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船で旅気分

正式に同行を許可された。王子の懐に飛び込んだ形。

これで第一段階完了。予定通り。奴らも満足するだろう。

後はゆっくり王子の後をついて行けばいい。


「もうマリオネッタ…… 」

ビアンカはやり過ぎだと窘めるが聞く耳を持たない。

王子に虜になってる人が何を言ってるの?

確かに夢にまで見た噂の王子ですが随分イメージとかけ離れてしまっている。

理想の王子はどこへ? それこそ命懸けで手に入れた怪しげな招待状。

それもこれも王子に会う為。しかし現実はどうでしょう?

今目の前に夢にまで見た王子の姿が。卒倒してもおかしくないほど。

しかし目の前の王子は何と言うか物足りない。

夢が覚めると理想が消え現実を知ることになる。


「はいはい。お姉様ゆっくり見回りましょうか」

こうして視察に最後まで同行。本来ならあり得ないがこれも王子の我がまま。

お付きにしろ護衛にしろ王子の機嫌を損ねないよう最大限努力する。

その上でお守りしていく。こんな生意気な王子に振り回されて周りも大変。

ですが多少我がままでも純粋だ。私などよりも幼く見えるが実際は王子が上。

これは敬いの対象。素敵な王子様へと様変わり。

人を見た目や雰囲気で判断してはいけない。


滝を離れて視察を済まし船着場へ。

今のところ王子襲撃の動きなし。仮にあっても私たちは待機。

きっと暗躍しているのでしょう。暗殺時は王子から離れるのがいい。

どっちの意味でも安全。間違って襲われることも下手に疑われることもない。


「ははは! さっきから何を考えているマリオネッタ? 」

生意気なガキに見えるちょっと上の王子。子供っぽいから世話が焼ける。

お付きの者は無理だとしても教育係には躾けられてこなかったの? 

王子としての資質が身についてないだけでなく自覚が足りてない。

ラクエラにいる間だけでも教育してあげられたらな。

きっと立派な王子になられるはず。それは彼の為だけでなく国民の為にもなる。


「うん? マリオネッタ? 」

どうも王子はビアンカよりも私に興味があるらしい。ああ困ってしまう。

「晩餐会のことを少々。それから舞踊会も」

ついでに暗殺計画も。どこで狙われ何が凶器になりいつ実行されるか?

決して高みの見物などとふざけてはいけない。奴らには奴らなりのやり方がある。


突然ラクエラの地に落とされ今どうするべきか悩んでいる。

ただ悩んだところで解決策が見つかるはずもない。

それは分かり切ってる。でも考えない訳にもいかない。

私たちにとっても王子にとっても歓迎する未来であればなと。

それがただの理想で無理なのは百も承知。それでも全力を尽くすしかない。


船着場。

ここから移動するらしい。水上を使っての移動とは大胆でお洒落だなと。

私としても徒歩でここまでやって来たのでそろそろ疲れて来ている。

だからありがたいのは確か。感謝の気持ちにお返ししてもいいかな。

そんな風に考えている。このまま一思いに王子を抹殺。


水上では格段に狙われやすくなる。

逃げ場はなく一度狙われたらお終いのハイリスクな移動手段。

あえて船を選ぶと言うことはさほど警戒してない?


どうやら動きがありそう。手薄になったところを仕留める気でしょう。

そうすると必然的にライフルで狙撃することになる。

地下でも射撃訓練は休みなく行われていた。

そもそも初日の惨劇も銃撃によるもの。奴らは躊躇しないでしょうね。


船は多くても二十人が限界。

全員が乗るとすれば二手に別れるしかない。

問題は誰と王子が乗るか。

お付きの者数名と隊長と呼ばれる迫力のある男が確定。


彼は力強く肉の付き具合も悪くない。

これなら私の理想に近いでしょうか。傷だってきっと沢山あるに違いない。

ああ妄想が止まらない。いけない涎まで。決して男らしい方が理想なのではない。

ですが故郷ではそのような筋肉もありルックスも申し分もない戦士がゴロゴロ。

ああつい見回りに力が入る。それを咎められてストに叱られた記憶しかない。

いつも下手を打ってしまう。それが私と言う人間。


王子を中心に第一艘に乗る。私たちもお供を許される。

さあそろそろ決断する時でしょうか?

恐らく今回狙われるのは間違いない。もう逃げることもできない。

ここは大人しく離れるのがいい。


でも…… 迷い悩み続ける。どう防ぐべきか? 今はそれしかない。

王子に多少疑われても逃がすか…… でも監視はきっと見逃さない。

もう少し暗殺者側の動きを見極める必要がある。


さあ間もなく本当の危機が訪れることになる。その時私はどこにいればいいの?

どう襲い仕掛けて来るか? せめて暗殺者仲間の特徴さえ分かればいいのですが。

それは難しい。ほぼ不可能と言っていい。ですがきっと何か手掛かりがあるはず。

未だにどちらに着くべきか判断ができずにいる。

ああこれではとても落ち着いていられない。

苦しい。どうしたらいいのでしょう。


「ははは! これは面白い」

まるで子供のよう。ああもう少し威厳があれば。

さあどうなる? ビアンカを見るが彼女も不安で仕方ないと言った表情。

ついに動き出す? でもそれがいつなのか分からない。

仲間。暗殺仲間についてまったく知らされてない状況。


「王子見てください」

視察場所の近くから乗って川から海に入り現在穏やかな潮の流れ。

転覆もあり得るがそこまで大掛かりな仕掛けがあるなら暗殺者を呼び寄せない。

大体王子に近づくために十組二十名様を招待した。

そこまでしておいて転覆騒ぎを起こすでしょうか?

絶対にないとは言えませんが国王の信任も得られない。

そう考えるとやはり地道に暗殺を行う方向に向かっていると捉えるべき。


                続く

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