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ラクエラの夜

厳しいダンスの特訓を終え夜のラクエラに繰り出そうとするが当然止められる。

これくらい文句ないでしょう? もう少し私たちにも自由があったっていい。

ラクエラの町を散策させてよ。それくらいの度量があっていい。


「調子に乗るな! 飯がまずくなると言ってるだろう! 」

わざとなのかイライラさせる。大人げない人。

少しは冷静になって考えてくれませんか。

このままだと切られてもおかしくない。ただ有能な私たちを切るのは難しい。

今更補充できない以上暗殺成功率が下がることは避けたいはず。

奴らだって厳しい態度をとるがきっともっと上の人の指示で動いてるだけ。

自分たちの失態になるから厳しいし口酸っぱく言うのだろう。

これなら逆らっても問題ないと判断。


危険な判断ですがこれも作戦の一つ。

何事においてもただ従っていては未来がない。自分で考えて行動する。

当たり前のことですがこれがとても大切なこと。

弱気もダメ。周りに合わせるのもダメ。

強気で交渉してこそ道が開けると言うものでしょう。

たとえどんな絶望的な状況であっても切り拓く強い力があれば希望は見えて来る。


ビアンカから教わったことを実践するもどうやら機嫌が悪いよう。

これはバッドタイミング? 私ってどうも最近ついてないのよね。

道に迷うわおかしな招待状貰っちゃうしいつの間にか争奪戦にまで巻き込まれて。

挙句には地下室に閉じ込められ暗殺者に仕立て上げられるし。

いいところまったくなし。どうして私ばかり? 

ストの言うように調子に乗り過ぎ?


「食事が何だと言うの? あなたたちの目的は何? 美味しい食事すること? 」

喰ってかかる。もう限界も近い。それはお互い様。

「お前本当にやる気あるのか? 他の奴らはいかに仕留めようか研究しているぞ。

対してお前は遊び歩きたいと来やがった。どうなってやがるんだその頭はよ?

観光気分で来やがって。舐めるのもいい加減にしろ! 」

雇い主の言う通りにするのが当たり前。気分を損ねれば報酬が貰えない。

決して対等な関係ではない。大人しく従えと。


「だから暗殺計画に支障がないように町を歩きたいって言ってるでしょう! 」

頑なに主張を曲げない。だって遊び歩きたいから。

初めてのラクエラですものね。ちょっとぐらい羽目を外したっていい。

行くか行かないかは彼らが決めることじゃない。私自身が決めること。

これが私…… 私たちのやり方。


「まったくお前と来たら…… ではきちんと今日中に帰ると誓えるな? 

逃げる真似をしたらただではおかないからな! 」

釘を刺すがそれはその時になってみないと分からないもの。

そうだともそうでないとも言えない。残念ですがお約束はできません。

「それは当然でしょう! これはあくまで暗殺の準備ですよ」

「だったら好きにしろ! だが何度も言うが裏切るなよ。

それともうこれ以上何も話しかけるな! 飯がまずくなる」

男が折れる。これは私の努力と粘りによる完全勝利と言っていいでしょう。


相手はとんでもない暗殺集団で血も涙もない外道。

ですが私たちにだって殺し合いをして手に入れた血まみれの招待状がある。

これが私たちの勝ち取ったものと疑わない。凄腕の暗殺者だと誤解されている。

瀕死の者の願いを聞いて偶然手に入れたもの。

まったくの偶然なのに勝者として信頼を得ている。

おかしなものですね。これが運命の分かれ道だったとも言える。


こうして僅かな時間ながら自由な時間が与えられた。


「マリオネッタお嬢様! 」

「粘り勝ちよ! さあラクエラの町を楽しみましょう」

こうして二人で街に繰り出す。

うーん。真っ暗。これでは右も左も分からない。

せっかっくの外出ならもっと明るいうちに頼めばよかったかな?

でも厳しいしうるさいから。どうしても解放されるのは夜になってしまう。


「ビアンカどうする? 」

背伸びをして体を動かす。何だか久しぶりの外に体がついて行けない。

今この事に気づけて良かった。もし明日このような状況になれば失敗するだろう。

当然失敗していいんですけどね。足を引っ張ると処刑されかねないから厄介。


招待された当日に逆らって拒否した二人組はあっさり殺害されてしまった。

あの時は皆集まっていたけれど誰一人として認識できなかった。

暗くて暗くて。それがのちに響かなければいいのですが。

未だにあの時のショックから立ち直れない人も…… それはないか。

招待状を奪い合った元々そのようなタイプ。

私のように王子からの招待状だと疑わなかった者がショックを受けることになる。

そんな稀な方いませんよね?


「ビアンカどこに? 」

ゆっくり散策のつもりがなぜかビアンカが慌てた様子。

「もちろん逃げるんです! 急ぎましょう! 」

そう言うと無理やり引っ張って行こうとする。

「ちょっと待って…… 」

ビアンカは本気らしい。でもそんなつもりでは……

確かに目の前に逃げ道があるのに進まないなんてできない。

騙されて連れて来られたようなもの。もう大人しく従う義理はない。

でも…… 本当に逃げ切れるの?


                 続く

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