仕事 対価 使い道
そういえば九時には出ると言っていた気がした、今はまだ七時。
「飯作るか」
ベーコンに目玉焼き、みそ汁、米は昨日炊いてたやつがまだある。さっと作り終え飯を食い始める。
「早えな、顔洗ってくるわ。」
京が起きてきた。あいつは朝飯は必ずコンビニでおにぎりと揚げ物コーナーにあるチキンを食べる、
前から変わらない。ガチャっと扉があいた音がする。コンビニへ行くのだろう。
俺は食器を片付け洗い、たばこをベランダで吸う。
今日は日差しが強い、これで屋外の仕事だったら嫌だな、そういや内容聞いてないな。
たばこを片し、歯を磨きに行く。トイレへ入り、用を済ませ服を着替える。
まだ八時手前。時間があると思いテレビをつけニュースを眺める。
ふとCMで車の宣伝がされていた。新しいハイブリッドカーの宣伝だ。
ハイブリッドカーはださいというイメージをもっていたがこの車は外見がなかなかに良い。
まあ免許はまだ取りにいっていないのだが、車は昔から好きだ。
「飯食ったらいこうぜ」
京が帰ってくる。やはりいつものやつを買ってきたみたいだ。
「ハイ、これ」
ウーロン茶をわたされた。そうウーロン茶が好きなのだ俺は。手を伸ばして受け取る。
テレビを呆けながら見ていると朝飯を食い終わった京が、
「んじゃ、行きますか」
「ゴミ、捨てとけよ」
「おーけい」
外に出る、やはり日差しが強い。暑くなりそうだ。
「どのくらいだ?」
「?」
「職場まで」
「ああ、30~40分かな」
意外とあるな。と思いながら京の車に乗り込む。
「寝てていいぞ?」
「まさか」
助席にのって窓を開ける、サンガード張っておいても車内は暑い。
エンジンがかかる、いい音だ。京の車はスポーツカー、今のご時世では珍しい。
リッターも5㎞しか走らない。過去の遺物
「上、走っていくから。そこにカードさしてくれ」
と、手渡されたカードを足元の機器に差し込む。
車が走り始めた。
「そういや今日の内容聞いてないんだが?」
「ああ、お前には面接官?みたいなのをしてもらう。」
「お前も一緒にやるのか?」
「俺も一緒にやる、そのあとは研修の見学とか俺と一緒に外回りしてもいいし、
まあ夕方には帰れるだろ」
なぜ面接?と思いながらいろいろ考えようとしたがやめた。
小物入れの中をあさってCDを出して差し込む、俺たちがよく聞いていた好きな曲だ
「お、懐かしいな、学生のころはカラオケでこればっかり歌ってたな。」
京が笑いながら反応した。
「最近は聞かないのか?」
「まあな、ほら動画サイトとか結構話題になってきただろ?だからいろんなのを見たり聞いたり
するようにしてんだ」
新しいのを知るのはいいことだ、ただ俺は新しいものより自分が好きだと一回決めてしまったら、
気が済むまでそれにのめりこむ傾向がある。
「お前らしいよ、それは仕事をしているからか?」
「どうなんだろうな、俺たちまだ若いけど成長するには新しいことを知らないことを、どんどんやっていかないとダメだろ?だからそういう風に意識してんのかもな。」
本当に変わったな、と思いながら料金所のバーを潜り抜ける
京は高校で出会ったときから朝はおにぎり二つとよくある揚げ鳥?みたいなのを毎日買って食べている
雅は、自分で三食必ず作るのがポリシー