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水晶占い

トントン

トントン

「どうしたトルド? 」

「失礼します。王子にお客様です」

トルドの独断で勝手に通してしまった。

私は王子はいいからメグレン様に会わせてと言っただけなのに。

とりあえず他の令嬢に気づかれることなくこっそり禁止エリアの王子の居室に。


「何だお前たちは? 」

生意気でどこか抜けた感じのあるクソガキ。それがハッチ王子のイメージ。

でもさすがは王子で昨夜の即興劇には震えた。まるで白馬の王子様のよう。

不思議なもの。今はそのオーラがまったくない。いつもの王子に戻っている。


「失礼します。このトルドさんに招かれまして」

「ああ美しきお嬢さん。どうぞこの王子の愛を受け止めてくれませんか? 」

そう言って軽い感じの王子。まさか本気?

「ガキが何を言ってるの? 意味も分からずに真似をしないの! 」

ついイライラして王子だと言うのに叱責してしまう。

私はメグレン様にお会いしたいだけで王子は特段どちらでも構わない。

それは昨日から変わっていない。ビアンカはどうか知りませんがね。


「何? 何だと? この王子に逆らうのか? お前たちは正気か? 」

どうやら王子は本気らしい。困った人。

「ああ君たちどうだいチョコレートはいかがかな? 」

マントとマスク姿の男。メグレン様発見!

何だ。一緒なら一緒だとそう初めから仰って下さればいいのに。

これは恥ずかしいところを見せてしまった。もう……


「ありがとうございます」

ラクエラ名物のホットチョコレートだそうで王子はとても気に入ってるそう。

「しかし王子…… 飲み過ぎて歯にも体にも悪いのではありませんか? 」

ビアンカが気に掛ける。ですが放っておいてくれと意に介さない。

どうやらお付きのお爺さんに散々注意を受けたのだろう。

「うるさい! 我は美食家じゃ! 文句は言わせんぞ! 」

子供扱いを受けてむくれる。間違いなく子供と言うかクソガキ。

それでも私より年は上。もう少ししっかりして頂かないと。

守るにも守れない。相手は懸賞金欲しさに襲って来る得体のしれない暗殺者。

ほら今だって機会を窺っている。


「そうだよね王子。気にしないで食べよう。どうせ気にしても無駄だって」

つい王子に慣れ慣れしい態度を取る。しかも危うく気づかれそうになる。

無駄はさすがに言い過ぎ? もう健康に気をつける必要はないとも言えない。

メグレン様は常に笑っている。お爺さんの方は何かに気づいたのか睨んでいる。

怪しまれた? でももう遅いのでは? 暗殺者を王子に接近させてどうするの?

失態。大失態でしょう? 誰が責任を取るの? 

大体責任を取ってどうにかなることでもない。さっそく王子暗殺しましょうか?


「おい! それは何だ? 検める! 」

そう言って勝手に水晶を出し偉く立派な机に置く。材質が明らかに異なる一級品。

これはラクエラの特産物で作られたもので国王への献上品。

交易都市ラクエラなので外国からとの取引もあるよう。

これが第三の都市に押し上げた原動力にもなっているそう。

お嬢様ですからねこれくらいの知識は当然持ち合わせています。


「ただの水晶玉です」

「うん? タダだと申すのか? 」

「いえそう言う意味ではなく何の変哲もない水晶玉と言うことでございます。

決して怪しいものではありません」

ビアンカが否定するがもちろんこれは王子暗殺の道具だ。

これをどのように扱うかは詳しくは知らされてない。

しかしこれを使い暗殺を行うのは間違いない。何も知らないので不安は尽きない。

それはビアンカも同様。


「ほおではさっそく占ってもらおうかな」

占い師だと決めつけられる。

そう言えばただの令嬢ではつまらないので姉妹で占いに精通してることに。

「はあ…… 」

ビアンカは迷っている。もしかしたら別のことを考えてる?


今ここには王子を含めて三人だけ。

裏切り者がいるとは考えにくい。だとすれば今こそ身元を明かして協力を仰ぐか?

そうすれば私たちは晴れて暗殺集団から抜け出せる。

私たちの協力があれば奴らの正体を明かしせん滅することも可能。

ここには百パーセント奴らはいない。そう考えるがでも万が一もある。

この爺さんが裏切らないとは言えない。


「お姉様よろしいではありませんか」

もうここは少しだけでも王子たちに情報を提供しよう。

「では王子。この水晶玉をよく見てください。マリオネッタは外へ」

他の者には決して動かないように指示を送る。王子だけを誘い出す。

今なら王子をこの水晶で撲殺できる。そうすればすべてが解決する。

でもさすがに実行に移せない。


「うむ。透き通ってるな。これがどうした? 」

「人を思い浮かべて下さい。ここに映しだされたのがあなたの運命の方です」

「ほう。どれどれ…… 彼女は? 」

「そうです。あなた様の運命の方はこのマリオネッタなのです」


三分後。

水晶に映し出されたのは私の姿。これが奴らの言うテク。遠隔で王子を暗殺する。

そうは言われたけどどうやって? いつどのタイミングで?

最後の最後と言われてるけれどそれがいつなのかまったく。

すべての作戦が失敗した場合に発動される奥の手だそう。


                 続く

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