死者の依頼 (1)
for you
現在、騎士団は村で野営の準備をしており、略奪した物資を送るために馬車を用意しているところだ。
闇が降りた夜、村の外れでは霧の島から出発した「亡霊船」から、ハデスと剣を携えた骸骨戦士が四体、静かに降り立つ。
「依頼現場に到着した。」
ハデスと骸骨戦士たちが降り終えると、亡霊船は再び空へと飛び去っていった。
村から少し離れた場所に降り立った彼らは、静かな森を抜け、村の景色が見渡せる丘まで移動する。
偵察の結果、総人数は20名、騎士団16名、非武装の兵力3名、標的は1名……。
「巡回している奴らから片付ける。」
弱い連中とはいえ、この人数で正面から攻撃はしない。勝てたとしても目標は全員殲滅だ。脱走者は許されない。
俺たちは夜にしか動けないから、明るくなる前に依頼を終わらせなければならない。
村の柵に沿って巡回する兵士たちを見つめながら、ハデスと戦士たちは彼らに見えない死角に入るまで息を潜めて待つ。
やがて彼らの身体が隠れるほどの家の裏を通る瞬間。影のように迫ったハデスは両手で兵士二人の首を掴み取る。
「……ぐっ?!」
「どうした…?!」
その背後では骸骨戦士たちが剣を突き刺し、抵抗する間もなく二人は絶命する。
「二人片付け完了。交代の部隊が間もなく到着する。」
死体は隠して次の交代兵を待つ。そして彼らが倒れた場所で、再び短い呻き声とともに息を引き取る。
「準備は整った。欺瞞作戦を開始しよう。」
ハデスは倒れた兵士たちの装備を剥ぎ取り、骸骨戦士たちに手渡す。
同じころ、村の中央では……。
『どこで遊んでるんだ?』
今回の遠征で臨時に隊長職を任された彼が呟く。巡回に出た者たちが戻らず気にしていたが、大したことではないかのように軽く流してしまう。
彼は酒を杯に注ぎながら、徴兵官やその取り巻きたちのご機嫌取りに忙しかったのだ。
「俺が剣を振ったら、きれいに首が飛んだのを見たか?」
「はい、とても見事な腕前でした。私でもあんなにきれいにはできません。」
「こいつは目があるな!」
村の中央で野営準備をしていた騎士団は、彼らの話に飽きたのか、だらけた様子で一人また一人と席を立って消えていった。
どれくらい時間が経っただろうか?かなり経っても戻らない兵士たちに苛立ちが募る。
「おい、兵士たちを探してこい。」
隊長は野営地に残っていた二人の兵士に手振りで命じる。兵士たちは面倒くさそうに席を立つ。
するとそのとき、遠くの方から足音が聞こえ、巡回していた兵士たちが戻ってきた。
兵士たちは内心ほっとしつつ、戻ってきた者たちに近づく。焚き火の灯が戻る兵士たちの足元から徐々に姿を映し出す。
「おい?どうしたんだ?他の奴らはどこに行った?なぜお前らだけ…?」
やがて火の灯が顔に届くと、戻った兵士たちの顔は皮膚が無く骨だけだった。
「ひゃっ?!」
驚きの声と同時に腹部から血が溢れ出す。そしてその場で凍りついた兵士の首が飛び、隊長の足元へ転がった。
「これで十五名。全員殲滅だ。」
淡々と言い放つハデスは剣を掲げ、焚き火の向こう側に座る徴兵官へと狙いを定めた。
2