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回収作戦 (5)

剣が交錯する。

どうにかハデスを食い止めようと必死に受け止めるが、その圧倒的な力の前に次第に押し込まれていく。


「こっちだ!」

リーダーを援護するように、別の方向から矢が飛んできた。

その矢を一瞥したハデスは、力を競り合っていたリーダーの腹に強烈な蹴りを叩き込み、軽やかに跳ねるようにかわすと、そのまま矢を放った弓兵へと駆け出す。


「目をつぶれ!」

盗賊が奇妙な球体を投げ込んだ。転がったそれが光を放つと同時に爆ぜ、ハデスの視界を覆い隠す。

周囲を覆う煙に阻まれたハデスは、剣を大きく一閃した。


「神の名のもとに汝を処す――ホーリー・アロー!」

剣風によって一瞬で煙が吹き飛ばされたが、それを待っていたかのように、司祭の放った魔法がハデスに命中する。


「……」

「……」


一見すれば拮抗した戦い。

だがその裏に潜むのは、覆い隠せぬ実力の差だった。


「……遊びは終わりだ。」


瞬間、空気が凍りつき、同時に彼の姿が視界から掻き消える。


「きゃああああっ?!」

次に現れた時には、すでに背後の司祭を捕らえていた。


「彼女を放せ!」

弓兵が弦を引こうとしたその瞬間、ハデスは司祭を盾のように前へ突き出し、迫って弓を斬り裂き、二つに叩き折った。

狼狽した弓兵が短剣を抜き迎え撃とうとしたが、その首は一瞬で貫かれる。


「ぐっ……」

抜き取られた剣と共に血が溢れ、掠れた声が途切れる。

そして盾にしていた司祭の首も刎ね飛び、静かに絶命した。


「あ、あああああっ!!」

その惨状に恐怖した盗賊の一人が、必死に逃げ出そうとする。

だがハデスが見逃すはずもない。落ちていた短剣を拾い上げ、盗賊の脚を射抜いた。


倒れ込んだ盗賊の周囲を、骸骨戦士たちが取り囲む。必死に這いずろうとするが、背に突き立った剣を皮切りに、複数の骸骨が無慈悲に突き刺していく。

……断末魔の悲鳴も、やがては沈黙へと変わった。


残されたのはリーダーただ一人。


「……死ねぇ!」

仲間が無惨に殺されても何もできなかった悔しさを込め、リーダーは雄叫びと共に突撃する。


その姿を見たハデスは愉快そうに笑い、構えもせず真正面から受け止めた。


リーダーの剣がハデスの心臓を正確に貫く。

だが、自らの胸を貫かれてもハデスの表情は微動だにせず、そのままリーダーの片腕を斬り飛ばした。


「て、てめぇ……何者だ……?」

「知ってどうする?」


「ククッ……すぐに聖威国の兵が来るぞ。」

その言葉は嘘ではなかった。

防壁を奪還していた骸骨戦士たちの戦闘音が、ここまで響いてきている。もう長くは持たないだろう。


「だが、お前はその前に死ぬ。」


「……なら、せめて足掻いてやるさ。」

リーダーは残った腕で懐に手を入れ、何かを取り出そうとした。


「……あれ?」

だが、そこにあるはずの聖遺物が消えていた。

焦ったように全身を探るが、どこにも見当たらない。


「これを探してるのか?」

その声で、すぐに奪われたことを悟る。


「いつの間に……!」

「面白い物を持ってたからな……ああ、悪いな。」


そう言って軽く詫びると同時に、ハデスの剣が一閃。

リーダーの首は、容赦なく刎ね飛んだ。

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