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回収作戦(1)

亡霊島では、まだ開拓されていない場所の調査を行っていた。その中には、破損し老朽化した地域の再建も含まれている。

ラピスは自室で必要な物資と人員を適材適所に配置し、ハデスは彼女の指示に従って作業を進めていた。

ラノルドは当面、ラピスの指示に従うことはなかったが、おとなしく「騎士団訓練場」で兵士たちを鍛えていた。


ただし、兵士たちの養成に関する事項が出るたびに、ラピスとハデスを呼び、訓練の方向性や特性を選択できるよう説明してくれる。

訓練とは文字通り、骸骨兵たちの武器や戦術の熟練度を上げる作業であり、特性とは既存の骸骨戦士を改良し、より頑丈にしたり、より俊敏にしたり、あるいは弱点となる耐性を補うことを指す。


短い会議の末、特性を付与し、再び作業に戻ろうとした時――


「ハデス、ちょっと私の部屋まで来て。重要な話よ。」

ラピスがいつもとは違う真剣な声でハデスを呼んだ。


ラピスが部屋に着くと、直属の近衛兵の一人が紙束を手渡してきた。受け取った紙を開いて目を通すと、彼女の表情はゆっくりと歪んでいった。


「『聖偉国』が動き出したみたい。」

「……なぜ、奴らが動くのですか?」

「前に私たちが殺した連中、覚えてる?」


“前に”とは、ハデスが最初の依頼を受け、兵士たちを皆殺しにした時のことだろう。


「その中に、密偵が紛れ込んでいたのよ。それで『聖偉国』が調査の一環として、一部兵力を今朝出陣させたらしいわ。はあ……あの狂信者どもめ……。」


全てを読み終えたラピスは、小さくため息と罵りを漏らした。


「ですが、問題になることはありますか? どうせ村に関してはすでに処理済みでは?」


依頼が完了した村は、文字通り消え去っていた。正確には、村に存在する死体や墓までもが、亡霊島の糧としてすべて回収されていた。残されているのは、廃墟となった集落のみである。


「いや、この亡霊島に魔力を供給するために、村の中央に『亡霊石』を設置してある。それを回収しなきゃいけないんだけど、まだ供給が終わっていないの。少なくとも今夜までは引き延ばさないと回収できない。」

「では、供給が終わるまで私が行って阻止します。」

「亡霊石の周囲には弓兵を配置するわ。ハデス、必要な時に支援できるようにして。すぐに出発の準備をしましょう。」


ラピスの説明が終わると、まるで待ち構えていたかのように、窓の外には亡霊船が既に用意されていた。

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