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ビアンカと

領地を超えての冒険。危険も一杯でしたがその分収穫も。

真っ暗になった頃に屋敷に無事到着。

大変遅いお帰りとなりました。


どうにか助かった。道に迷い一時はどうなることかと。

遺体をそのままにしたのは忍びないですけど領地を超えての行動は厳に慎め。

それがたとえ遺体であろうと。ただお父様には伝えたので回収することでしょう。


問題は彼女と接触したところを見られたかどうか。

ただ木陰で休憩なさっていると思っていたから警戒もせずに近づいてしまった。

それはお嬢様としても専属メイドとしても軽率だったと言える。

ストに指摘されるまでもなく今となっては失敗したなと思っている。

ですがあの時見回しても人の気配はなかった。音だってしなかった。

薄暗くてイマイチ見えないと言うこともあったのかな?


恐らくビアンカの悲鳴は聞かれた。それで確認に戻って来ることも考えられる。

とにかく警戒しなければ。特に領地を離れて単独行動すれば狙われることも。

大変軽率な判断で行動であったと反省している。

このことがバレたらまたストによって動きを制限されてしまう。

それは朝の見回りを使命とする私にはあまりにも辛い現実。

泣き出しショックで寝込むことにもなる。

ううん。きっと考え過ぎなのでしょう。


「大丈夫かマリオネッタ? まったく勝手に出歩くから危険な目に遭うんだぞ。

少しは反省しなさい! 」

久しぶりに怒るお父様を見た。毎日のようにストに叱られてるがさすがに堪える。

「はい。二度とそのようなことは致しません。本当に申し訳ありませんでした」

真面目に反省の言葉を述べる。これくらい反省した振り…… 実際してはいるが。

日頃の行いが悪いから疑われやすい。そんなお嬢様どこにいるの?


「ははは…… 反省すればそれでよいのだ。次からは気をつけるのだぞ? 」

「もちろんです。勝手に行動しないように気をつけますので」

ああ面倒臭いな。何で反省の言葉を述べないといけない訳。もう嫌になる。

早く終わってくれない? かわいい娘が戻って来たんだからそれでいいでしょう。

俯いてるのって疲れるのよね。もうそろそろいいでしょう? 欠伸が止まらない。


「ダメです旦那様! お嬢様はまったく反省などしておりません。

今だって欠伸をかみ殺している。騙されてはいけません! 」

ストが余計なことを言って丸く収まるところを台無しにする。

本当苦労する。反省はもちろんしてるんだって。その上で欠伸が止まらないだけ。

疲れて眠くなってる。もういい子は寝る時間でしょう?

明日の見回りに影響してしまう。それだけはどうにかしたい。


「よし分かった。マリオネッタの処分はお前に任せる。手荒な真似はするなよ?」

威厳を持って牽制する。

「そんなお父様…… 」

「まあ頑張れマリオネッタ。しっかり反省して来なさい」

お父様に見放されストの魔の手に。あーあもうやってられない。

こうして三日間の外出禁止令が出された。


謹慎中のお嬢様。外出禁止令二日目。

「まだなの? いい加減屋敷の中だけでは飽きちゃった。お庭に行かせてよ」

「ダメですお嬢様! そんなこと言ってどうせ逃げる気でしょう? 

屋敷内は自由にしてていいんですから我慢」

生意気な口を利くようになったビアンカ。あらあら随分と偉くなったものですね。

私の後ろ盾があってこそなのにその言いぐさと扱いは何なの?

あら聞こえた? ついブツブツと音になっていたみたい。

「これもお嬢様の為なのです。外は危険ですよ」

ビアンカもよく心得ている。でも家に閉じこもっていても何も解決しないのに。


仕方ない。やれることから始めよう。まずはとにかくあの招待状の真偽と内容。

ビアンカにすべて任せたが何か分かったかな?

「これを見てください! 」

血まみれの招待状。今はもう黒ずんでしまっている。

「招待状に印が…… これは国王及びその親族が証として使用するもの。

ですから限りなく本物であると断定できます」

「ふんふん…… 続けて」


面白くなってきた。死人も出て不謹慎ですが王子に近づきつつあるの間違いない。

間違いないんですけどやはり怖い。緊張と興奮と共に恐怖が心を支配し始めてる。

「恐らくこの招待状は本物かと思われます。相談するにも誰にしていいものか。

巻き込むのもどうかと。それだけでなく詳しい者がここにはいない」

ここで疑っていても無駄だとビアンカは積極的だ。


「それで他に分かったことは? 」

「はい。晩餐会は間もなく行われるそうでこの辺りでは受け取った者はいないと。

少なくても正式に招待されていないことになります」

招待状からはどうにか日付も読み取れたそうで問題ないと。

「極秘に? しかしなぜ? 王子の安全の為だとか? 」

「さあそこまでは…… とにかく行ってみるしかなさそうですね」

ビアンカは結局のところ分からず仕舞い。

これでは私と大して変わらないじゃない。


「それとこの招待状は恐らく二人一組となっています」

「ああ紳士淑女の…… よくある招待状」

「はいそこなんですよ。王子主催の晩餐会。お相手探しのはずなのになぜか二人。

しかも女性のペアでと指定がありまして…… 」

「まあ細かいことはいいでしょう。行けば分かりますって」

つい口が滑ってしまう。当然行くつもりだけど止められたら厄介。

彼女がストの命令下にあれば報告される。

でも彼女はそんな子じゃない。秘密は守る主義。だから多少教えても問題ない。


「ですがお嬢様! 」

「いいから静かに! 黙りなさい! あなたも行くんです! 」

ビアンカを巻き込んでしまう。しかしどの道二人一組。

女性二人と言うことは若い女性が求められてるはず。

ビアンカと二人で行くのが自然な流れ。

これは面白くなってきた。


                続く

また明日!

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