうすると夜花がGPSで家を出たことを確認して、俺の家に入ってくる、
俺の家に入ると、監視カメラが置いてあるので、その様子が映る、それで何をしているのかを見るのだ。
この絵面だけを見ると、俺も十分やばい奴である。でも夜花も同じようなことやってるんだし、お相子だと思うんだけど...
まあいいや、ということで、外に出て、そこら辺の公園に移動する。
俺の家の監視カメラの映像を俺のスマホから見れるようにしてあるので、のぞいてみることにする。
――――――――――――――
夜花side
私は―渡辺 夜花 は今日も愛しの彼―藤井 楓 がとても大好きだ。今日も彼のことを後ろから追いかけるし、家に帰って、彼の家に仕掛けておいた、盗聴器から、彼が別の女を連れ込んでないかとかをチェックするのが習慣になっている。でも私から告白はしない。きっと彼も私のことが好きだからだ。
スマホに通知が来る。この通知は、彼が家から出たということだ。
私は、すぐに準備をして、彼の家に入る。もう何回も入ったので、合鍵も作っておいた。こうやって、彼の家に入って、彼の家に知らない泥棒猫が入ったかどうかも見ないといけない。
「今日は何を作ってあげようかな...」
そして私は、彼にご飯を作るのだ。そうすると、いつも彼は私の料理を食べてくれる。毎日作ってあげたら、それって実質、私が彼を作っていることと同じだから。だから今日も彼のご飯を作る。
「今日は、彼の好きなオムライスを作ってあげよう!!」
そう言って、キッチンに移動するのだった。
一時間後
もうそろそろ、彼が帰ってくるので、私も家に帰ることにする。喜んでくれるといいなぁ。そういって、この部屋にいたい気持ちを抑えつつ、家に帰るのだった。
――――――――――――――
楓side
うんまあ、いつも通りだったな。なんとも普通の感想を返しつつ、家に帰ってくる。冷蔵庫を見ると、先ほど、夜花が作っていたであろうオムライスが置いてあった。普通にうまそう。
このオムライスは後で食べるとして、先に風呂入ってくるか。
やっぱり、タオルや歯ブラシとかが取り換えられたような跡がある。一週間ごとに新品になっているから、普通に慣れてしまった。
風呂から上がって夜花が作ってくれたオムライスを食べることにする。
電子レンジで解凍して、
「いただきます。」
そう言って、食べ始める。
うん、めちゃくちゃうまい。正直言ってこれ冷凍の味じゃない、そう思わせるくらいには、とてもおいしくて、心が温まるような味だ。
「今日もおいしかった。」
気が付いたら、すぐに食べ終わっていた。もう夜花の料理以外食べることができないかもしれぬ。
「ごちそうさまでした。」
それから、皿を洗ったりして、テストで悪い点を取らないくらいに勉強して、寝ようとしたとき、
「忘れていた。」
そうだ、俺はいつも寝る前に、日記を書くのだ。それも夜花の、ストーカーの観察日記を書いている。日記帳を取り出して、新しいページに、今日、観察したことを書く。
――――――――――――――
ストーカー観察日記
5月17日 月曜日
今日も今までと同じように、わざと夜花を俺の家に入れてみて、何をしていたかを観察したから、ここに書いておく。主にやっていたことは三つで、
・晩御飯を作る(オムライス)
・部屋のチェック
・持ち物の取り換え(タオル、歯ブラシ)
一週間前も同じようなことをしていたから、月曜日にすることは、上三つで確定な気がする。もう早く付き合ってしまいたいくらいだけど、そんな勇気が出ない。まあ引き続き観察をすることにする。
――――――――――――――
これでいいか、そういって、この日記帳を鍵が付いた引き出しの中に入れる。この気持ちは夜花にも、知られたくないから。もう、拒絶は嫌だから。
「終わったことだし、もう寝るか。」
明日はもうちょっと、いつもと違うことをしてみようかな...そんなことを思いながら、電気を消して寝る。
――――――――――――――
夜花side
楓が寝た後、私はイヤホンを外し、
「今日の楓も、可愛かったな~。」
そう言って、私は、彼の様子を日記に書くのだ。この日記には、私が彼にやったことのすべてが書いてある。私が彼と出会った日から今日まで。書き終わったところで私も寝ることにする。
ベッドに入ると、いつも彼の妄想ばかりしてしまう。彼が私に告白して、付き合った時のこととか、私が彼に、してあげたいこととか。そんなことを考えていると、とても安心するから。
でも、彼が告白を中々してくれないから、ちょっとずつ、彼に近づいていくことにした。気が付いたら、もう私から逃げれないようにするのが目標だ。そのためにも、明日も頑張らなくちゃいけない。だから、
「覚悟しててね?私の愛しの楓くん。」
――――――――――――――
どうも、初めましての方が多いと思います。この作品で二作目になります。この作品は、友達がストーカーの小説を書いてほしい、みたいなことを言ってたから、ちょっと息抜きがてら作ってみた結果、こんな変な感じの作品になってしまった...
とりあえず一話書いてみて、今やってる作品と並行できるかもちょっと怪しいので、この作品は、皆さんからの反応がよかったら、続きを書くことにします。
この作品が良いと思ったら、応援やコメントよろしくお願いします。




