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ラクエラ到着

急ブレーキ。ついにトレインはラクエラに到着。

例の三人組が大騒ぎしてるところを人混みに紛れて脱出。

こうして辛くもピンチを切り抜けた。


これで私たちが本当に狙われていることが判明。

勘違いではない。恐らく…… いえ絶対にあの招待状を狙ってのこと。

まさかここまでとは。喉から手が出るほど欲しいものだったとは。

奪い合いや殺し合いしてまで手に入れたい魅力的なもの。

それがこの血塗られた招待状なのでしょう。


あの三人の目は尋常ではなかった。でもなぜ? ただの招待状なのに。

王子と親しくなったり気に入られればこの上ない幸せが訪れるでしょう。

ですが招待状を送った先は私のような美しく魅力的な令嬢。

決して誰でもいいはずがない。なのになぜか皆さん執拗に狙ってくるの?

分からない…… 彼女たちの狙いが何なのか見当もつかない。


目立ち過ぎたので上着と帽子で変装しどうにか宿へ。

ここで晩餐会まで大人しくしていよう。

晩餐会がどうなろうと今晩はここで宿泊。

王子に気に入られて宮殿に招かれない限り……

かなりの高い確率であり得る話なので困っちゃう。


晩餐会場までは目と鼻の先。

ビアンカによればここから見えるあの大きな建物で開催されるそう。

「ねえビアンカ。どうしても惹きつけてしまうの。今だって宿屋の主人が…… 」

「はい。確かにそうですがそれだけではないのでお気をつけください」

よく分からないことを言う。まさか私の美しさに嫉妬してる?

招待状の件は伝わってるはずがない。


「お腹空いたな。お食事に行きません? 」

「何を言ってるんですお嬢様? 目立っては危険です。

あなたはいつだってトラブルを起こすんだから! 」

ビアンカに言わせれば私はトラブルメイカーらしい。

ちょっと変わった趣味があるからって勘違いしてもらいたくない。


「大人しくここに。様子を見てきますから。それとお食事は我慢。

晩餐会でたらふく食べればよろしいかと。今はじっとしてるように」

ビアンカは私を置きものか何かと勘違いしてるのでしょうか?

失礼しちゃう。好奇心のままに行動しないでどうするの?

ラクエラに着いたんだから少しぐらい羽目をはずしてもいい。

でも今は頼れるのは彼女だけだから言う通り大人しく寝てるとしましょう。

そもそも長旅で疲れたので遊び回る体力はない。


しかし何て貧相な部屋なの? これではメイド部屋にも劣るじゃない。

主人に言って替えてもらおうかしら。

でも今は本当に疲れたからちょっとだけ横になるとしましょう。


トントン

トントン

まさかの安眠妨害。徐々に音が大きくなっていき耳を塞ぎたくなるほど。

これはただごとではありません。仕方ないので起きるとしましょうか。

「もうビアンカ何なの? こっちは疲れてるんだからね! 」

「失礼します。挨拶に参りました」

宿の女将さんらしき人が律儀にも一部屋一部屋回っているらしい。

まったく本当に人騒がせな。それで起こされたこっちの身にもなってよね。

ああ疲れたな。ぐっと疲れが出る。


「はい。どうぞ」

つい気が緩み部屋に招き入れてしまう。あれ程ビアンカに言われてるのに無警戒。

これでは命がいくらあっても足りない。

「どうもトレインでは世話になったね」

何とあの目つき悪い三人組の一人。後を付けられてないなら偶然?


「誰かと思ったら先程の…… ここで宿を? 」

「そんな訳ねえだろ! 早く出すもの出せよな! 」

凄むがそこまでの恐怖を感じない。なぜでしょう?

余裕ができた? もう慣れたとか?


「おい! 聞いてるのか? 」

「分かりました。それで何をお求めに? 」

トレインからしつこく要求するが心当たりがない。もちろんまったくではないが。

あるものと言えばお菓子の余りとサンドイッチの食べかけ。

こんなものしかない。果たして本当に彼女の求めてるものがあるといいのですが。


「おいおい分かってるんだろう? 」

「はい。余りでよろしければどうぞ」

強盗さんに食いカスを差し上げる。

「ボケ! 誰がそんなもの食うか! 」

ドンドン口が悪くなっている。下品なんだから。冷静さが保てずにいる。


「だったら何をお求めか正直に言ってください」

ぼんやりしたことしか言わないから無駄な時間を使うことになる。

両方によろしくない。素直に何が欲しいか言ってくれたらな。

差し上げられるものなら差し上げたいのです。

「ボケが! 招待状に決まってるだろう? 」

ついに正体が判明。彼女は王子主催の晩餐会にどうしても出たいのだろう。


「ごめんなさい。それはできません。そもそもここにはないんです」

「おいおい嘘だろう? お前トレインの時もそうだったのか? 」

意外にも鋭い。この頭の回転の速さは使えるかもしれない。

「本当にごめんなさい。でも仮に招待状を手にしてどうやって正装するつもり?

ドレスの一つもないでしょう? 」

つい心配に。これも相手の神経を逆なでする行為。でもどうしても確認したい。

いくら招待状を得たからって正装しない限り晩餐会には参加できない。

それくらい常識なのにどうも彼女はその考えがないよう。

おかしい。何だかとてもおかしい。


                 続く

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