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仮説

決行当日。ゆっくりラクエラを三人で散策中…… のはずもなく王子の元へ。 

歩き? 冗談でしょう? 馬車ぐらい手配しなさいっての。

マリオネッタお嬢様なんですよ? もう信じられない。


報告が入る。

「そうか。失敗したか。まあいい。これは幕開けだ」

「それで次はどう…… 」

「予定通り。引き続き頼んだぞ」

どうやらトレイン内の暗殺に失敗したらしい。

だらしないなあ。もう王子早く暗殺して作戦終了しなさいよ。


とんでもないことを思うがただ思う分には何の問題もない。

面倒臭いがすべての根底にある。無理やりやらされているから。

緊張感ある作戦。誰もが早く終わって欲しいと願ってるはず……

いやそんなことないか。実行犯にはとんでもない額の金が手に入る。

もう王子の首には懸賞金が掛けられている。それを狙ってライバルが動き出した。

私たち以外は他を出し抜いていかに早く王子を暗殺するかに執念を燃やしている。


王子暗殺にはスピードと正確性が求められている。

彼らとは熱量が全然違う。ここで疑われては元も子もない。

だからなるべく気合を入れる必要がある。

そこら辺はビアンカに。妹役の私はあくまで冷静に…… 

そう行きたいところですが無理そう。つい興奮してはしゃいでしまう。


ただの傍観者。これが私たちに求められる役割。

それぞれに役目がある。余計な動きはしない。ただ命令に従うのみ。

今のところ難しい指示は受けてない。


暗殺者として動いている以上王子暗殺を阻止ようとする動きはすぐに読まれる。

心で思っているだけでも読まれるかもしれない。いつの間にか密告されることも。

そうなったら処分は免れない。だから大胆な言動に出る。それはそうでしょう? 

私たちは血塗れの招待状を殺し合って手に入れたことになってるのだから。

疑われないようにするのが第一。ただの世間知らずのお嬢様ではダメ。


「おい! お前の妹だかご主人様だかが騒いでいる。責任持って世話しろ! 」

私たちばかりに付き合っていられないそう。もう作戦は開始されてるのだから。

作戦の指示を送ってるところを見るとリーダー格なのでしょう。

あの冷たい瞳を見ればその冷酷さや非情さが見てとれる。

そう言う意味では出世も早いんでしょうね。

ほら急がないと作戦失敗しちゃうわよ。こちらとしてはいいのですが。


「はい。私の方からきつく言っておきますので」

「ははは…… これくらい自分勝手で生意気なのは悪くない。ただうるさいのだ」

辟易すると音を上げる。


うん。これもビアンカのお陰。うるさいほどのうっとうしさは絶対に必要。

存在感があるのも非常に大事。まさかこれで簡単に裏切るとは思わないでしょう。

ビアンカの立てた作戦が功を奏している。

今のところはですがそれでも気を抜いてはいけない。


命令で三十分は大人しくしていた。

その間ビアンカが詳しい話を聞く。

「今王子を急襲することはできないのですか? 」

「ははは! そう簡単ではない。今襲えば確かに作戦は終了するだろう。

しかし我々の関与が疑われたら結局は無駄になってしまう。

逆鱗に触れ磔か八つ裂き。良くても国を追われることになる。それはまずい。

ライバルに有利になるだけ。おっと…… これ以上は余計な話だな」

暗殺当日とあって口は軽い。もう黙っている必要はない。


彼らは王子暗殺することにより王位継承権を得られる者に近い暗殺集団。

ただそれだけでは何も情報を得てないのと同じ。

これでは密告しても相手にされない。怪しい奴めで捕らえられ処刑されるだけ。

だからもっと具体的な情報を得てから徐々に寝返る。

今のところそんな風に考えている。できるなら暗殺したくないですからね。

仲間にだってさせたくもない。これは優しさよりもライバル心から来るものかも。

タイムリミットは私たちが投入される最終日。


凄く納得したのに違和感がある。この違和感は何? 恐ろしい仮説が立つ。

私たちに話したのはただ気が緩んだのではなくもう漏れる心配がないから。

それはつまり私たちが仲間で暗殺者と言う考えから…… ではなく始末するから。

そう考えるのが普通。余計なことを知っている不都合な存在は消すに限る。

ただ暗殺までは身柄を保証されたとも言える。

まさか彼らは私たちを暗殺者にでっちあげる算段がついているとしたら?

そのことに気づくような頭の回転の速い者はいないと踏んでいるの?


これはもう止められない。成功しても失敗しても死あるのみ。

それが運命だと言うなら受け入れるしかないのでしょう。

もう迷いは吹っ飛んだ。やはり王子暗殺を未然に防ぎ王子にすべてを告白する。

それしか生き残る術はない。それだって物凄い低い確率。

生還できるとは限らない。どさくさに紛れて逃げることも考慮しなければ。


「ごめんなさい。体調が…… 」

一人で離脱。

「ああ好きにしろ。ただし逃げるなら容赦はしない」

そう言ってビアンカの腕を取る。もうここに来ては監視はしてられないよう。

ターゲットに迫る中で余計なことに神経を使いたくないのだろう。

手薄の監視体制を突破することも考えてもいいかもしれない。


「では急いで…… 」

茂みでお花を摘む。屈辱。お嬢様としてのプライドが…… 

逃げたと思われたら処分は免れませんからね。急いで後を追いかける。


                   続く

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